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バルカンの古都ブラショフ便り

ルーマニアのブラショフ市へ国際親善・文化交流のために駐在することに。日本では馴染みの薄い東欧での見聞・体験を紹介します。

教会

2006年11月11日 13時34分53秒 | ルーマニア事情

ルーマニア人は一般的に信心深い。下の写真は、日曜日のミサが終わって私のアパートの前の教会から参拝者が帰る風景です。毎回かなり沢山の人達で賑わっています。バスの中でも、教会の前を通過する時には、胸で十字を切る乗客が必ず何人かはいます。
 

ルーマニアはロシア、ギリシャと同じくキリスト正教(オーソドクシー)が主流ですが、カソリックやユダヤ教もあり、かなり多彩です。周辺の国々では歴史的に宗教対立が激しかった事を考えると、ルーマニアでは比較的穏和に共存してきたと言えます。
もっと奥地に行くと、世界遺産になっている要塞教会・修道院の建築物やフレスコ画などが見られるそうですが、それはそのうち報告するとして、ここでは近場で撮った教会の写真をお見せしましょう。これだけでも、中々多彩なもので、ゴシックありロマネスクありルネッサンス風ありロココ調あり・・・・・・・・。 場所も、街中あり、森中あり、様々です。大きな塔のある教会は建設に100年くらいを要したそうです。当時当地で、ありったけの創造力・財力を賭けて建設に没頭した関係者の苦労が伝わって来るような気がしますが、如何でしょうか?


秋色

2006年11月04日 20時19分43秒 | ルーマニア事情

 秋の夕日に照る山紅葉・・・紅や黄色の色様々に・・・織る錦 (日本唱歌)

日本の紅葉に比べると、 ヨーロッパでは、蔦など一部紅色が入るが黄色が主体石造りの建物や石畳に、この秋色がよく似合う。秋のヨーロッパは好きである。

 
   秋のツンパ山

 秋の日のヴィオロンのため息の身にしみて、ひたぶるにうら悲し。      (海潮音)

街角や公園の写真を撮ってみました。どこからかバイオリンの音が聞こえて来るような、そんな想像をしながら見て頂くと、ひとしお静かな秋のヨーロッパという感じがすると思うのですが。


   蔦のある家               落ち葉の坂道


   石畳夕暮れ                アパート裏道


    公園暮色                  城のある風景


ルーマニア漫画事情

2006年10月26日 23時34分37秒 | ルーマニア事情

 意外に思われるかも知れませんが、欧州では日本のマンガってすごく人気があります。前にロンドンに行った時も、「MANGA KAFE」というのが何カ所かあって、のぞいてみたらサムライのパネルが一杯張ってありました。MANGAという日本語は、KARAOKEに次いで市民権を得たように思われます。
 いつの間に日本のマンガがこんなに世界を制覇したのでしょうか。私の知る限り、もともとマンガは欧米の文化であったように思えます。例えば仏紙ルモンドの風刺漫画などは歴史の教科書にも登場するくらい昔から定評があるし、世界大戦で活躍するアメリカの飛行士スヌーピー(ピーナッツ)などは世界のマスコットにもなっています。これらの4コマまたは1コマ・マンガのジャンルから更に発展し、長編小説にも匹敵するくらいストーリーがしっかりしていて描写力の優れたMANGAが日本で独自の発展を遂げたと言うことでしょうか。

 ここルーマニアでも、MANGA(アニメ)は大人気です。アニメチャンネルというアニメ専門のTVチャンネルがあり、夜のゴールデンタイムは、ほとんどが日本製アニメで占められています。私にとって嬉しいのは音声が日本語のまま出てくること。ルーマニア語の字幕が目障りです。(完全に異邦人!!)  配役も日本語のまま(しかも漢字で)出て来るので、おお懐かしいという感じです。内容は、冒険もの、SFもの、セーラー服ものなどです。
  
   

 日本語で配役(懐かしい )  純情(?)セイラー服もの 

 ブラショフの当センターのシンパで自ら「オタク」と称する熱烈マンガ・ファンがいます。彼が先日「オタク・フェスティバル」を主催しました。これが、その時のポスターです。

  会場では、「アキバ系」とか「オタク」について秋葉原で変な外人がインタービューしている様子を映写(ルーマニア語字幕)し、いわば日本のデジタル化風俗として紹介していました。結構若者で会場は賑わっており爆笑も絶えず、受けは上々と言う所でした。自然院も、ここで初めて「フィギュア系」とか「メイドカフェ」とかいう言葉を知りました。海外に来て外人に日本の風俗を教えてもらうというのも変な話ですが、これが日本の最先端の風俗として紹介されているというのもちょっと違和感を覚えます。これってオジンになった証拠でしょうか?

 当センターでも、マンガ教室を開催しています。インストラクターは素人マンガ画家ですが、なかなかのもの。マンガを書いてみたいという若者に人気があります。

  


寒い朝

2006年10月26日 19時56分51秒 | ルーマニア事情

先週急に寒くなり朝の気温が2度となりました。「いつもアパートの前にいる鳩たちは、こんな寒い朝はどうしているのかな」と窓から覗いてみたら・・・・・さすがは共産党に鍛えられた鳩ですね。体を寄せ合って温め合っていました。目白は寒い時は目白押しをして暖め合うそうですが、ここでは鳩もね。

でも、どの社会でも仲間に入り切れない者って居るもの。下の鳩は独りで交互に片足を上げて羽の中で暖めていました。 鳩の後ろに見えるのは、掃除のおじさん。前に「ブラショフは掃除が行き届いているので、清潔」と書きましたが、実はこのおじさん達が、清掃車とクルーになって夜から朝に掛けて毎日掃除をしてくれるのです。この清掃には市当局は随分力を入れているように思えます。
「寒鳩と掃除のおじさん」。この二つは全く接点のないというアンチテーゼに、この写真の良さを感じるのですが。(ちょっと強引なこじつけ)


ブラショフはワンダーランド

2006年10月23日 20時51分36秒 | ルーマニア事情

例えば、下の写真。外に張り出した出窓、バルコニー、彫刻、壁画・・・・・・・・・・・・・。どこかの博物館かと思われるかも知れませんが・・・・・

実は、これ、私の住んでいるアパートの隣の「普通の」家なんです。因みに、お向いのお宅はこれ。

これらの家が作られた14世紀頃は、おそらく貴族の館だったのでしょう。でも、700年ほどが経ち、今は普通の人たちが普通に住んでいます。もちろん水回り、内装は改造されていますが、外装は基本的に当時のまま。

もっとも写真では、豪華に見えますが、よく見ると壁はあちらこちら崩れ落ち、ペンキは何度か塗り直されて、それでも剥げ落ちた箇所が多く、鉄格子は錆だらけというのが実情です。初めての人にはオバケ屋敷に見えるかも知れません。
荒れ果てた感じですが、掃除が行き届いているので不潔感はありません。何百年も昔の遺産を大事に慎ましく使っている。中世と現代」、「絢爛と質素」が交錯する空間、これが、ブラショフの素顔、醍醐味です。


ブラショフ市概要

2006年08月23日 12時48分08秒 | ルーマニア事情

写真はブラショフ旧市街の中心部。航空写真ではありません。近くに聳え立つツンパ山頂から撮影したものです。

写真中央に旧市庁舎広場が、左手には有名な黒の教会が見える。街は12世紀にドイツ人が建設したもの。ドイツの他のオールドタウンにも見られる雰囲気が感じられる。ちょっと驚くのは、これらの家々が建造時そのままの形を保っているということ。もちろん内装や水マワリは改装を繰り返してはいるが、基本的な家屋の構造と番地は当時そのまま。だから街を歩いていると中世にタイムスリップしたような錯覚に陥ることがある。 「ブラショフ市は日本のどの街に該当しますか?」とは、よく受ける質問ですが、あえて探せば飛騨高山か長州萩あたりか? 但し日本の家屋は、せいぜい100余年しか持たないから、その分ブラショフ旧市街はすごいと云える。とにかく、旧城壁で囲まれた旧市街は趣がある。

 

(注1)黒の教会: 高城のぶ子のベストセラー小説「百年の予言」の舞台。

(注2)ツンパ山: 標高955m。標高620mの市街から、急傾斜で聳え立っているので眺望は抜群 !!!。