Road to NORTH HARBOUR STADIUM

NORTH HARBOUR STADIUMとは州代表の本拠地であり、クラブ選手権決勝の地である

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2006-07-31 | Weblog
トライネーションズ、オールブラックスの強さが際立った。
スクラムで優位に立ち、BKはそれぞれのスキルが相手を上回った。
今回のトライネーションズも毎年の例に漏れず、世界ラグビーの水準をぐっと引き上げた。
このトライネーションズで毎年の世界の流れがだいたい分かる。
オーストラリアがシークエンスで隆盛を放った時期からディフェンス優位に時代は流れ、そしてまたアタックの醍醐味とも言えるどんどんパスで抜いていくスタイルが今季の特徴ではなかっただろうか。
オールブラックスFW陣のパススキルも凄かった。
パワープレイが持ち味であるコリンズも素晴らしいパスでトライを演出した。
相変わらずマッコウは世界一のフランカーの異名どおりの活躍。
カーターのキックも冴えた。
センター陣が揃ってくると、このオールブラックスを止めるのは難しいだろう。

ノーサイドのあとの両陣営の笑顔が印象的だった。

死力を尽くしたからこそでる笑顔。
オーストラリアの選手もオールブラックスの健闘をたたえ、笑顔で握手。
ラグビーの試合の醍醐味でもある。

ここNZでは試合後にエールを交換し、一列になって握手し、言葉を交わしていく。
いろいろな選手がいる。
日本人に負けたことが悔しいのか、はたまた単なる差別か、握手を拒む選手も中にはいる。
しかし、ほとんどの選手は握手し、挨拶を交わす。
嬉しいことに、僕のトライをほめたり、ディフェンスをほめたり、キックをほめたり、パンチが痛かったなどの報告まで、ラグビー精神のノーサイドを感じる一面だ。

日本ではこれを素直に出来ない。
いや、素直になればなるほど悔しさからさっさとグラウンドを後にして居酒屋で愚痴る。
NZにきて一番の収穫はこういったラグビーを通じた心の成長ではないだろうか。

クラブの選手も、NPCの選手も、スーパー14の選手も、オールブラックスの選手も、みんな同じラガーマン。
ジムであっても、バーであっても、気さくに言葉を交わすことが出来る。
ショッピングセンターで会ったルークマカリスタも、向こうから声をかけてきたくらいだ。
ルアやピシなども本当に気さくで楽しくやさしい(試合中は別人である)。

ある種のオーラを出す選手は、そのオーラを出さなくては自分がプロフェッショナルであることを他人に伝えることが出来ないのであろう。
日本にいたときの僕のように。

本当に凄い選手はオーラを出さない凄さを感じる。

片意地張らずに人と話が出来るようになったことも、僕にとって非常に嬉しい変化のひとつだ。
相変わらず敬語や礼儀にはうるさいですが。。。

今日、日本への帰路に経つ尾道高校の顧問の先生と昨日は夕食を一緒にとった。
興味深い話がいくつも聞けた。
僕の後輩や同期もその先生の学校から輩出された仲間が多く、その話にもなったのだが、驚かされたのは先生の記憶。
もう何十人、何百人と卒業していったはずなのに、よくそこまで覚えているな~と。
なにも日本代表の選手やトップリーグで活躍する選手ばかりではない。
高校でレギュラーさえ取れなかった僕の後輩のことまできっちり覚えておられた。

出席できなかった僕の高校時代の恩師の謝恩会でも同じく、各世代の思い出話を会場に延長料金を支払う羽目になるほど先生は語ったという。

そのチーム(中学なり高校なり大学なり)に属しているときは恐怖であり、特に合宿のときなど隙さえあれば殺してやろうかと真剣に考えたものだが、卒業してみるとやはりどの先生よりも印象深く、ふっと母校に帰りたくなるのもその先生がいたからである。

今回、尾道高校の先生であり、僕の先輩でもあるその顧問教諭が口酸っぱく生徒に指導していた言葉の中に「ラグビーと私生活は一緒」という意味の言葉。
私生活がしっかり出来ない選手はラグビーやらしても駄目だという意味。
僕のラグビー哲学と同じである。

ラグビーのプレーも、私生活での責任感も、つまり同じ人間の所業であることを生徒達にわかって欲しい。

ガラスは片面しか磨かなければ曇ったままである。
両面磨いてはじめて透き通ったきれいなガラスになるのである。


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