新古今和歌集の部屋

俳句集 花鳥風月 病棟の窓

はじめに

初めてネットワークに参加したのは、HPだった。マンションの管理組合が定めたブロバイダーと契約して光通信を始めた。

既にネットワークに参加していた叔父が、ウェッブリブログと言うのを勧めたので、2006年10月28日に参加してみる事にしたのが、ブログ名 花鳥風月だった。俳句のブログ友達も5人ほど出来たが、それぞれの方も止めて行った。当時はガラケーで写真を撮っていたので、画像が粗く小さい。それでもあちらこちらを撮って歩いている。

2023年1月に閉鎖されると言う事で、急遽引っ越しをしている。1日分を掲載していたが、読む読者も疲れるだろうと以下をまとめて、俳句集「花鳥風月」と名付ける。

 


 牛丼    2008年12月02日

寒風に牛丼掻き込み次へ行く

久しぶりに外回りをする事になった。
何時ものデスクワークとは違い、寒い風が吹く中めげそうになるが、とりあえず牛丼屋に入ってつかぬ間の休息。
次の訪問地へ向かう。
全国の営業の方の苦労に比べたら、たった一日の事だけなので恥ずかしいですが。
景気の風も寒風となっております。ガンバって欲しい。


 半ズボン  2008年12月02日

寒風も半ズボンの子駆け抜ける


社会見学だろうか?先生に連れられて子供達が先生の「急げ」の号令の下駆け出した。
大人の厚着に比べ、半ズボンの子供達。私を始め大人の驚く目が印象的でした。


 短日    2008年12月06日

雨降りて宿りも長く日の短


夜が長くなろうが、終電の時間は変わらない。当たり前なのだが、昨日は雨も降っていて、雨宿りを口実に友人と飲みに行き、帰る頃は雨も止んだ終電近く。

この句は駅ビル辺りへ、飲みにメールで誘って来た友人への返事に添えて。


 子供達の歓声  2008年12月07日

冬の晴
子供のこゑの響きをり


朝から(とはいっても世間ではお昼近くですが)子供達の歓声に起こされました。
路地でサッカーをしているらしい。
晴天で清々しいというより寒い。昔は鼻水を垂らしながら遊んだものだが今はそんな子は見かけないですね。
公園が、ボール遊び禁止、○○禁止の大人の責任逃れの場となって子供の遊び場で無くなったからか?そんな中でも子供は遊び場と遊び方を工夫しますね。
ゲームの様にコミュニケーションを必要としないものだけじゃなく遊んでほしいものです。

初句を
寒空に
寒風や
しようか迷う所です。
月例みな説明句になってもいけない、さりとて複雑で解りにくくなってもいけない。難しい(m_m)所です。


 五色の落葉  2008年12月07日

くわんのんに五色の落葉ふりそゝぐ


浅草は何時も参詣者が絶えず、野仏の観音、勢至菩薩に五色の花の降り注ぐ如く、落ち葉が散っていました。


佐佐木信綱の
ゆく秋の大和の国の薬師寺の塔の上なる一ひらの
の短歌を思い出させる碧空と五重の塔です。

 

くわんのんに五色の落葉ふりそゝぎ
をみみ様から教えて貰い直しました。
ふう様から褒められて調子に乗り、一端五色をひらがなに直しましたが、ごしきもちょっとやり過ぎかと。


 ダイキリ  2008年12月09日

夕時雨
パパ・ダイキリを
飲む勇気

雨が激しく帰るのも億劫の中途中の若者の店に入る
注文はカクテルのダイキリ
生まれて初めて頼んだ
その名前を知ってから30年目に
ツマミはあうものをといったらオリーブのいくつか
ちょっとだけ何かが新しくなりました。

ふう様からフローズン(パパ・)ダイキリがヘミングウェイが好きだったと聞いて変えました。
一つ勉強になりました。
感謝。


 日だまり  2008年12月11日

日だまりの冬の公園ランチする

今日の東京地方は風も弱く暖かいので、公園のテラスでランチを食べた。

野良ネコの日当たり選び落葉踏む

ネコの写真を撮ろうとして、携帯カメラを構えると逃げられてしまった。

 

野良猫様。おくつろぎの所…パシャ


 ジェットコースター  2008年12月14日

雷音の落ち来る影や遊園地

困りました。季語が無い。本物の雷なら夏なのですが…。

小石川後楽園に紅葉を撮りに行ったのですが、轟音とともに悲鳴が落ちて来る後楽園遊園地のジェットコースターがとても印象的、というかほとんど垂直に自由落下して恐怖を感じました。
夕闇の中、見ているだけで心臓に悪い。
o(><)o

雷音(らいおん)が先ず思い浮かび、雷鳴、轟音と変えてみたのですが、どうもしっくり来ないので。

東京地方は朝からの雨があがり、落葉のあはれを撮りに来たのですが…。


 氷雨    2008年12月17日

水鳥のおよぐ先まで氷雨かな

 

今日は朝からバタバタとして忙しく、池に泳ぐ水鳥水下の如く。
午後はそれが加速しそうだ。
昼休みだけでもと思い、近くの公園へ。


 ストイック  2008年12月18日

ストイック午後の宣告
冬の汗

血糖の健康診断の結果が悪く、体調も優れないので掛かり付けの医者に二年ぶりに行って怒られた。ストレスと運動不足が原因と知っていたが、兄姉程ひどく無いのだけが救いです。
この年末時に禁酒宣告を受け、僧侶の生活に戻ります。それが嫌で脱走?したのに…。

我が御先祖は何度も飢餓の危機を乗り越え、少ない栄養で動けるよう血中に糖を残す優秀な遺伝子を私達に残した。それが現代の環境に適合出来ない。

運動と節制、これを一生続けるという過酷さが無期懲役に思えます。
ιι(+_+)


春の様な暖かさの靖国神社で伯父に検査結果を報告して。


 病棟の景色  2008年12月19日

伯母の居る病棟の窓冬の雲


小さい頃、伯母はよく町の大学病院に入院して、私は2時間の汽車に乗って町に見舞いに行きました。私にとってはデパートへ行けるなどとはしゃいでいたのです。
伯母は毎日苦痛と検査と退屈な日々であり、窓の外、北国の冬の空は、どんよりして、ストーブの蒸気が窓を白くしていた。
そんな中でも甥の私が見舞いに来てくれるというので、何日も前から待っていたのではないでしょうか。
そんな伯母の今日は命日。

俳句と野の花と甥姪の写真を撮るのがとても好きだった。私が俳句・短歌を始めていると知ったらどんなに喜ぶだろう。

初恋をいつも胸のポケットに 様のブログの俳句
病院の庭の似合いて花八手
を拝見してふと伯母を思い出したのです。今日は命日といことでリンク許可も頂きました。


 歳末    2008年12月23日

ゆふぐれは哀しかりけり

    歳もすゑ


年末の夕暮れは、日が短く暮れるのも早く、夕闇の頃北風が吹くとものさびしさを強く感じます。

夕暮れは哀しは直ぐ思い付いたのですが、季語を何にするか迷いました。ちょっと本歌取りですが。
初案は冬木立。二案、枯れ木立、三案は、年の暮れ。夕暮と年の暮の暮の重複が気になって歳末に。
暮れの郵便局は時間外でもとても混んでいて、待っている間に。


 富嶽三十六景  2008年12月26日

北齋と角度を競う
      初日の出

 

カレンダーを頂き、新年はたいてい富士山。北斎の富嶽三十六景の赤富士に合わせて構図を決めたみたいです。
北斎の方が角度がきつい。デフォルメなのか、下から見上げたからか。

新年の句は早いですが。


 残す念ひ  2008年12月27日

また一つ思ひを殘し
年は暮れ


今年も後わずかという時期になると一年を振り返って反省する事しきり。しかしよくよく考えてみると去年も一昨年も同じ様な反省ばかりで進歩というものが無い…いや、少ないと思いたい。

残念とは念いを残すと書きますが、いい念いを残す時には使いませんよね。

また一つ思ひは殘し年の暮

二字違うだけて俳句は全く違うものですね。


 虎落笛   2008年12月27日

寒燈と独り寝(ぬ)る夜の風の音


二、三日夜突風が吹き、いよいよ冬本番と思います。
自己流の天気予報では、厳冬を予想しております。12月が比較的に暖かかった気がしますので。
年末北国に帰省する人は大変かと存じます。


 除夜作 高適
旅館寒燈独不眠 旅館の寒灯独り眠らず
客心何事転凄然 客心何事ぞうたた凄然たる
故郷今夜思千里 故郷今夜千里を思う
霜鬢明朝又一年 霜鬢明朝又一年
の漢詩をモチーフに

歎きつつ独り寝る夜の明くる間はいかに久しきものとかは知る 
右大将道綱母
の本歌取です。
ちょっと古風に作りました。
類句は多いだろうなとは思いますが。

三案として
寒燈と独り寝る夜のもがり笛
とアップしてから、寒灯と虎落笛の季重さりと判り、あわてて四案、五案と推敲しました。
寒灯ともがり笛のどっちを取ろうか迷いました。両方取りたい気もしましたが、タイトルと句で分けることに。

高適(702?~765年)。字は達夫。河北省滄県の人。若い頃は遊侠で諸国を放浪し、五十代で詩作したちまち文名を馳せた。


 帰り花(年末バージョン)  2008年12月28日

今年又振り返り見る帰り花


かえりのリフレインに挑戦してみました。

小石川後楽園にて


 枯れ芝   2008年12月28日

枯芝に今年最後の夕日かな


今年最後の後楽園に来ています。入園者も疎らで今日結婚式を挙げた二人が庭で写真を撮っていた。
文金高島田がこの庭園には似合う。こんな風の無い良い天気に恵まれて、幸せそうだった。末長いお幸せを。


 落葉焚   2008年12月28日

散りぬるを拾ひ集めむ落葉焚


今日は、今年最後の競馬のレース、有馬記念で後楽園はごった返していた。

今年一年の損を取り返すべく、競馬仲間へのメールに添えて。

 

オケラ街道を帰宅する人々


 この一年に感謝  2008年12月31日

善し悪しもなき有り難さ
         年の暮

この一年様々の事がありましたが、何とか皆様のお陰で過ごす事が出来ました。
中には耐え切れない事もあったのですが、おまんまにありつけて、好きな事が出来て、良いことも悪いことも含めて、無事(事が無い)という有り難さを実感する大晦日です。

この拙いブログを御覧頂いた方々にも感謝の意を込めて。
良いお正月をお迎え下さい。

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