新古今和歌集の部屋

都名所図会 青龍三 比叡山延暦寺1 蔵書

叡嶽不動寺の峠
より琵琶湖をはる
かに見おろせば楽々
波や丹穂てる沖の
舟は朝雾にかくれ
から崎の松の夕しぐ
れに翠の色をあら
はし濱の真砂地に
駒とめて比良の髙
根の花を見ると
詠し頼政の昔も
思ひ出られ侍る。
王維が山水の
画賦に遠人に
目なし。丈山尺
樹寸馬豆人の
掟も此所よりの
雙眸に遮りて
淡海の八勝連
綿として近衞
政家卿も魂を
うごかし給ひし
佳境なり。




艮嶽従来守紫宸
先王立作國家鎮
雲波五色三津浦
星斗千年七社神
湖水朦朧空得月
山櫻寂寞自過春
好風美景非無意
吾亦東西南北人
  羅山子



ゑい
ざん
えん
りやく

千載
おほけ
   なく
 うきよの
   民に
おほふ哉
 我立杣に
墨染の袖
   慈圓
新続古今集巻第二 春歌下
                   源頼政
近江路や真野の浜辺に駒とめて比良の髙根に花を見るかな

 画 王維
遠看山有色 遠くを見れば山に色有り、
近聽水無聲 近くに聴けば水に声無し。
春去花還在 春が去っても花はまだ在り、
人來鳥不驚 人が来ても鳥は驚かず。
艮嶽従来紫宸を守る
先王立作国家の鎮。
雲波五色三津の浦、
星斗千年七社の神。
湖水空しく朦朧の月を得、
山桜寂寞自づから春を過ぎ、
好風美景意無きに非ず。
吾亦東西南北の人。
千載集雑歌中
 題しらず             法印慈円
おほけなくうき世の民におほふかなわがたつ杣に 墨染の袖
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