壺中天地乾
坤外夢裏
身名旦暮間
和漢朗詠集 仙家
幽栖 元稹
野人自愛幽棲所 野人は自らを愛して棲む所は幽すか
近對長松遠是山 近く長松に対し遠く是れ山
盡日望雲心不繋 尽日(ひめもす)に雲を望めば心繋がれず
有時見月夜正閑 時ありて月を見れば夜正に閑かなり
壺中天地乾坤外 壺中の天地は乾坤の外
夢裏身名旦暮間 夢の裏の身名は旦暮の間
遼海若思千歲鶴 遼海若し千歲鶴を思ふ
且留城市會飛還 且つ城市に留まって会飛に還える
※斜字は雲に詩にあり。
意訳
費長房が仙人の壺公の壺の中で見た世界は、人間世界とは異なる仙界。
盧生が邯鄲で見た夢の栄旺栄華の人生は、朝から夕暮れの間の事。
令和元年12月20日 肆點參