新古今和歌集の部屋

歌枕名寄 陸奥、若狭、越前、加賀、越中、丹後、出雲、播磨、備前、備中

歌枕名寄 陸奥、若狭、越前、加賀、越中、丹後、出雲、播磨、備前、備中

陸奥
安積
184 第三 夏歌 最勝四天王院の障子に淺香の沼かきたるところ 藤原雅經 野邊はいまだ淺香の沼に刈る草のかつみるままに茂る頃かな
信夫
562 第六 冬歌 春日社歌合に落葉といふことをよみ奉りし 七條院大納言 初時雨しのぶの山のもみぢ葉を嵐吹けとは染めずやありけむ
1093 第十二 戀歌二 忍戀のこころを 藤原清輔朝臣 人知れず苦しきものはしのぶ山下はふ葛のうらみなりけり
1094 第十二 戀歌二 和歌所の歌合に忍戀を 藤原雅經 消えねただしのぶの山の峰の雲かかる心のあともなきまで
971 第十 羇旅歌 歌合し侍りける時旅のこころをよめる 入道前關白太政大臣 日を經つつみやこしのぶの浦さびて波より外の音づれもなし
1096 第十二 戀歌二 千五百番歌合に 二條院讃岐 うちはへてくるしきものは人目のみしのぶの浦のあまの栲繩
385 第四 秋歌上 題しらず 橘爲仲朝臣 あやなくも曇らぬ宵をいとふかなしのぶの里の秋の夜の月

磐堤・壷石文
1785 第十八 雜歌下 前大僧正慈圓書にては思ふ程の事も申し盡しがたきよし申し遣はして侍りけるかへりごとに 前右大將頼朝 陸奧のいはでしのぶはえぞ知らぬかき盡してよつぼの石ぶみ

安達
1351a 第十五 戀歌五 陸奧の安達野に侍りける女に九月ばかりに遣はしける 源重之 思ひやるよその村雲しぐれつつあだちの原に紅葉しぬらむ

松山
1284 第十四 戀歌四 八月十五夜和歌所にて月前戀といふことを 藤原定家朝臣 松山と契りし人はつれなくて袖越す浪にのこる月かげ
37 第一 春歌上 攝政太政大臣家に百首歌合し侍りけるに春の曙といふこころをよみ侍りける 藤原家隆朝臣 霞立つすゑのまつやまほのぼのと波にはなるるよこぐもの空
705 第六 冬歌 土御門内大臣家にて海邊歳暮といへるこころをよめる 寂蓮法師 老の波越えける身こそあはれなれことしも今はすゑの松山

衣河
865 第九 離別歌 題しらず 源重之 ころも川みなれし人のわかれには袂までこそ浪は立ちけれ

宮城野
300 第四 秋歌上 題しらず 西行法師 あはれいかに草葉の露のこぼるらむ秋風立ちぬ宮城野の原
1819 第十八 雜歌下 野分したる朝に稚き人をだに問はざりける人に 赤染衞門 荒く吹く風はいかにと宮城野のこ萩が上を人の問へかし

武隈
878 第九 離別歌 陸奧の守もとよりの朝臣久しくあひ見ぬよし申していつ上るべしとも云はず侍りければ 藤原基俊 歸り來むほど思ふにも武隈のまつわが身こそいたく老いぬれ
1474 第十六 雜歌上 橘爲仲朝臣陸奧に侍りける時歌數多遣はしける中に 加賀左衞門 おぼつかな霞たつらむたけくまの松の隈もる春の夜の月

阿武隈河
866 第九 離別歌 陸奧に介にて罷りける時範永朝臣のもとに遣はしける 高階經重朝臣 行末にあふくま川のなかりせばいかにかせまし今日の別れを
867 第九 離別歌 返し 藤原範永朝臣 君にまたあふくま川を待つべきに殘すくなきわれぞ悲しき
1577 第十六 雜歌上 最勝四天王院障子に阿武隈川かきたる所 藤原家隆朝臣 君が代にあふくま川のうもれ木も氷の下に春を待ちけり

名取河
553 第六 冬歌 題しらず 源重之 名取川やなせの浪ぞ騷ぐなる紅葉やいとどよりてせくらむ
1118 第十二 戀歌二 攝政太政大臣家歌合によみ侍りける 寂蓮法師 ありとても逢はぬためしの名取川朽ちだにはてね瀬々の埋木
1119 第十二 戀歌二 千五百番歌合に 攝政太政大臣 歎かずよいまはたおなじ名取川瀬々の埋木朽ちはてぬとも

野田玉川
643 第六 冬歌 みちのくにに罷りける時よみ侍りける 能因法師 夕されば汐風越してみちのくの野田の玉川ちどり鳴くなり
十符
930 第十 羇旅歌 陸奧に侍りける頃八月十五夜に京を思ひ出でて大宮の女房のもとに遣はしける 橘爲仲朝臣 見し人も十布の浦風おとせぬにつれなく澄める秋の夜の月

松島
401 第四 秋歌上 八月十五夜和歌所歌合に海邊月といふことを 鴨長明 松島やしほ汲む海士の秋の袖月はもの思ふならひのみかは
小島
399 第四 秋歌上 八月十五夜和歌所歌合に海邊月といふことを 宮内卿 心あるをじまの海士のたもとかな月宿れとは濡れぬものから
403 第四 秋歌上 和歌所の歌合に海邊月を 藤原家隆朝臣 秋の夜の月やをじまのあまのはら明がたちかき沖の釣舟
933 第十 羇旅歌 守覺法親王の家に五十首歌よませ侍りけるに旅歌 皇太后宮大夫俊成 立ちかへりまたも來て見む松島やをじまの苫屋波にあらすな
948 第十 羇旅歌 百首歌奉りし時 式子内親王 松が根のをじまが磯のさ夜枕いたくな濡れそあまの袖かは
390 第四 秋歌上 百首歌奉りし時秋の歌の中に 前大僧正慈圓 ふけゆかばけぶりもあらじしほがまのうらみなはてそ秋の夜の月

雄鹿塩竃
674 第六 冬歌 家に百首歌よませ侍りけるに 入道前關白太政大臣 降る雪にたく藻の煙かき絶えてさびしくもあるか鹽がまの浦
820 第八 哀傷歌 世のはかなき事を歎く頃陸奧の國に名ある所々かきたる繪を見侍りて 紫式部 見し人の煙になりしゆうべより名ぞむつまじき鹽竈のうら
1609 第十七 雜歌中 海邊霞といへるこころをよみ侍りし 藤原家隆朝臣 見わたせば霞のうちも霞みけりけぶりたなびく鹽竈の浦
1715 第十八 雜歌下 屏風の繪に鹽竈の浦をかいて侍りけるを 一條院皇后宮 古への海人やけぶりとなりぬらむ人目も見えぬしほがまの浦

浮島
1378 第十五 戀歌五 中納言家持に遣はしける 山口女王 鹽竈のまへに浮きたる浮島のうきておもひのある世なりけり

若狭
青羽山 ※
755 第七 賀歌 建久久年大嘗會悠紀の歌青羽 式部大輔光範 立ちよれば涼しかりけり水鳥の青羽の山のまつのゆふかぜ

越前
海路山
858 第九 離別歌 題しらず 伊勢 忘れなむ世にも越路のかへる山いつはた人に逢はむとすらむ

海路五幡
1130 第十二 戀歌二 遠き境を待つ戀といへるこころを 賀茂重政 たのめてもはるけかるべきかへる山いくへの雲の下に待つらむ

加賀
白山
666 第六 冬歌 題しらず 前大納言公任 白山にとしふる雪やつもるらむ夜半にかたしく袂さゆなり
1912 第十九 神祇歌 加賀守にて侍りける時白山に詣でたりけるを思ひ出でて日吉の客人宮にてよみ侍りける 左京大夫顯輔 年經とも越の白山忘れずはかしらの雪をあはれとも見よ

篠原 ※近江にもある
976 第十 羇旅歌 述懷百首歌よみ侍りけるに旅の歌 皇太后宮大夫俊成 世の中はうきふししげし篠原や旅にしあればいも夢に見ゆ

越中
有磯海
1064 第十一 戀歌一 題しらず 伊勢 わが戀はありその海の風をいたみ頻りによする波のまもなし

多古
1480 第十六 雜歌上 五十首歌奉りし時 前大僧正慈圓 おのが浪に同じ末葉ぞしをれぬる藤咲く田子のうらめしの身

丹波
大江山
503 第五 秋歌下 五十首歌奉りし時月前聞雁といふことを 前大僧正慈圓 大江山傾く月のかげさえて鳥羽田の面に落つるかりがね
752 第七 賀歌 平治元年大嘗會主基方辰日參入音聲生野をよめる 刑部卿範兼 大江山越えていく野の末とほみ道ある世にも逢ひにけるかな

長田村
754 第七 賀歌 壽永元年大嘗會主基方稻舂歌丹波國長田村をよめる 權中納言兼光 神代より今日のためとや八束穂に長田の稻のしなひそめけむ

松井
756 第七 賀歌 おなじき大嘗會主基屏風に六月松井 權中納言資實 常磐なる松井の水をむすぶ手の雫ごとにぞ千代は見えける

丹後
水江
1705 第十八 雜歌下 題しらず 柿本人麿 蘆鴨のさわぐ入江の水の江の世にすみ難きわが身なりけり

出雲
飫宇海
231 第三 夏歌 百首の歌よませ侍りけるに 入道前關白太政大臣 さみだれはをふの河原の眞菰草からでや波のしたに朽ちなむ

水江能野宮
1602 第十七 雜歌中 千五百番歌合に 正三位季能 水の江のよしのの宮は神さびてよはひたけたる浦の松風

播磨
藤江浦
1552 第十六 雜歌上 題しらず 神祇伯顯仲 鴎ゐるふぢ江の浦のおきつ洲に夜舟いさよふ月のさやけさ

明石
1331 第十四 戀歌四 千五百番歌合に 權中納言公經 つくづくと思ひあかしのうら千鳥浪の枕になくなくぞ聞く
1600 第十七 雜歌中 明石の浦をよめる 源俊頼朝臣 あま小舟苫吹きかへす浦風にひとりあかしの月をこそ見れ
1556 第十六 雜歌上 和歌所の歌合に海邊月といふことを 藤原秀能 明石がた色なき人の袖を見よすずろに月もやどるものかは
899 第十 羇旅歌 題しらず 柿本人麿 あまざかる鄙のなが路を漕ぎくれば明石のとよりやまと島見ゆ

二見浦 ※伊勢にもある
1167 第十三 戀歌三 題しらず 藤原實方朝臣 あけがたきふた見の浦に寄る浪の袖のみ濡れておきつしま人

高砂
740 第七 賀歌 八月十五夜和歌所歌合に月多秋友といふこころをよみ侍りし 寂蓮法師 高砂の松もむかしになりぬべしなほゆく末は秋の夜の月
290 第四 秋歌上 最勝四天王院障子に高砂かきたる所 藤原秀能 吹く風の色こそ見えねたかさごの尾の上の松に秋は來にけり

備前
児島
645 第六 冬歌 題しらず 後德大寺左大臣 夕なぎにとわたる千鳥波間より見ゆるこじまの雲に消えぬる

備中
吉備中山
747 第七 賀歌 天暦御時大嘗會主基備中國中山 よみ人知らず 常磐なる吉備の中山おしなべて千歳をまつのふかき色かな

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