音の祝祭

- オンノシュクサイ -

愛の詩を今あなたに/布施明

2010年10月01日 | 布施明
愛の詩を今あなたに/布施明(1974)
作詞:なかにし礼 作曲:川口真 編曲:川口真

もしも布施明を知らない人に、1曲だけ紹介してほしい
と言われたら

少し迷ってから、たぶんこれにするだろう。

とても布施明らしい曲、布施明らしいボーカル、そんな数ある作品の中でも群を抜いて完成度が高い。特にアレンジとボーカルのバランスが絶妙だ。いつ聴いても惚れ惚れする。

テクニックだけには頼らず、熱いものをまだ持ち合わせている。しかも良い具合に力が抜けている円熟味も感じられるこのころのボーカルは、ちょっとやんちゃな70年前後の次に魅力的だ。あくまでも私にとってだけど。

これがリリースされた時、大ヒットすると思ってた。
その前の「積木の部屋」にがっかり(というよりもこれがヒットして唖然)していたところにこんな凄いのが!と興奮ものだったのに、スカーッと空振りした。

さらに、あんまりTVで聴かないうちにあの「シクラメン」がまさかの国民的大ヒット曲になってしまうなんて。

花屋からはシクラメンが消えた。
生産が間に合わずにまだ未熟なものが大量に売られたりし、その後もブームは続いて、すっかりポピュラーな花になった。関係者は布施さんに感謝しただろうなあ。

しかしなんでコレがヒットするんだ~!と当時はものすごく不可解だった。特別嫌いな訳じゃなかったのに大キライな曲になってしまった。

今になってみるとわかるのだが、そういう時代だったのだ。逆に考えれば、フォークブーム、ニューミュージックブームがなければ、布施さんの曲が日本の経済にも影響するほど大ヒットするなんてことはなかっただろう。"彼の歌"はそういう歌じゃないもん。

アレンジ違いのバージョン編曲:井川雅幸 (1985)

これはいけない
なにこのやる気のないアレンジ。
ちゃちゃっと30分位で出来たんじゃないか?
これならアカペラの方がずっといい
ボーカルがいいから聴いちゃうんだけど。

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