音の祝祭

- オンノシュクサイ -

君は薔薇より美しい/布施明

2010年10月03日 | 布施明
君は薔薇より美しい/布施明(1979)
作詞:門谷憲二、作曲:ミッキー吉野 編曲:ミッキー吉野

布施明の代表曲は?というと今は真っ先にこれがあがる。若い人なんかは「布施明」の名は知らなくても特撮の主題歌やこれは知ってたりする。

だが待て ちょっと待て
いったいこれがいつヒットしたというんだ。

確かに話題曲ではあった
化粧品のCMソングというのは当時花形で、ヒット曲を生み出す宝庫だった。しかもモデルは"まさかの"オリビア・ハッセーだ。映画の中にしか存在しないはずのハリウッドスターがお茶の間のブラウン管の中でほほ笑んでくれるのだ。日本中があっと思う企画だった。

初めて聴いたその曲は、まさにハリウッドに相応しく、大らかなミュージカルのようだった。それでいて現代風に新しくPOPなサウンドと粋なアレンジ、弾むメロディーにドキドキした。

何よりも驚いたのは、布施明のボーカルだった。それまでさんざ聴いてたけど彼がこんなに歌が上手いとは。正直こういうジャジーなポップスを歌えるとは思ってなかった。

誰よりもこのメロディーに合った、このアレンジに合った、このサウンドに合った、そしてこのCMに合った歌い方と声をしているのは彼だと思った。起用した人はあっ晴れだ。

しかしだ
そう思った人はそう多くなかったんだよ。
TVに出て歌っても、スタジオで聴いている人の反応はブキミなほどに薄く、エンディングが終了するやサッサと次の話題に移ってしまい、この曲に熱く盛り上がっていたその時の自分とのあまりの温度差にあ然とした。

その反応は数字にしっかりと表れている。こんな大キャンペーンを張ったCM曲の売上げがたった30万枚。「シクラメンのかほり」はもちろんミリオンだ。

何でなんだー! シクラメンの100倍いいだろ !!!

ごめんなさいウソです。でも10倍位はいいと思う。

ちなみにそれ以外のヒット曲の売上げ。「積木の部屋」58万枚「落葉が雪に」40万枚「傾いた道しるべ」35万枚、だそうだ。後ろの2つなんか普通の人には「何それ?」だろうなあ。「傾いた道しるべ」なんていくら考えても曲が思い出せない。だってこれみんなフォークなんだもん。キライなんだよぉ~フォーク。 なんでそっちの方向に行ったかなあ。

そんな情けない思いを噛みしめた曲が今はこんなになるなんて。

あの時シレっと軽~くスルーしてたTV関係者が今、手のひらを返したようにこの曲を扱うのを見るにつけ、ほんと、みんないい加減だわ~~と思う。



これはレコード版

ライブに比べると好きじゃない。なんかイキイキしてない。
特に 目に見えない翼~ ♪ のところで被さる変なエフェクトはいらない。(TVでもたまにこれがあった)

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