音の祝祭

- オンノシュクサイ -

バラ色の月/布施明

2010年09月25日 | 布施明
メロディーに合った歌い方だとこうも素晴らしくなるのか!

バラ色の月/布施明(1969)
作詞:なかにし礼 作曲:平尾昌晃 編曲:小谷充


『2番手の男』

昔誰かが彼のことを評してそう言った
なるほど と思った。

メジャーといえる歌手だ
歌番組の常連で良くTVで見かける
ヒット曲もたくさんある

若いし、顔だって文句ないくらい整ってる
それなのに、いつでも一歩後ろにいるイメージがあるのだ。

これは比喩じゃなくて、実際にTVをじっと見てるとわかったのだが、自分の出番以外、彼はいつも他の出演者よりもちょっとだけ後ろに引っ込んでいた。大体みんなさりげなく前へ出ているというのに。

生き馬の目を抜くと言われる芸能界でこれはソンだ。それなのについついそんな事態になってしまうのは、無意識の彼の美学なんだろう。

「シクラメンのかほり」が大ヒットしてその年彼は賞を総なめにした。が、それで何が変わったという風でもなく、やはり彼は2番手だったのだ。今になってみると、1番にならなかった男は、それなりの自分の位置をキープし続けている。

もしも1番になっていたらどうだったろう。たぶん、今よりも良くなっていた確率は低いのではないかと思う。それよりもむしろ逆のケースを想像してしまう。


もうひとつ、よく言われる彼に関する評価。それは歌の上手さだろう。音程、声の音量、音域、そして、テクニックを指しているのだと思う。

ところで私が好きになる彼の歌というと、どうもこれがその逆を行ってるような気がしてならない。たとえばこの「バラ色の月」なんかもそう。

初めて布施明の曲と認識したのは「冬の停車場」という曲で、とてもがむしゃらなボーカルの曲だ。だからその後に「そっとおやすみ」なんていうジャジーな大人の歌い方を聴いてちょっと意外だった。この曲も好きだったけど。そういう意味では「おもいで」なんていうのはメロディーはともかくとして、歌い方は非常に好みに近いかもしれない。

そればかりか遡ってみると「これが青春だ」なんていう生まれて初めて見た青春ドラマの主題歌なんか歌っていた。ドラマの内容は幼すぎてわからなかったものの、これと、もう一つの戦歌みたいなのはだーいすきだったのだ。

「バラ色の月」に話をもどして
この曲も後になってから彼の曲だと知って、へ~ と思ったうちの一つだ。そんなのがたくさんあるのだ彼の場合。でも録音版はかなり残念で、良いメロディーで好みの歌詞っぽいのになあと思ってた。

だからこれを見て、聴いて、うわーいと喜んだこと喜んだこと。UP主様どうもありがとう!(この方には他にも大変お世話になってます)



これは録音版

* 冬の停車場(1970)
作詞:山上路夫 作曲:三月はじめ 編曲:テディ池谷
* そっとやすみ(1970)
作詞:クニ河内 作曲:クニ河内 編曲:テディ池谷
* おもいで(1966)
作詞:水島哲 作曲:平尾昌晃 編曲:森岡賢一郎

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