読み手:吉川先生
関係 :私が勤めている日本語センターに国際交流基金から派遣されている専門家(一緒に日本語クラスを担当している。一番の相談相手であり、
とても世話になっている。)
吉川先生 へ
日本はだいぶ秋らしくなり、木の葉も少しずつ色づいてきました。
私が日本に来てから、1ヶ月経ちました。先生はお元気でいらっしゃいますか。
私は、おかげ様で、元気にやっています。
先生もご存知のように、私は今までにも2回、北浦和の日本語国際センターで研修を受けたことがあります。けれども、その時は、2週間だけでした。今回の研修は、思っていた以上にとても充実した研修です。研修参加者は、34ヶ国からの55人です。日本に来る前に、去年の長期研修の先輩から研修の内容についていろいろ聞きました。先輩が「日本語が勉強できるし、他の国の友達もできたし、とてもいい研修でした」と教えてくれました。実際にここに来てから、先輩から聞いた通りだと思います。
研修は2学期制で、1学期は9月から11月まで、二学期は12月から2月までです。研修参加者全員が、最初の一週間目に、プレスメンテストを受けて、コースが分けられました。私は、Bコースのクラスで勉強することになりました。そして、この1ヶ月の間に、研修に関係があることで気が付いたことがいくつかあります。
一番目は、勉強科目以外に、国で先生が私にさせた事と同じように、自律学習のポートフォリオを書くことです。国で、私は日本語教師の仕事の事についてよく書きました。例えば、日本語のセミナーで勉強したことや気が付いたこと、他の日本語機関への授業見学、教材開発のことなどです。ここでは、学生として、自分の勉強のことを書いています。例えば、1ヶ月に体験した事、読んだもの、行った所などです。1ヶ月に体験した事を書くのは、実際に自分でやってみて、うちのセンターの学生の日本語能力の成長のためにも、活用できる物だと思います。学習者の日本語勉強のモチベーションを引き出すことができるかもしれません。
二番目は、クラスの勉強の環境です。センターには、日本語の授業のためのいろいろな便利な道具が多いです。例えば、上下に引かれる黒板、動きやすいテーブル、大きい模造紙などです。私は、そういう物を見ると、とても日本語を勉強したい気持ちが強くなります。もし、うちのセンターにも、そういう道具があれば、学生の日本語の勉強のやる気を引き出すことができると思います。先生は、どう思いますか。
三番目は、日本語教師の知識だけではなくて、世界の人生も勉強できるということです。クラスメートは、日本語能力が高く、社会的な知識や価値観も様々です。例えば、読解の授業の時、テキストの難しい内容の一部について、簡単な言葉を使って、自分の経験を元に、具体的な例を出して、分かりやすく説明できる人が多いです。特にグループワークの活動が多いので、意見交換をしたり、経験を共有したりすることができます。一人一人は考え方や性格が違いますが、みんな 心の中は優しくて温かい気持ちは同じだと思います。私は、皆さんからも勉強になることが多いと感じています。
今回の研修は勉強することが多いですが、クラス以外のいろいろな文化体験や遊び時間もあります。例えば、着物の着付けや、茶道や、相撲の観戦などです。ストレスが溜まらないように、リラクゼーションのワークショップもあります。
帰国したら、また先生やセンターの他の先生達とも、研修のいろいろなことについてゆっくりお話できるのを楽しみにしています。
新しいコースがそろそろ始まりますので、先生の仕事も忙しくなると思いますが、どうぞお体に気をつけて、お過ごしください。
ピセイ より