日本のコンビニエンスストア
(11)ピセイ
1.はじめに
コンビニは正式には、「コンビニエンスストア」と言う。「コンビニエンス」は日本語で「便利な」、「ストア」は「店」という意味である。だから、コンビニエンスストア(以下、「コンビニ」)はよく「便利を売る店」と言われる。コンビニは、日本人の生活に深く根付いている。町のいたるところにコンビニがあり、駅の近くでも「コンビニ」をよく見かける。しかし、私にはいろいろな疑問がある。日本のコンビニのはじまりはどうなっていたのか。コンビニは日本の社会インフラとしてどう変化しているのか。また、商品の陳列の仕組や店員さんの仕事など、どんなことをやるのか。それに、カンボジア人の日本語学習者は、日本語や日本文化などを勉強しているにもかかわらず、日本のコンビ二について知らない人が多いようである。そこで、本レポートでは、日本のコンビニについて調べたいと思った。
2.コンビニの歴史とコンビニの拡大
2.1 コンビニの誕生
PHP研究所(2006)によると、コンビニは、1927年のアメリカのオーククリフという町で初めて生まれた。その時は、今のコンビニの形ではなくて、冷蔵庫用の氷を売っている小さな店だった。この店は、夏の間休まず、毎日16時間営業して、現地の人々から喜ばれていた。この時代は、家庭では、氷で冷やす冷蔵庫が使われていた。あるとき、お客さんからの「氷と同じように、牛乳や卵、パンも買えたらいいのに」という声を聞いて、氷の他にも卵や牛乳を売るようになり、お店は大成功したのである。その後、売る商品もお店の数も少しずつ増えていき、1946年に 朝7時から夜11時まで毎日営業するようになった「7-ELEVEN(セブン-イレブン)」という店ができたということである。
2.2 日本のコンビニのはじまり
「NIPPONIA」というサイトによると、日本では、1974年5月に スーパーのイトーヨーカ堂がアメリカのサウスランド社と提携して、東京にセブン―イレブンの1号店が開店したという。そして、次の年の1975年には24時間営業が始まったと書いてある。そして、
経済産業省の「商業動態統計月報平成28年9月分」によると、今年(2016年)9月の時点で、コンビニの店舗数は55,314店まで拡大していると示されている。
3.第2章 コンビニエンスストアの社会のインフラ化
3.1 社会インフラとしてのコンビニエンスストア
コンビニは、異業種との共同出店や駅、空港、病院、大学、高速道路のパーキングエリア等への出店等、出店形態が多様化している。
3.2 コンビニエンスストアのサビ-ス
PHP(2006)と株式会社野村総合研究所の調査(2014年)によると、コンビニで売られている商品の数は、およそ2500~3000種類。お弁当や飲料などの「食品」と日用品や雑誌などの「非食品」にわけられる。コンビニの売り上げの4分の3は「食品」である。コンビニは、日本人の生活のニーズに対し、買い物だけではなくて、生活支援機能の提供、医学品や生鮮品等の商品、いろいろなサ-ビスを提供している。たとえば、コピー、ファックス、銀行ATM、郵便局・宅配便・移動売店、支払い手続き、写真の現像とプリント、カタログギフト、オンラインショッピング、資格試験の申込受付、保険への加入手続きやリサイクル処理券の販売などということである。
3.3 食品廃棄問題に対するコンビニインスストアの取組
コンビニでは食品廃棄の対策として、廃棄処理とリサイクルと返品作業を進めている。コンビ二の商品には、それぞれ賞味期限が決められている。商品が古くなってしまった場合、お弁当やパンなどは廃棄処理されたり、リサイクルされて肥料などの資源として再利用されたりする。新聞や雑誌など、中にはメーカーに返品できる商品もある。廃棄とは違い、きちんと返品すれば代金を返してもらうことができる。
4.第3章 コンビニエンスストアの店員さんの仕事と商品の仕組
4.1 店員さんの仕事
日本のコンビニでアルバイトをしたことがある日本人2人と日本に留学してコンビニでアルバイトをしているカンボジア人2人の友達にメールで聞き取りを行った。4人の話を以下の通りにまとめた。
1日の仕事のスケジュールは、お客さんが多くなる時間や商品がお店に運ばれてくる時間にあわせて、細かく決められている。店員さんの仕事は、レジだけではなくて、他にも、トラックで運ばれてくる商品をチェックして棚に並べたり、お店の掃除をしたりといった、売り場を整頓しておくための作業が多くあると言われた。
竹内(2003)によれば、お客さんに気持ちよく買い物をしてもらうために必要なものとして、コンビニの「ていねいな接客」と「お店の清掃」、「商品の鮮度管理」と「品ぞろえ」の4つを「商売の基本」と書いてある。
4.2 商品の陳列の仕組
コンビニでは、たくさんお客さんに利用してもらうため、また、お客さんに多くの商品を買ってもらうために、店内にいろいろ工夫をしている。(以下のイラストは「かわいいフリー素材 いらすとや」を利用している。)
① 2種類の「ゴンドラ」
お菓子や雑誌などの温度管理がされていない棚を「ゴンドラ」と呼ぶ。ゴンドラは二つを背中あわせに「島」のようにして使う「中島ゴンドラ」と、お店の壁ぎわに置かれる「壁面ゴンドラ」の2種類がある。
② 注目される「エンド」
中島ゴンドラの両端の部分は「エンド」と呼ばれ、お客さんに注目されやすい場所になる。入口に近い「プロモ-ションエンド」は特に目立つため、新商品や特別な商品が置かれるようになっている。
③ 商品を見やすくする工夫
ゴンドラの棚は、お客さんが上から棚を見下ろした時に、できるだけ多くの商品が目に入るようにするように設計されている。
④ お店の外からでも見えるように多くのコンビでは、お店の外から見える窓ぎわの位置に雑誌の棚を置いている。こうすると、新しい雑誌が入っていることを知ってもらうことができるから、より多くのお客さんを呼ぶための工夫になっている。
5.まとめ
日本のコンビニは、アメリカから輸入されたが、日本で更に進化し、人々のために、いろいろな便利さが工夫されたと思われる。にぎやかな所でも、かなり田舎でも、どこでも、日常の買い物が困難な状況にある人に対して、コンビニは、出店や移動販売、地域における買い物支援に取り組んでいる。日本の社会インフラとしての交番や病院より、コンビニは、日本人の日常生活にとても必要な需要だと分かった。それに、日本のコンビニの経営コンセプトは、世界随一だと考えられる。多くのお客さんの快適さや環境の問題を中心にして、様々な対策や経営方法を進化させているということが理解できた。
しかし、残念ながら、日本のコンビニは、世界中に広まっているが、カンボジアにはない。カンボジアには、ションピングモールにあるマ-トやガソリンスタンドについている小さいミニマ-トはあるが、いい営業方法ではない。人のための便利さや健康や環境を考えずに、だいたい自分の利益のためだけ考えているカンボジア人が多い。だから、日本語学習者のカンボジア人でも一般的なカンボジア人でも、日本のコンビニのビジネスのコンセプトも理解できるようになり、考え方が少し変わると、とても嬉しい。それに、日本語や日本人の文化・考え方などへの興味がもっと高くなると思われる。
参考文献
・PHP研究所(2006)『経済がよくわかるコンビニ大図鑑お店のなかを検討しよう!』
凸版印刷株式会社
・竹内稔『コンビニの仕事が見える図鑑』日本実業出版社
・「NIPPONIA」No.19 December 15, 2001 “Convenience Stores Take Off in New Directions”
http://web-japan.org/nipponia/nipponia19/en/feature/feature08.html
・株式会社野村総合研究所(2014)「コンビニエンスストアを取り巻く環境に関する調
査結果」
・経済産業省「商業動態統計月報平成28年9月分」
・http://www.lawson.co.jp/company/activity/preservation/waste/recycle.html
・http://www.irasutoya.com
(11)ピセイ
1.はじめに
コンビニは正式には、「コンビニエンスストア」と言う。「コンビニエンス」は日本語で「便利な」、「ストア」は「店」という意味である。だから、コンビニエンスストア(以下、「コンビニ」)はよく「便利を売る店」と言われる。コンビニは、日本人の生活に深く根付いている。町のいたるところにコンビニがあり、駅の近くでも「コンビニ」をよく見かける。しかし、私にはいろいろな疑問がある。日本のコンビニのはじまりはどうなっていたのか。コンビニは日本の社会インフラとしてどう変化しているのか。また、商品の陳列の仕組や店員さんの仕事など、どんなことをやるのか。それに、カンボジア人の日本語学習者は、日本語や日本文化などを勉強しているにもかかわらず、日本のコンビ二について知らない人が多いようである。そこで、本レポートでは、日本のコンビニについて調べたいと思った。
2.コンビニの歴史とコンビニの拡大
2.1 コンビニの誕生
PHP研究所(2006)によると、コンビニは、1927年のアメリカのオーククリフという町で初めて生まれた。その時は、今のコンビニの形ではなくて、冷蔵庫用の氷を売っている小さな店だった。この店は、夏の間休まず、毎日16時間営業して、現地の人々から喜ばれていた。この時代は、家庭では、氷で冷やす冷蔵庫が使われていた。あるとき、お客さんからの「氷と同じように、牛乳や卵、パンも買えたらいいのに」という声を聞いて、氷の他にも卵や牛乳を売るようになり、お店は大成功したのである。その後、売る商品もお店の数も少しずつ増えていき、1946年に 朝7時から夜11時まで毎日営業するようになった「7-ELEVEN(セブン-イレブン)」という店ができたということである。
2.2 日本のコンビニのはじまり
「NIPPONIA」というサイトによると、日本では、1974年5月に スーパーのイトーヨーカ堂がアメリカのサウスランド社と提携して、東京にセブン―イレブンの1号店が開店したという。そして、次の年の1975年には24時間営業が始まったと書いてある。そして、
経済産業省の「商業動態統計月報平成28年9月分」によると、今年(2016年)9月の時点で、コンビニの店舗数は55,314店まで拡大していると示されている。
3.第2章 コンビニエンスストアの社会のインフラ化
3.1 社会インフラとしてのコンビニエンスストア
コンビニは、異業種との共同出店や駅、空港、病院、大学、高速道路のパーキングエリア等への出店等、出店形態が多様化している。
3.2 コンビニエンスストアのサビ-ス
PHP(2006)と株式会社野村総合研究所の調査(2014年)によると、コンビニで売られている商品の数は、およそ2500~3000種類。お弁当や飲料などの「食品」と日用品や雑誌などの「非食品」にわけられる。コンビニの売り上げの4分の3は「食品」である。コンビニは、日本人の生活のニーズに対し、買い物だけではなくて、生活支援機能の提供、医学品や生鮮品等の商品、いろいろなサ-ビスを提供している。たとえば、コピー、ファックス、銀行ATM、郵便局・宅配便・移動売店、支払い手続き、写真の現像とプリント、カタログギフト、オンラインショッピング、資格試験の申込受付、保険への加入手続きやリサイクル処理券の販売などということである。
3.3 食品廃棄問題に対するコンビニインスストアの取組
コンビニでは食品廃棄の対策として、廃棄処理とリサイクルと返品作業を進めている。コンビ二の商品には、それぞれ賞味期限が決められている。商品が古くなってしまった場合、お弁当やパンなどは廃棄処理されたり、リサイクルされて肥料などの資源として再利用されたりする。新聞や雑誌など、中にはメーカーに返品できる商品もある。廃棄とは違い、きちんと返品すれば代金を返してもらうことができる。
4.第3章 コンビニエンスストアの店員さんの仕事と商品の仕組
4.1 店員さんの仕事
日本のコンビニでアルバイトをしたことがある日本人2人と日本に留学してコンビニでアルバイトをしているカンボジア人2人の友達にメールで聞き取りを行った。4人の話を以下の通りにまとめた。
1日の仕事のスケジュールは、お客さんが多くなる時間や商品がお店に運ばれてくる時間にあわせて、細かく決められている。店員さんの仕事は、レジだけではなくて、他にも、トラックで運ばれてくる商品をチェックして棚に並べたり、お店の掃除をしたりといった、売り場を整頓しておくための作業が多くあると言われた。
竹内(2003)によれば、お客さんに気持ちよく買い物をしてもらうために必要なものとして、コンビニの「ていねいな接客」と「お店の清掃」、「商品の鮮度管理」と「品ぞろえ」の4つを「商売の基本」と書いてある。
4.2 商品の陳列の仕組
コンビニでは、たくさんお客さんに利用してもらうため、また、お客さんに多くの商品を買ってもらうために、店内にいろいろ工夫をしている。(以下のイラストは「かわいいフリー素材 いらすとや」を利用している。)
① 2種類の「ゴンドラ」
お菓子や雑誌などの温度管理がされていない棚を「ゴンドラ」と呼ぶ。ゴンドラは二つを背中あわせに「島」のようにして使う「中島ゴンドラ」と、お店の壁ぎわに置かれる「壁面ゴンドラ」の2種類がある。
② 注目される「エンド」
中島ゴンドラの両端の部分は「エンド」と呼ばれ、お客さんに注目されやすい場所になる。入口に近い「プロモ-ションエンド」は特に目立つため、新商品や特別な商品が置かれるようになっている。
③ 商品を見やすくする工夫
ゴンドラの棚は、お客さんが上から棚を見下ろした時に、できるだけ多くの商品が目に入るようにするように設計されている。
④ お店の外からでも見えるように多くのコンビでは、お店の外から見える窓ぎわの位置に雑誌の棚を置いている。こうすると、新しい雑誌が入っていることを知ってもらうことができるから、より多くのお客さんを呼ぶための工夫になっている。
5.まとめ
日本のコンビニは、アメリカから輸入されたが、日本で更に進化し、人々のために、いろいろな便利さが工夫されたと思われる。にぎやかな所でも、かなり田舎でも、どこでも、日常の買い物が困難な状況にある人に対して、コンビニは、出店や移動販売、地域における買い物支援に取り組んでいる。日本の社会インフラとしての交番や病院より、コンビニは、日本人の日常生活にとても必要な需要だと分かった。それに、日本のコンビニの経営コンセプトは、世界随一だと考えられる。多くのお客さんの快適さや環境の問題を中心にして、様々な対策や経営方法を進化させているということが理解できた。
しかし、残念ながら、日本のコンビニは、世界中に広まっているが、カンボジアにはない。カンボジアには、ションピングモールにあるマ-トやガソリンスタンドについている小さいミニマ-トはあるが、いい営業方法ではない。人のための便利さや健康や環境を考えずに、だいたい自分の利益のためだけ考えているカンボジア人が多い。だから、日本語学習者のカンボジア人でも一般的なカンボジア人でも、日本のコンビニのビジネスのコンセプトも理解できるようになり、考え方が少し変わると、とても嬉しい。それに、日本語や日本人の文化・考え方などへの興味がもっと高くなると思われる。
参考文献
・PHP研究所(2006)『経済がよくわかるコンビニ大図鑑お店のなかを検討しよう!』
凸版印刷株式会社
・竹内稔『コンビニの仕事が見える図鑑』日本実業出版社
・「NIPPONIA」No.19 December 15, 2001 “Convenience Stores Take Off in New Directions”
http://web-japan.org/nipponia/nipponia19/en/feature/feature08.html
・株式会社野村総合研究所(2014)「コンビニエンスストアを取り巻く環境に関する調
査結果」
・経済産業省「商業動態統計月報平成28年9月分」
・http://www.lawson.co.jp/company/activity/preservation/waste/recycle.html
・http://www.irasutoya.com