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天皇は、日本のメタ秩序である

2019年04月04日 | Weblog
 このブログで、「皇室はなぜ残ったのでしょう?」を紹介しています。

 しかし、今も、「ねぜ、日本に天皇(皇室)が必要なのか?」、心情としては理解できるが、理論的(科学的)に明確なっておられない方も多いと思いますので、再度、御紹介します。

 新元号が「令和」と発表されましたので、以前に私のブログですでに紹介したものですが、その一部を改めてこちら(FB)に紹介します。
 天皇が、日本において超越した存在であって、日本社会の背骨としての“軸”となって、日本社会の秩序を破壊することなく、国難を乗り越えたり、体制の転換を成し遂げる存在であるという見解です。


「日本の歴史の特質は、白村江(はくすきのえ)の敗北(663年)による大陸との政治的関係の切断が、幸いにしてその地政学的位地のおかげで連続性を維持することができ、順次遷移することができたところにある。そしてこの時間の前進を許容した条件こそ皇室に体現される時間軸の安定だったのである。

 これらの事情が変わらざるをえなくなったのは幕末のことである。これまでの国家のあり方を続けたならば欧米諸国の植民地とされる状況に追い込まれる運命にあったのである。明治維新はこの運命を拒否し、独立自尊を守るために積極的に近代世界秩序に参入することを決意する。

そのためには単に開国するだけでは全く不十分で、旧来の東アジア世界秩序を破壊し、さらにロシア帝国の侵略を撃退しなければならなかった。これを成しとげるためには国民のエネルギーを喚起し、それを結集しなければならない。しかもこれを可能とするためには、日本は旧体制を破壊し、新体制を建設しなければならない。いわゆる革命である。

そして流血と断層を最少限に押さえ、これをスムースに実現させたものが「天皇」というメタ秩序であった。多数中心社会ではあれ、皇室に体現されている時間軸が背骨のように存在していたからこそ、日本社会は全体としての秩序を破壊することなしに、体制の転換を成しとげることができたのである。」湯浅赳男著『日本近代史の総括  日本人とユダヤ人、民族の地政学と精神分析』287頁(新評論、2000年7月31日発行)

(注) メタ
 「ギリシャ語における、「高次の~」「超~」「~を含む」「~の間の」「~についての」というような意味で使われる接頭辞。」

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