翡翠色 オパール色 風の声

おひとりさまの人生 感じて 考えて 味わって(?)
草花とメダカに癒され生きています

やばの幸

2009-05-31 | 旅、風の声に誘われて
仕事や、睡魔や、TVや、読書や、風呂上がりの一杯にかまけ、なかなかブログを更新できずにすみません。
時間が経ってしまいましたが、前回の九州旅行の続きです。時系列では前回と前後しています。


九州への旅・・・お見舞いの為・・・叔母にNさんを合わせる事を目的とした旅・・・

しかし、振り返ってみると、T子さんのお宅に泊めていただいた事で
それは、気持ちよく、楽しく、おいしい旅となった事は、まったく否めません。


最初の日は、叔母の病院近くのホテルに泊まり、夜はNさんにお寿司をご馳走になってしまいました。
鮨ネタで特筆すべきは「鱧(はも)」。京都のイメージが強い鱧ですが、九州の鱧は、ふわとろです!


                       
 

翌日、Nさんと私は、周防灘を眺めながら電車に揺られ、T子さん宅へ。
着いてしばらくする間に、天気はどんどん悪化し、雨粒が落ちて来ました。

私たちが来るのを楽しみに、あれこれ計画を立てて下さったT子さんご夫婦。
しかし雨ゆえ、遠出も出来ず、近くの温泉に出掛ける事になったのですが、
土砂降りの雨に煙る田園地帯というのは、それはまたそれで美しいもので、
必死に運転するT子さんには申し訳ないけれど、私はワイパーの合間から見える風景に
見惚れて、その土砂降りを楽しんでおりました。

夜は、近所の方が釣ったのを貰ったという鮎の塩焼き。
たっぷり子持ちで、皮はパリッと、身はふんわり。
T子さんの漬けた梅干しの汁(梅酢)をたらして食べたら、おいしいのなんのって!

                       


さて次の日、天気も回復し、T子さんのご主人の車に乗って耶馬渓(やばけい)というところへ、
出掛けました。





新緑の耶馬渓、様々な緑の中に、時折色を添える山藤の花。

 

耶馬渓は、日本にもこんな場所があったのかと思わせられた、奇岩がそそり立つ名勝地ですが、
ゴールデンウィーク中でも、渋滞も無く、インフルエンザもなく、それは平和な場所でした。


                       


そしてお昼ご飯・・・
 
もちもちの自然薯がたっぷり載った山かけそば。
ここは、かのプレミアム焼酎「耶馬美人」の里でもありますが、まぁ夜のお楽しみにしました。


                       


道すがら、立ち寄った、山奥の小さな市場。

 

その新鮮そうな事!段ボール箱1杯分位、買いたい気分でした。

 この人参は普通サイズで、茄子が特大!

して発見した物・・・・

 しおとまとぉ!?

フルーツトマトに目がない私が、この滅多に見かけないトマトを見過ごせる筈がありません!
3個で420円のを、お買い上げ~!


                       


その後、山のいで湯に連れて行っていただいたのですが、イマドキ珍しくシャワーもなく、
真鍮の蛇口をひねると出てくるのは熱いお湯のみ。そして「飲めます」の札。
そう、そこは完璧な掛け流しの温泉だったのです。

露天風呂に浸かると、あちらこちらからウグイスの声が聞こえ、優しい風が頭の上の方を吹いてゆき、
肌は柔らかくつるつるの感触。
「至福」という言葉は、この為にあるのだと思わせてくれるようなひと時でした。


                       


さて、T子さん宅に戻り、夕食は、近所の人が穫った(マジ!?)という「ぼたん鍋(猪鍋)」との事。
私がそれまでの人生で食べた事のある猪肉は、堅く、ケモノっぽい味で、あまりおいしかった印象が無かったのですが、
耶馬渓に行く道すがら、T子さんのご主人が

    「この辺りの山は、クヌギとか色んな種類の木が入り交じった雑木林なんだよ」

と言っていた事を思い出し、ある仮定が頭の中に浮かびました。

   クヌギ → ドングリに似ている → ドングリで育ったイベリコ豚は美味しい → 耶馬の山の猪も美味しい!

・・という、多少無理があるものの、美味しい方程式に当てはめて、
味噌出汁の中でゴボウやネギと共に、グツグツと煮える猪肉に期待をしたのでした。

 → 

こりぁ、うまい!!
まったく臭みはありません! まったく堅くもありません! とろけますぅ~!
はっきり言って、これはイベリコ豚より美味しいと思えました。

・・・あぁ、また美味いもの発見・・・

 これも忘れちゃいけませぬ

んで、塩とまと・・・確かに味は濃かったですけど、フルーツトマトのような甘さではありませんでした。
もうちょっと安かったら、普段に買いたい味ではありましたけど。


                       


前回、T子さん宅を訪れた時に「私の価値観の中の“幸福”は、みんなそこにある」という内容の
お礼状を書き送ったのですが、その気持ちは、今回の旅で更に強くなりました。


九州を飛び立って1時間半後、飛行機は東京に到着し、私は混雑する羽田空港のロビーへとマスクをして出て行き、
また、日常の中に戻ったのでした。
沢山の「思い」を九州に残して・・・



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12 コメント

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幸せの形 (radgene)
2009-05-31 22:02:32
東京に住んでいると、各国の美味しい物はすぐそこにあるし、
設備の整った医療設備もより取り見取り。
素敵な美術館では、次々に新しい催しがやってくる。
でも、サラリーマンの帰宅時間は世界最遅だろうし、
毎日を追われる様に暮らしている

翠さんのお写真と文章を読んでいると、
まるでそこに自分が実際に行ったような気分になって、しばし癒されました。
木の実を食べた猪は美味しいに違いない!という発想がすばらしい!
いろんな食べ物はまさに地産地消なのでしょうね
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九州の自然 (るちぃる)
2009-06-02 09:29:23
本当に、良い所ですね~。
都会の喧噪との違いに、人本来の五感が研ぎすまされそうです。。


塩トマト、初耳でした!でもちょっと高いですね
猪=イベリコ豚の発想も翠さんならでは。
おかしかったです(笑)

それから、まだ翠さんのブログの更新情報がアップされないです。
前回のブログから辿って来ましたよ~
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コメント、いつも、ありがとうこざいます (翠のお返事)
2009-06-02 17:48:55
 radgeneさん、こんにちは!

今回は滞在したT子さん宅から一番近いお店は、車で10分の直売所です。
映画館も大きな病院もないという事がどういう事なのか、おぼろげながら判った気がします。

でも、新鮮に勝る美味しい物はないと思うので、その点は素晴らしい場所です。
耶馬渓と反対側には、海もあり、魚介も新鮮で、甘みがあり、もちもちしています。
地産地消できる場所は、東京より、食の豊かな場所に思えてなりませんでした。


 るちぃるさん、こんにちは!

塩トマト、話のタネに、みんなで食べるから、財布の紐もゆるんだ次第です。

イベリコ豚自体は、生ハムだと、けっこう癖が強い(はっきり言ってケモノ味)と思うのですが、
耶馬の山のイノシシとの共通点は、火を通すとは、脂の甘みが立つという事です。
やはり、木の実が作り出しているのかな?
最初は、牡丹鍋と聞いて、ちょつと尻込みしていたNさんも、美味しいを連発しながら食べていました。

ブログ更新情報がでないと、寂しいですね。
自分で書込んだら、情報が出るんじゃないかと、根拠の無い推測をしています。
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大好きな! (原村)
2009-06-02 21:47:19
こんばんは、翠さん。

九州も大好きですが、アザミが載っているではないですか。
アザミ、野に咲くアザミ大好きです。
アザミつながりでスペインも大好きです。
サイチェン。
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九州名物おいしそう! (くーちゃん)
2009-06-03 06:52:49
たくさんの珍しい食べ物を紹介していただき、九州に行った気分を味あわせていただきました。
塩トマトとか、いのししなべとか見た事も聞いた事も食べた事もなく翠さんのブログを読んだら知識も増えるし、まるで自分が食べたかのように想像できるしとても楽しい時間を過ごさせてもらいました。
今はなかなか遠くの旅行に行けないくーちゃんですが、翠さんのブログで癒されてます~。
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コメント、いつも、ありがとうこざいます (翠のお返事)
2009-06-04 12:17:31
 原村さん、こんにちは!

あざみの色というのは、艶やかで美しいですね。
この写真、プリントして部屋に飾りました。

今回の旅では、出合う花のほとんどが紫系でした。
アザミ、藤、鉄線、菖蒲、etc.
心象風景となって、心に刻んであります。

スペインとアザミの関係、知りませんでした。
きっと、ダイナミックなアザミ野原があるのでしょうね・・・


 くーちゃん、こんにちは!

気候の違うところでは、食文化も随分と違いますよね。
塩とまとは、どこかで噂を効いたことはあった気がするのですが、目の当たりにした(もちろん、口にもした)のは初めででした。
日本の食べ物、知っているようで、知らないものが沢山あります。
まだまだ楽しみはいっぱいです。
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耶馬渓 (やく)
2009-06-04 17:12:47
幼いころに行ったことがあります、といっても
記憶はまったくありません。
たぶん両親がまだラブラブのころ、赤ん坊(私)連れで行ったんだと思います。
のちのち、何回も耶馬渓の話を聞かされたので、無理やり覚えさせられてるような気がします。

翠さんの写真を見て、こりゃ楽しかったんだろうなあ(両親が)と思いました。
私ももう一度、行けたらなあ・・・
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Unknown (早紀)
2009-06-05 23:11:20
 お久しぶりです!

耶馬渓って一度行ってみたいところです。
とても美しいって聞いています。この前は阿蘇止まりだったので、もう少し足を伸ばしたいですね。

猪美味しいでしょう?天然は臭みもなく、美味しいのですって。変なもの食べてないから(木の実が多い)飼育されたイノシシは匂いが出るそうです(飼料とかね)去年の冬は何度か猪を食べました、この辺りにも猪さんが出るそうです。焼き肉美味しいですよ
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Unknown (peko)
2009-06-06 05:38:17
美味しそうな食べ物の写真がいっぱいあって
とても気になるけど、一番惹かれたのが至福の温泉♪
写真なしでも、翠さんの文字からどれだけ素敵な温泉か想像がつくよ!
あー、温泉に入りたい~♪
日本では毎日肩まで湯船に浸かって至福の時でした。
浸かるたびに、オヤジのように、はぁ~!って声に出して言ってしまうのよね。(^^;
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コメント、いつも、ありがとうございます (翠のお返事)
2009-06-07 10:01:51
 やくさん、こんにちは!

耶馬渓がご両親の思い出の地だったとは!
ここは、様々な木があるので、紅葉の頃は更に素晴らしいみたいですよ。
山と言えば、北海道の植林された山ばかりを見ているせいか、
自然そのままの耶馬渓は、とても穏やかな印象を受けました。
温泉の質はとてもいいです。しっとりつるつる
観光地的でいところが、とっても落ち着いて、のんびりできました。
今度は、ご主人とゆっくりいらしては?


 早紀さん、こんにちは!

耶馬渓の素朴な美しさは、なかなか心に響くものがあります。
時折、人の生活が見える場所でも、この地方独特の入母屋造のしっかりした家だったりして、
いい感じに風景にとけ込んでいる感じでした。

天然の猪は臭くない・・・そうかー、すごい納得です。
飼育されたのは、猪と言っても、豚とかけあわされた猪豚が多くて、
それはおいしくないと、T子さんのご主人はおっしゃっていました。
前回、T子さん宅を訪れた時は、鱧しゃぶをごちそうになりましたが、これまたとてつもなく美味しゅうございました。


 pekoさん、おかえりなさい!(って、日本からアメリカに戻ったのに変!?)

お湯にどっぷり浸かるのって、本当に気持ちいいですよね。
ましてや、この季節の露天風呂は、ホント、気持ちよかったです。

pekoさん、温泉の素は買って帰った?

よく海外に住んでいる友人とも話すのだけど、
働いてばかりで何の楽しみもないように見える日本人だけど、
どっぷりお風呂につかるから、また回復して働けるんだよね。
水質のいい国に生まれた事に感謝しなくちゃね!
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