ただの映画好き日記

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よみがえる百舌 / 逢坂剛 著

2014-04-29 | 本 男性作家


  よみがえる百舌

  逢坂 剛  著     集英社文庫 / 1999.11



  元刑事が殺された。後頭部を千枚通しで一突き。
  伝説の暗殺者、百舌の手口だ。闇の彼方から百舌が帰還したのか?
  それとも、警察の汚濁に基づくあの事件を知っている者が始末されていくのか?
  いまわしい記憶に怯える女刑事・倉木美希の前に第二の殺人が起こる!
  野に下った大杉良太も友のために立ちあがる。
  警察の腐敗を告発し、サスペンスの極限に挑む逢坂剛の大ヒットシリーズ第四弾。





面白かったです!一気に読みました。
読み終わってみると、なんか違うな~という若干の微妙さが残るのですが、でも、読んでいる間はとにかく先が気になって一気に読んでしまいます。
今回、特に面白いな~と思ったのは、百舌が入れ替わるという展開でした。
なるほど、それならばアリバイは納得できるし、更に、パワーアップするというか、百舌という存在が迫力を増すように感じました。

津城警視正の後遺症(?)は、前作のロボトミー同様、正直、微妙でした。
あまりにも、“始末”し過ぎるところは、やはり、それを指示していた津城警視正は気がふれていたのかもしれないと思えなくもないですが、でも、やはり、現実味が感じられず、ちょっとシラケてしまいました。
よっぽど、津城が百舌だった方が面白かったかもしれません。

美希と大杉の関係は、正直、かなり微妙で、特に、これは他の作品でも思っていたことですが、美希の人柄が同性としては、ちょっと理解不能なところもあり、自分の気持ちに正直と言えばそうなんでしょうが、節操のない女だな~とどの作品でも思わされました。
前作のラストでは、倉木を亡くしたばかりだというのに大杉にキスをし、今作では大杉とハワイ旅行へ…と、大杉が弄ばれないかが心配にさえなってしまいます(笑)。

と、気になるところはあるのですが、でも、面白かったです。
とにかく、読ませる展開と筆力にあっという間に取り込まれてしまいました。

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