看取り犬・文福の奇跡
若山 三千彦 著 東邦出版 / 2019.8
今、横須賀で本当に起きている「奇跡と感動」の実話。
NHKでも放送され、話題となった
日本で唯一、ペットと入居できる“特別養護老人ホーム”を舞台に
ペットと人の、心が温かくなる15の掌編を収録。
人の最期を察知し寄り添う、保護犬「文福」を主人公に
涙なしには見られない、“愛”と“奇跡”が詰まった一冊です。
1.看取り犬・文福 -奇跡の保護犬ー
2.文福を信じて思い出の港へ
3.ラッタッタでGO!
4.人と犬、いつまでも寄り添って
5.”老春”を駆け抜けろ
6,いまが至福のとき
7.愛犬と一緒に難病に立ち向かう
8.遺された犬
9.夜明けの散歩
10.虹の橋からのエール
11.文福に心とかされ
12.鼻水を垂らした天使
13.高齢猫のとろけそうな笑顔
14.僕が絆をつなぐ
15.職員にも起きた奇跡
素晴らしいです。
看取り犬の文福は特別な能力があるとしか思えず(嗅覚が優れていると思われますが)、入居者さんに近付いている死期を2日前に感じ取り、居室の前でジッとしているそうです(普段は自由に出入りしているのに)。
亡くなる半日前に入室し、ベッドに横たわり、入居者さんを看取るそうです。
奇跡の看取り犬・文福といっても過言ではなく、匂いで感じ取ること以上に、決して騒がず邪魔をせず、ひっそりと見守っていることが凄いと思いました。
文福以外に、保護犬や保護猫も一緒に暮らしていて、そして何より、入居者さんの飼い犬や飼い猫も一緒に入居できるシステムに感動しました。
飼い主と飼い犬、飼い猫が引き離されることなく、最期まで一緒に暮らせるなんて、本当に本当に素晴らしいことです。
そして驚いたのが、どの飼い犬も飼い猫も、ホームで暮らす他の犬猫と仲良くできることでした。
それまで、飼い主さん(もちろん老人)と2人っきりの暮らしだったところから、大勢の人や犬、猫がいるという劇的な変化に、見事対応できるているんです。
飼い主さんが亡くなった後も、他の仲間と元気に暮らしていて、本当に本当に素晴らしいです。
私も3年前に愛犬を亡くし、自分の年齢を考えるともう飼えない…と次の犬を飼うのを諦めました。
犬の老後を考えたら、自分の老後と重なって、介護をする体力があるか?と思うと、やはり飼えません。
こちらの特養では、愛犬、愛猫も一緒に入居できるので、歳をとってからも安心してペットを飼えます。
入居者の飼い主さんが亡くなっても、その後もホームが残された犬、猫の面倒を見てくれるので、本当に安心です。
愛犬や愛猫に看取られるなんて本当に素晴らしいことで、本に登場した入居者さんも、我が子ではなく、愛犬愛猫に看取られたいと思っている方が多いことに驚きました。
ホームでは入居者のみならず、犬や猫の世話までとなると本当に大変だと思いますが、本当に有り難い存在です。
できることなら、私も今から予約しておきたいくらいです。