ただの映画好き日記

観た映画と読んだ本の自分用メモ。

誰も守ってくれない

2009-01-26 | 映画 タ行


幼い姉妹の殺害事件で未成年の容疑者が逮捕される。その瞬間から容疑者の家族は、マスコミや世間の目を避けるため警察の保護下に置かれ、中学生の妹・船村沙織の担当は刑事の勝浦に任される。ホテルや自宅アパート、友人のマンションを転々とするが、マスコミの執拗な追跡に行き場を無くした勝浦は、かつて担当した事件の被害者家族が営む伊豆のペンションに身を寄せる。そこへ沙織のボーイフレンドが駆けつける。

誰も守ってくれない 2009年/日/君塚良一




観てきました~。
今年、劇場1本目です。。

佐藤浩市と松田龍平のコンビ、いいですね♪
ドラマの方が2人の繋がりが濃く描かれていましたが、映画でのチョイチョイっと出てくる松田龍平も良かったでした。




さて・・・。

(ネタバレしてますので、ご注意を!)

事件の容疑者側にも加害者側にも、なり得る可能性はあっても、実際そうなる機会はないので、自分に置き換えることも想像することも私には難しかったです。
ただ、こうなるんだな・・と頭の片隅に置くことが精一杯のような気がしました。

容疑者の家族は容疑者ではないということは理解できますし(だけど、被害者でもないと思うけど)、公にされていなくても、警察が保護することもあるだろうし、必要だろうとも思いました。
警察が動く以上、税金を使うのも致し方ないという気持ちも持てます。
ただ、容疑者の家族が世間に糾弾される必要はないとしても、最高レベルの責任を感じる必要はあるはずです。

まして親ならば、謝罪の気持ちと責任の重さを命でもって償うというのも一つの方法だと思っています。
だけど、この映画の母親は責任を感じての自殺ではなく、あれは逃げただけ。。
この母親は、謝罪も反省も償いも責任もなく、更に、残す子供たちのことも考えずに、アッサリと逃げちゃうんだな~と思いました。

そして、妹は・・・。
実は、この映画で1番怖いな~と思ったのは、妹でした。

兄が取り返しのつかないことをしたという認識がありながら、学校では何食わぬ笑顔。
ペンションに逢いに来た彼氏と何食わぬ顔で世間話。
保護してくれている警察にも食事を出してくれたペンションの人たちに対しても一貫して怒った態度でありながら、スッと仮面(笑顔)を持ち出せるのが恐ろしいと思いました。

挙句、ペンションから逃げ出す神経。。
最後に「ありがとう」という言葉を聞けたからよかったけれど、被害者の幼い子供たちを思いやる言葉が一切無かったことに、何がなんだか理解できずにパニックになっている様子でもなかったこともあり、母親と一緒で、殺された子供のことも、大変なことをしてしまった兄よりも、自分なんだな~と思いました。
なので、「お兄ちゃんが黙秘しているから私も・・・」というのは白々しく聞こえました。

それと、沙織の彼も、その彼の友達(?)も、私には到底理解できないものを感じ、今の子供たちは心を持たずしてどうやって生きていくんだろうと、沙織もその彼も、仮面をかぶれる神経が恐ろしかったです。
刑事をボコボコにする神経も理解できません!

ラストは、前を向いて・・・という感じでしたが、この妹がどうやって父や兄を守れるんだろう?と思いました。
なんせ、もともとがバラバラなんですよ。
自殺した母親、兄のしたことを知っていて知らぬ顔でいられた妹、妹に助けてと訴えていたのに無視された兄・・・、やり直せるとしたらどこからなんでしょう・・・。

沙織役の志田未来ですが、結局、怒った表情しか(笑顔もあったけど)なかったので、なんとも言えませんが、これから楽しみな女優さんだろうと思います。
佐藤浩市はやっぱり佐藤浩市です(笑)。
顔の表情よりも声の表情が素晴らしい!
でもって、1番難しい役と思われる、柳葉敏郎。
難しかっただろうな~と思います。
素晴らしいとまでは言えないけれど(失礼!)、あれが精一杯かなと・・・(笑)。
キャスティングがよかったな~と思いました。

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