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蒼色の大地
薬丸 岳 著 中央公論新社 / 2019.5
一九世紀末。かつて幼なじみであった新太郎、灯、鈴の三人は成長し、それぞれの道を歩んでいた。
新太郎は呉鎮守府の軍人に、灯は瀬戸内海を根城にする海賊に、そして鈴は思いを寄せる灯を探し、
謎の孤島・鬼仙島にたどり着く。「海」と「山」。
決して交わることのない二つの血に翻弄され、彼らはやがてこの国を揺るがす争いに巻き込まれていく。
友情、恋慕、嫉妬、裏切りーー戦争が生む狂気の渦の中で、三人の運命が交錯する。
少年犯罪ものではない薬丸作品は、やっぱり物足りない…(すみません)。
なんと言っても、せっかくの(?)戦闘の描写がサラリとしていてインパクトも何もないのが残念でした。
テーマも、何が言いたいのか?単純に差別なき戦争なき世の中…なのだろうか?
山や海と表現する裏には具体的な固有名詞があるのだとしたら、なんとも、回りくどくてイライラしてきました。
でも、『螺旋プロジェクト』とやらから与えられたテーマだとしたら薬丸さんに責任はないのですが。
なんともモヤモヤとした、薬丸さんに傷が付きそうな、そんな感じがしました。
1,836円、もったいなかった…。
半分以上が会話文で余白だらけなのでサックサク読めちゃいます(笑)。