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ジョージ6世は、王になどなりたくなかった。兄のエドワードが、王室が認めない愛のために王冠を捨てたことから、予期せぬ座についたのだ。しかも彼には、吃音という悩みがあった。スピーチで始まり、スピーチで終わる公務の数々に、いったいどう対処すればいいのか? 王は何人もの言語聴覚士の治療を受けるが、一向に改善しない。心配した妻のエリザベスは、スピーチ矯正の専門家、ライオネルの診療所に自ら足を運ぶ。堅く閉ざした心に原因があると気付いたライオネルは、ユニークな治療法で王の心を解きほぐしていく。折りしも第二次世界大戦が始まり、ヒトラーの率いるナチスドイツとの開戦に揺れる国民は、王の言葉を待ち望んでいた。ライオネルの友情と妻の愛情に支えられ、王は国民の心をひとつにするべく、渾身のスピーチに挑むのだが──。
英国王のスピーチ 2010年/イギリス・オーストラリア/トム・フーパー
とってもステキな映画でした。
もちろん、ヒトラー登場でドイツとの戦争が始まってしまったけれど、障害に立ち向かい、見事に克服する姿、そしてそれをサポートする家族、友人の姿にとても勇気をもらえたお話だったと思います。
王族に遠慮しないローグが素晴らしく、ローグがヨコシマな人間じゃなくてよかったと心から安堵しました。
生涯に渡り友人関係であったそうで、また、ローグには勲章も授与されて(ナイトの称号は与えられなかった?笑)、ジョージ6世の信頼が厚かったんだなと思います。
ラストのスピーチは、開戦宣言であり、本来なら哀しく辛いスピーチを受け止めなければならないはずが、国王に接する人々だけではなく、国民も、吃音症の国王を心配し、ガンバレ!と思いながら聴いていたんじゃないかなと思いました。
戦争と吃音症とではもちろん別物ではありますが、自ら不安と恐怖に立ち向かい見事に乗り越えた国王の姿は、皆に勇気を与えただろうと思いました。
ジョージ6世を演じたコリン・ファース、想像以上の素晴らしい演技だと思いました。
決して吃音の真似が巧いのではなく、国王の人柄を表し、全てのシーンの表情が素晴らしかったと思いました。
そして、ローグ役のジェフリー・ラッシュも素晴らしい!
まさに相乗効果ではないでしょうか。