伊東家のデスク

オタクの備忘録など

とりあえず色々見ている頃について

2021-02-11 21:12:23 | 雑文
・『ミスト』
 一番怖いのは序盤の揺れるスーパーマーケット。3.11からもう10年だしそろそろまた見れるだろと思ったら、結構当時を覚えているもんだね。きつかった。
 基本的にみんな愚かしい行動ばかりするのだけれど、淡々と描いているからすんなり楽しめる。マーシャ・ゲイ・ハーデンの狂信者っぷりは必見。『ブロブ』の神父様を知っていると余計に楽しくなるなぁ。
 中盤の飛行昆虫戦が中々のもの。やっぱり昆虫系の怪獣・モンスターは好きだなぁ。クッソ怖くてかっこいい。
 あと、相変わらず私はホラーを真面目に見ようとしない。B級アクションに慣れている状態で見たということもあるが。なぜみんな外に出て一匹残らずバケモノを皆殺しにするという考えをしないんだろうと首を傾げてしまう。霧が来るだけなら怖がっていてもいい。自然現象は侵略ではない。モンスターが来たなら侵略である。ならば戦わなければ。滅すことはできるのだから。突然ジェームズ・ホーナーの勇壮な曲が流れて思い思いに武装し、群がるバケモノどもをちぎっては投げちぎっては投げ。歩いているでっかい奴をぶっ倒すために発電所とかに誘導して大爆発に巻き込むのだ。最後は突然現れた、そうだな、軍服着たリチャード・クレンナあたりに「勲章はいりません」とか決めてThe Whoの『Baba O'Riley』と共にクレジットが流れて劇終。クレジット後にモンスターの一部がどこかで生存していることを示唆。こうでなければ。監督がロバート・ロドリゲス(+タランティーノ)とかだったら本当にやりそうだな。多分その場合、コミカライズが押切蓮介になる。

・『マキシマム・ブラッド』
 ヴァンダムは『その男ヴァンダム』の時点で老いと衰えをしっかり自覚して取り入れたと思ったはずが、やっぱり未練あってまだ三十代の頃を引きずっている印象がある。しかし、その諦めの悪さが結果的に盛りを過ぎたジジイヒーローとしての魅力に合致しているのが面白い。
 本作も、その辺が活きていて、ヴァンダムはやはりかっこいいなぁと、私は思うわけだ。オチも何もバレバレだって構いやしないのだ。

・『セブン』
 昔、「セブンは実は野良犬のリメイクなんだぜ」と変な嘘つかれたのを覚えている。まあ分からんでもないネタだが。
 今見てもオープニングは震えがくるほどかっこいい。クレジット見えた瞬間ゾクゾクしたよ。
 コートで歩くモーガン・フリーマンはもう素晴らしいね。ケヴィン・スペイシーは『ユージュアル・サスペクツ』の方が好きかな。
 ご存じの通り、最後はブラッド・ピットがやっちまうわけなのだが、デビッド刑事が優等生タイプじゃないのと、撃ったことがある男なのがちょっと残念にも映る。このあたりを突き詰めるなら、最後に撃つべきは実はサマセット刑事だったと思うのだ。怒りにかられて一線を越えると同時に刑事生活を終えてしまう男。目の前で絶望的な光景が繰り広げられて崩れ落ちる若者。絵としてはいいと思うのだがなぁ。まぁラストでそれでも世に価値ありと信じるサマセットの味わいを考えると選択の余地はないか。
 どうでもいいが、ジョン・ドゥと戦うのがハリー・キャラハンやマーティン・リッグスだったらどうなっていただろう。特に『リーサル・ウェポン』一作目のマーティンなんか明らかに狂っているので、スーパー狂人大戦になっていたかもしれない。

・『放射能X』
 非常に面白かった。『空の大怪獣ラドン』や『平成ガメラ』とか好きだった人にはガチでおすすめである。
 謎の事件から巨大な蟻の発見、そこから殲滅に至るまでがクールに進んでいく。モンスター映画としては珍しい部類で、人間側が有能なのだ。巨大蟻の演出も素晴らしいの一言。
 また、同年に日本では『ゴジラ』が公開されるわけだが、改めて『ゴジラ』はおかしいぐらい出来が良かったのだなということが実によくわかる。なんというか、陳腐な言い方ではあるのだが、円谷英二は偉大だよね。

・『霊幻道士X 最強妖怪キョンシー現る』
 どうも私はキョンシー映画に甘い気がする。それで育ったようなもんだからなぁ。
 出来はまぁよくない。流石にラム・チェンインと比べるのは酷だと分かっているのだが、チン・シュウホウはアクションにしろキャラ付けにしろいまいち。シナリオがテンプレ通りなのは置いといても、衣装をバサーっとやるあのカッコよさが微妙に感じてしまうのはいただけない。ただ、敵に山魈を持ってきたのは気に入っている。


・『セーラームーンS』、遂にほたる登場まで進んだ。ここから先は外部との対立軸にちびうさとほたるのドラマが重なっていくわけだ。先の展開分かっているので、やっぱり二人が出会った瞬間「いやあああ!仲良くしたらあとがつらいんだぞ二人ともー!」と心で叫んでしまう。

・お昼食いながら見ていたアニメ版『瀬戸の花嫁』を完走した。本当に、何度見ても楽しいアニメであるよ。
 そして、しみじみ思う。00年代のアニメはやはりこのあたりで完成したのだなぁと。
 微妙に現代風の物を作り慣れていないノリもそうだし、ギャグ一つとってもまだ古典的な手法を残しつつ次の時代を模索している。
 アニメの歴史を眺めると、こういう完成された時期がたまに現れる。10年代なら2017~19年あたりかしら。次はいつ来るか。

コメントを投稿