伊東家のデスク

オタクの備忘録など

春も本番の頃について

2023-04-29 21:48:32 | 雑文
・『ひろがるスカイ!プリキュア』
 12話目。キュアスカイの戦い方がどことなく落ち着いていていい。このあたり、ヒーロー目指して鍛錬続けてきたソラのキャラが出ている。ソラは積み重ねたものをしっかり出すタイプの主人公なのだ。基本的には「勢いと心意気!」が多い主役キュアの中にあって、この生真面目さは明確な個性として実に良い。
 そのうえで、今回のラストは興味深い。
 これは当然あるだろうな、と思っていた場面について色々と考えている。それは勿論、用済みと始末されそうになったカバトンを助けるシーンであるが、ここでソラが持ち出したのは「ヒーローの出番」、即ち幼い頃から抱いてきた「ヒーローの論理」ではなく、「分からない」「しかし、これが正しいと思った」であった。ヒーローとは何かを常に追求し、実践せんと積み重ねてきたソラの行動としては異質にも見える判断が飛び出たのである。行動それ自体は間違いではない。ソラならこうするはずだし、こうしなければならない。重要なのは、この行動を自らの判断でもって、積み重ねてきたヒーロー観とは関係ないところから導き出したという点である。これの意味するところはかなり重いように思われるが、さて今後にどのような影響を与えるか。
 次からは新しい幹部が来るのだろうが、それなりの強敵が欲しいな。キュアバタフライ覚醒の説得力は、ここにかかっているのではないか。

・『王様戦隊キングオージャー』
 8話目。いやあ、面白い。ラクレスとカグラギの描き方が実によろしい。カグラギに比べると、ラクレスは役者が一枚下という感じに映ったが、さて彼の真意はどこにあるのだろうか。
 ここに来てようやくバグナラクがうまく動き出してくれた。虫は放っとくとあとが怖いのだ。搦め手でじわじわいってくれると嬉しいな。

・『電人ザボーガー』
 うーん……悪之宮を退場させてまでトカゲたちを出す必要あったかなぁ。悪魔ハットではどうも悪之宮よりも弱く感じてしまう。まあΣ編末期も確かにパワーダウンしているとは思ったけれど。やはり、良いヒーローものには良い悪役が必要であるよ。
 ともあれ、テンション高くて楽しかったかな。
 次はまた東映に戻ろうかしら。そろそろ定番の味が欲しくなる。

気温差が激しい頃について

2023-04-22 22:42:51 | 雑文
・『ひろがるスカイ!プリキュア』
 11話目。注目点は、聖あげはの存在そのものである。私は彼女がどこかで失敗し、それを起点としてプリキュアへの覚醒を果たすと見ているのだが、現段階だと精神的に優位性が強すぎて、いまひとつ覚醒を必要としないように思えてしまう。そのままでの活躍でもよさそうだ。もし、私の予想通りに彼女が失敗を起点とするならば、彼女のキャラクターに見合ったレベルの失敗が必要になってしまうが、流石に日曜の朝にできるレベルとなると限られてしまう。ちょっと盛りすぎたんじゃないか。となると、私の予想がはずれる可能性の方が高くなる。それはそれで構わないのだが、いったいどんな仕掛けをしてくるのだろう。どのような手で来るか、実に興味深い。

・『王様戦隊キングオージャー』
 7話目。いや、これは実にいいな。ギラとシュゴッドを中心に置いてのヤンマ・ガストとヒメノ・ランのがっつりしたぶつかり合いがとても心地よい。特に総長、いいブルーだなぁ。上に立つものであり、成り上がりであり、また技術者でもあるという三要素が高いレベルでまとまっている。展開上、邪悪の王を演じるがゆえにまっすぐには歩けないギラの代わりにドシドシ突進もしてくれるわけで、なんとも美味しい。

・『ロックマンエグゼ アドバンスドコレクション』
 とりあえず『1』を終わらせた。これがまたすさまじくやりにくい。当時よく投げ出さなかったなと感心してしまうほどに。どうやらスタッフも同じ意見だったらしいので、なんとも笑えてしまった。
 世界観が本当にいいんだよ。あの世界観を一作でビシッと組み立てたあたりに当時の熱気が感じられる。

・『飛べ!イサミ』
 U-NEXTに入ったので久しぶりに、というか、ほぼ本放送ぶりに見ている。そして大部分を覚えたままであることに気づく。
 おそらくフラッシュ演出であろう部分にかなり修正入っててがっかり。龍の剣が光る時の放射とか好きだったのになぁ。
 90年代らしさ全開というべきか。とにかくキャラが生き生きと描かれていて素晴らしい。
 それにしても、私はだいぶタックアニメに育てられているなぁ。

4月も半ばの頃について

2023-04-15 23:22:53 | 雑文
・『ひろがるスカイ!プリキュア』
 10話目。なんと、もう10話であり、まだ10話。なんだか半年は見た気がする。
 内容的にはいつものプリキュアという感じで、あまり「ひろプリ」の独自性は感じられない箸休めといったところだが、興味深いのはましろの役割である。
 基本的に、ましろはソラの相棒という立ち位置にある。ソラのヒーロー観をしっかり受け取り、それでもって立つ。それに加えて、ましろには従来的なプリキュアという役目も強いようだ。キャラクター的にも、これまでの定石的には充分主役プリキュアを張れるようになっている。これは、強くこれまでとは違うポイントを前に出してきている「ひろプリ」が、「プリキュア」から離れないようにするためだろう。逆に、そうであるがゆえに作劇的にも動かしやすいので、これはこれでいつものプリキュアに寄りすぎてしまうリスクもあるので、このあたりの管理に注目したい。

・『王様戦隊キングオージャー』
 6話目。なるほど、こういった感じで段々とバグナラクを盛り上げていくのだろうか。
 状況をかき乱すのは悪い王様であるところのラクレス・ハスティーのはずなのだが、ギラも負けず劣らず状況をかき乱すので混沌としている。これをどう紐解いていくか、さてお手並み拝見。余裕で見ていられるのは、ここまでのキャラ立てのうまさゆえである。
 ただ、難点としてはシュゴッダムの国民の描き方か。少々テンプレすぎるというか、いまひとつ盛り上がりきれていない。掌クルクルクソ野郎どもにするのなら、もっと馬鹿げたスケールでアホにしないといかんでしょう。『キン肉マン』や『炎の転校生』のモブみたいに。

・『大怪獣ガメラ』
 第一作がのちの流れのせいで異色作になるのはよくある話である。「ガメラシリーズ」が辿ってた道を考えると、やっぱり真面目すぎるよな。でも、そんなに真面目でも、巨大な亀の怪獣を火を噴く円盤にしようぜとやってしまったのは本当に凄い。

・たまにTCGに興じたりするのだが、私はあまり優秀なパーツを投入した混ぜ物デッキが好きではない。特にあらゆるデッキに必須扱いされるカードが嫌でねぇ(MtGの土地なんかは勿論別だが)。ああいのものに美しさを感じることが私はできない。これ、勝負が前提となっているTCG的にはダメな態度なのだろうが、仕方ないのである。個人の美学なのである。


4月の頃について

2023-04-06 23:29:57 | 雑文
・『ひろがるスカイ!プリキュア』
 9話目。我が意を得たり。これはいい。
 私は「ひろプリ」におけるヒーローの必要条件の一つを「己に使命を課す」ことと定義していた。ヒーローが必要な場面で、その使命を自分に課して困難に立ち向かうこと。ソラ・ハレワタールも虹ヶ丘ましろも、これによってヒーローの資格を獲得し、プリキュアへの覚醒を果たしている。
 さて、夕凪ツバサである。彼もまた、この流れに乗っている。ただ、彼の覚醒において最も重要な点なので、上記必要条件に少しだけ追加されねばならない。当たり前すぎて省いていたのだが、「力の有無にかかわらず」という点を明かしておきたい(誤解されがちなのでこちらは強調しておくが、有無にかかわらずなので「有」と「無」に優劣は存在しない)。
 ツバサにとって力の有無は重要な問題である。彼がプニバード族だからだ。飛べない鳥だからだ。しかも、これは彼に対する罰でも呪いでもなく、種族がかつて人間になれることと引き換えたものである。等価交換である。これは受け入れるしかない。そうであるがゆえに、父の姿に見た、ツバサの空を飛びたいという願いは純粋である。いつか届くかもしれない願いと信じ、空を見上げるのである。同じく純粋に夢に向かい続けるソラが認める努力なのである。
 そして、8・9話において、彼の願いと物語上の目標が重なってしまった。今、飛ばなければならない。プリンセスエルを守らなければならない。できないであろうことをやらねばならない。その試みは、成功にはまだ遠く、遂には追い詰められてしまう。願う夢は正しく困難なのだ。目指した空は、敵がいる空は、守るべき人が連れ去られようとしている空は遠いのだ。しかし、自身を浮遊させ「空」を与えて共にあろうとしたエルによって、彼は自分に課せねばならない最大の使命を知るのである。あの日の父のように、自分を救おうと必死なエルに報いること。懸命な努力を信じ、それを決して笑わせないこと。たとえ今は飛べなくとも関係なく、「あなたのナイトが参ります!」を自分に課せた時、ツバサはプリキュアへと覚醒するのである。それに呼応するように、飛べなくとも協力して空に挑み続けたキュアスカイとキュアプリズムの努力は実る。そして、キュアウィングは自由に羽ばたくのである。
 キュアウィングの覚醒は、とにかくこの一点である。「できないであろうことをやろうとする」これである。また、「努力を笑わない」の側面に、何事も失敗は前提であるという点がしっかり描かれているのも注目すべきであろう。ツバサは何度も打ちのめされるし、スカイとプリズムも空に届くまで苦しみぬいた。困難がしっかり困難として立ち上がっている。
 いやはや、とても楽しかったよ、キュアウィング覚醒。
 おもしろいのは、ここで聖あげはの覚醒トリガーもしっかり仕込んでいたように見えるあたりか。「できないであろうことをやろうとする」「努力を笑わない=何事も失敗は前提である」こととあげはの設定を考えると、今回の描写からしてもあげははどこかで自分の夢について致命的な失敗をしなければならないという伏線が仕込まれたようにも思える。大人の挫折と復活を描くか、それともまだまだ道は途上という方向から攻めるか。こちらも楽しみである。

・『王様戦隊キングオージャー』
 5話目。リタの表現、お見事でした。疲れMAXという感じでぬいぐるみに話しかけたり奇声を上げてみたり、あるあるとなってしまう。
 モルフォーニャがとにかく素晴らしい。この味わいが分かる子は将来有望だ。
 展開が少し早い気もするが、まだまだ仕掛けがあるという余裕と受け取ってよさそうだ。楽しみ。

・『知らなすぎた男』
 ビル・マーレイありきの映画だが、そういうのはそういうのでいいのである。ただ、そうであるがゆえに、マーレイに慣れてくる中盤が少し退屈に感じてしまうのよね。場面が縛られているからなおさら。とはいえ、全体的にはちゃんと楽しい仕上がりになっている。

・『電人ザボーガー』
 ジャンボメカ完成を軸とした悪之宮博士との激闘のあとで、格闘アクションドラマとしての色が急に強くなって、このぐわんぐわんいきそうな感覚がまさに昭和特撮。ウルフジョー戦、素晴らしかったなぁ。