伊東家のデスク

オタクの備忘録など

うしおととら

2021-02-14 19:04:36 | 感想文
 90年~96年。作者は藤田和日郎。
 現在でも名作として語られることが多い、90年代黄金期サンデーを代表する一品である。
 王道を往く熱いストーリーとド派手な描写に豊かなキャラクターと、少年マンガに必要なものは一通り揃っている。特に構成に関しては見事。綺麗にクライマックスまで物語の盛り上がりを運ぶことに成功している。
 まぁ、まず一度読んでおいて損はない作品ではあるのだが、どうにも私は手放しでは称賛しかねる。荒いところは結構あるし、熱い少年向けかくあるべしと傾きすぎて展開が乱暴にまでなっている部分も目に付く。特に主人公の蒼月潮があらゆる価値観の中央に位置付けられたような終盤は、やはり首を捻ってしまう。
 しかし、それでも主人公コンビのノリのいい妖怪退治道中の魅力は揺るがない。これは間違いない。その全てが昇華される最終決戦は必見である。
 まあ最も見てもらいたいのは準レギュラーの鏢なのだが。

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