・もうどれほど前になるか。今の若いオタクには中々理解してもらえないぐらいには世代が変わった気がするのが、『泣きゲー』である。
Key作品などの泣きゲー隆盛は、Airを経てCLANNADあたりの名作群でピークに達する、ような気がする。当時の私から見るとそうなるのだ。
同時に、私はなぜこの諸作品があれほどオタの間で評価されたかが常々気になっていた。勿論ちゃんと泣けるということは良質な物語を提供できているということなのだから、不思議はないはずなのだが、未だに小骨が引っかかる。
・ホビーものはファンタジー路線かリアル路線かをはっきりさせなければならない。そうでなければ読み手が混乱してしまうのだよね。
ただ、ここでのファンタジー性あるいはリアル性は、そも法則に当てはめるか世界観に当てはめるかでだいぶ違ってくる。
『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』は基本的に作中世界観はリアル路線である。ミニ四駆の世界での扱いも、まぁそうならなくはない程度に保たれている。マグナムトルネードあたりは完全にファンタジーになるし、レーサーの指示が伝わるあたりも同様。法則はファンタジー寄りとなる。『ダッシュ!四駆郎』『ハイパーダッシュ!四駆郎』も同じかな。ミニ四駆ものは法則はともかく世界観はリアル路線が似合うのか。
カードゲームは多くが世界観ファンタジーになるかな。『遊戯王』然り。『デュエマ』然り。『MTG』が魔術勝負の側面があったので、自然と派手なファンタジーバトルになりがちである。法則については完全にリアルでなければならない。カードの効果はファンタジーさせるわけにはいかないのである。
さて、前置きはここまでにして、オチをつけたい。
このあたりの事情を完璧に把握し、利用しきった作品こそが、ご存知『人造昆虫カブトボーグVxV』なのである。凄いよね。
・『西川伸司ゴジラ画集』、ラクガキもあると書いてはいるが、西川のそれはあまりにも価値が高すぎる。どれもこれも楽しい。『ルーラーズ・オブ・アース』もそうなんだけど、怪獣はうまい人が描くと本当に素晴らしい。その画力でのプロレスも楽しいものになる。
・『こみっくがーるず』4巻以降は美姫が実質もう一人の主人公になっているので、かおす先生が役割から解き放たれているのであるな。だからこそキャラとして二段ほど格が上がった気がするのだ。
・『灼熱カバディ』はどのキャラも愛らしいのだが、2年生のキャラクターは本当に素晴らしいねぇ。水澄京平とかさ、心の底から三年生を慕っていて、後輩にはとにかく面倒見がいい、あの感じが実にいいのだ。
・『ARMS』は連載時にちゃんと読んでおかないとどうしても評価は下がる気がするなぁ。私は単行本からなので、リアルタイムで読んでいた人とはどうも温度差がある。あの少年マンガ的インフレの雑さは週刊リズムならともかく、まとめて読むとやっぱりいまいちだよね。まぁそこをパワーで押し切れているので十二分に楽しいのだが。