空と道の上で

バイク旅はいつになるやら(^_^;)

バイクフレーム考(後編)

2006-11-14 18:29:10 | S4RS
よ~し、今日は後編だ、行ってみよう♪
何だか今日は元気がいいぞだって? (いやいや、カラ元気です)

昨日の予告でも言いましたが、
今日は「アルミフレームのうろこのような溶接は何?」をウンチクにならぬよう
簡単に述べていきます。

まずはこれを見て見て!

これもアルミフレームの一部のカットモデルで失敗品です。
(すいません、毎度毎度失敗品ばかりで。いいものは出荷されるので入手困難です。)

これはアルミTIG溶接で行っており、よく見るとビード表面が波目模様がはいっているのがわかりますかね?(失敗理由はこの波目がはっきりしていない為です)
業界ではこのビードを「うろこビード」とか「波目ビード」と呼んでいますね。

フレームやスイングアームなどを見ると結構見られると思います。
我がS4Rsもスイングアームに少し見られ、SUSやチタンを多用したパーツにもこのようなうろこビードが見つかります。

このビードは作り方は母材を溶かすための電流に強弱を与えるとこのような感じになり、つまり電流強(母材を溶かす)→電流小(冷ます)という周期で行うとこのような感じとなるのですが、実際やってみると難しい!
かなりの経験とセンスが必要な職人技ですよ。
↑の画像は電流の強弱幅が小さいためハッキリしてないですね。
その反面、つけ過ぎると溶け込み不足が発生したりしてこのあたりのバランス難しいですね。

さて本題、
なぜこのようなビードが必要なのか?
実際フレームを見ると、外から目に見える部分はうろこビードだが、その裏面はMIGでやっているものが多い。
この事を考えると、「うろこビード」は美的価値があるということが言える。
(でも外国は意外とコレを求めていない、特にアメリカはどうでもいいらしい)
アッシ的には日本的な価値感と思うのだが、どうでしょう?

次の話はアッシがまだ修行の身の頃、ある二輪メーカーの技師から聞いた話。
うろこビードは電流の強弱で作ると前述したが、ということは溶け込み量も深く浅くという事ということになる。
その技師は「溶接面から亀裂が始まると一定溶け込みでは一気に破断する可能性がるが、うろこビードだと深い溶け込み部で破断が止まる可能性があるので、うろこビードを使うのだよ」とおしゃっていた。
その聞いたアッシは「目から鱗!」(うまい!オーイ座布団一枚!)の思いをしたのであります。

その他色々と書きたいことがあるが、専門記事になるのでこのあたりで。
(ゴメンなさい、やっぱりウンチクになってしまいました

でも最近のSBKはブラック塗装化してそのうろこビードが目立たなくなったのは少し寂しいですな...
アルミ地フレーム復活しないかな...
じゃあ、どうしておまえのドカは好きなアルミフレームじゃねえのに
買ったのだと仰る?
「フレームでバイク選んでないもんで...
  鋼管で充分! いいしなり出てまっせ!」

ではさいなら