東日本大震災以後、大手漁船メーカーに小型漁船の受注が急増している。津波で約2万5千隻もの漁船が流出・損壊したからだ。しかし、漁業の衰退などで需要の低迷が顕著だっただけに、一時的な“特需”による生産設備増強には二の足を踏むメーカーもあり、水産庁によると今年度の漁船の復旧は約6千隻にとどまる。短期の国内生産だけでは需要に追いつかないのが現状だ。(板東和正)
「小型漁船をもう50隻ほど受注してもらえないか。急いでほしい」。10月下旬、小型漁船で国内2位のヤンマー舶用システム(兵庫県伊丹市)の岩手県大船渡市の営業所に、地元の漁業協同組合の職員が訪れ、頭を下げた。
同県沿岸などで天然アワビが収穫できる時期に入る中、漁船が足りないことに焦る漁業関係者は多く、震災後、直接メーカーに足を運ぶことも。工場では社員が土日も作業に取り組んでいるが、「全ての受注に応えられる状況ではなく、やりきれない」と同社の男性社員(56)はつぶやく。
水産庁は漁船の早期復旧のため、平成24年度までに漁船を購入すると費用の3分の2を補助。地元の造船業が被災したため、被災地域以外にも生産拠点を持つ大手メーカーに受注が集中した。
ヤンマーの24年度までの受注は約400隻。顧客の注文に応えるには、例年の約10倍にあたる年間200隻以上の生産が必要になる。しかし「すぐには大幅な人員増加や設備投資ができない」(松田忠次郎・ヤンマー舶用システム営業統括部部長)状況だ。生産を委託する造船工場などを増やして受注増に応える方針だが、松田部長は「これ以上、受注が増えれば生産がパンクする」と打ち明ける。
一方、小型漁船で国内最大手のヤマハ発動機も、昨年の小型漁船の販売が約250隻だったのに対し、今年7月から来年3月までに約3千隻を受注。OBら約160人を一時的に増員して増産にあたる。
水産庁などによると、中小メーカーまで含めた国内の小型漁船の生産能力は年間3千~4千隻程度。これに対し、岩手、宮城両県が23年度補正予算で漁船購入に補助金を計上したのは計約1万500隻分(10月時点)と、需要と供給のギャップは大きい。
小型漁船メーカーなどでつくる日本舟艇工業会の久保準一郎振興室長は「現状の生産能力では短期間に小型漁船を供給するのは難しい。国には購入費補助金支給期間を大幅に延ばすなどの対応策を取ってほしい」と訴えている。
記事にあるヤマハ発動機で3千隻を受注しても、単純に考えれば6年ぐらい(昨年の販売実績が250隻でその倍ぐらいの生産キャパがあるとして)は掛かる計算で、補助金云々の話もありますが、いずれにしても1万隻の需要を賄うには、どうやっても三年は必要なようです。
「小型漁船をもう50隻ほど受注してもらえないか。急いでほしい」。10月下旬、小型漁船で国内2位のヤンマー舶用システム(兵庫県伊丹市)の岩手県大船渡市の営業所に、地元の漁業協同組合の職員が訪れ、頭を下げた。
同県沿岸などで天然アワビが収穫できる時期に入る中、漁船が足りないことに焦る漁業関係者は多く、震災後、直接メーカーに足を運ぶことも。工場では社員が土日も作業に取り組んでいるが、「全ての受注に応えられる状況ではなく、やりきれない」と同社の男性社員(56)はつぶやく。
水産庁は漁船の早期復旧のため、平成24年度までに漁船を購入すると費用の3分の2を補助。地元の造船業が被災したため、被災地域以外にも生産拠点を持つ大手メーカーに受注が集中した。
ヤンマーの24年度までの受注は約400隻。顧客の注文に応えるには、例年の約10倍にあたる年間200隻以上の生産が必要になる。しかし「すぐには大幅な人員増加や設備投資ができない」(松田忠次郎・ヤンマー舶用システム営業統括部部長)状況だ。生産を委託する造船工場などを増やして受注増に応える方針だが、松田部長は「これ以上、受注が増えれば生産がパンクする」と打ち明ける。
一方、小型漁船で国内最大手のヤマハ発動機も、昨年の小型漁船の販売が約250隻だったのに対し、今年7月から来年3月までに約3千隻を受注。OBら約160人を一時的に増員して増産にあたる。
水産庁などによると、中小メーカーまで含めた国内の小型漁船の生産能力は年間3千~4千隻程度。これに対し、岩手、宮城両県が23年度補正予算で漁船購入に補助金を計上したのは計約1万500隻分(10月時点)と、需要と供給のギャップは大きい。
小型漁船メーカーなどでつくる日本舟艇工業会の久保準一郎振興室長は「現状の生産能力では短期間に小型漁船を供給するのは難しい。国には購入費補助金支給期間を大幅に延ばすなどの対応策を取ってほしい」と訴えている。
記事にあるヤマハ発動機で3千隻を受注しても、単純に考えれば6年ぐらい(昨年の販売実績が250隻でその倍ぐらいの生産キャパがあるとして)は掛かる計算で、補助金云々の話もありますが、いずれにしても1万隻の需要を賄うには、どうやっても三年は必要なようです。
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