日本人の恋愛離れ 海外の反応
「草食系男子」という言葉が使われ始めて久しくなるが、恋愛や結婚に興味を示さない若年層が増加傾向にあり、日本では少子化が深刻な問題になりつつある。「実際に女性と交際するよりも、バーチャルな彼女を作るほうがいい」という日本人男性を海外のメディアが取り上げ、「日本人って変わっている!」と反響を呼んでいる。
・恋愛、結婚離れによる少子化が問題に
英BBCのドキュメンタリー『No Sex Please, We’re Japanese』で、日本人の恋愛離れやバーチャル彼女にハマる男性たちを取り上げたのはアニタ・ラニ監督だ。若年層の恋愛、結婚離れが引き起こす少子化により、このままでは50年後に日本の人口は3割減少すると言われている。
東京圏3500万人の人口に対する出生数は25万人。人口800万人のロンドンの出生数が13万5000人であることを考えれば、やはり出生率はかなり低い。
・バーチャル彼女のほうが楽
ラニ監督は、日本の少子化に拍車をかけているのは、若年層が性行為に興味を示さなくなり、実際に異性と交際するよりもバーチャル恋愛を好む人が増えている点を指摘している。本ドキュメンタリーに登場する日本人男性2人は、ともにニンテンドー「ラブプラス」で創ったバーチャル彼女との恋愛にハマっている。
「高校時代は結婚のことなんか考えずに恋愛ができたけど、今、実際に女性と交際したら結婚を考えないといけなくなる。でもバーチャル彼女はその心配がない」と語る実年齢は30代後半である彼らは、ゲームでの自分たちの年齢を10代に設定している。
草食化する男性に対する日本人女性の反応は、「日本人男性は同性愛者ではなくても女性に興味がないんです。彼女を作ろうともしないし、人と関係を築くのが怖いみたい」と手厳しい。
・男女共に恋愛離れは深刻化
明治安田生活福祉研究所が行ったアンケート調査で、“女性との交際経験なし” と答えた40歳以下の男性は約3割に達し、日本家族計画協会による調査では、18才~24才の女性の半数近くが性行為に興味がなく嫌悪感を感じると答えている。
・少子化対策
ラニ監督は、深刻化する少子化を食い止める対策として、出産後に女性が職場復帰しやすい環境や政策を整えることや、移民受け入れなどを例として挙げている。
女性の社会進出が進み、結婚や出産以外の人生の選択肢が増えたことも原因となっているかもしれない。男性が草食化する一方で、女性が肉食化しつつある現在、問題は表面的な対策だけでは解決できない根深い所にあるのかもしれない。