訂正:見出しを「円高是正」から「円高誘導」に訂正します。
週明け21日の東京市場で、ドル/円が140円台までドル安・円高方向にシフトした。24日とみられるワシントンでの日米財務相会談で「円高誘導」が議論されるとの思惑が影響した可能性があるが、21日のアジア市場の取引時間帯に米株主要3指数の先物と米国債の長期ゾーンが売られ、ドル資産のトリプル安現象が復活した。トランプ米大統領がパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の解任を検討していると伝えられ、「米国売り」の動きを刺激した面も色濃くある。
全般的なドル売りの圧力と米国の求める「円高誘導」が重なれば、ドル/円が140円を割り込んで130円台で推移する時間帯が長期化する展開も予想され、24日と予想されている日米財務相会談への注目度が一段と高まってきた。
<通貨先物で増える円買い、強まる投機筋の円高圧力>
21日の取引でドル/円は一時、140.62円付近までドル安・円高が進んだ。これは2024年9月以来、7カ月ぶりのドル安・円高水準。市場では日米財務相会談で「円高誘導」が主要なテーマになるとの見方が広がり、投機筋のドル売り・円買いの勢いが維持されている。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CМE)の「IММ通貨先物」の円買いポジションは、4月1日時点の12万1774枚から4月15日時点で17万1855枚と過去最高水準を更新。ドル/円の水準もこの2週間で149.61円から143.25円へと6円強の円高水準にシフト。足元では月初から9円強の円高水準となっている。
<急激な円高、日本の個人投資家に打撃 米株買い停止も>
複数の市場関係者によると、この急速な円高進行に困惑しているのが外国株投資を進めてきた新NISA(少額投資非課税制度)の利用者などを含む個人投資家だ。
米国株が今年に入って高値から20%の下落を記録しているところに、足元での急激な円高進行で含み損が急速に拡大している個人投資家が急増。その一部は今週のどこかの時点で取引の一時停止や手仕舞いをする可能性が高く、これも円高を促す要因として注目されているという。
<21日にトリプル安進行、米国売りの連想も>
ドル安・円高の進行は、日本の個人投資家や輸出系企業にとって大きな損失を生む要因と映るが、グローバルなマネーフローの観点から見ると、相互関税の上乗せ税率実施の90日間停止の発表後に沈静化してきたドル建て資産のトリプル安が再び、顕在化する動きを見せている。
21日のアジア市場の取引時間帯にダウ先物など主要3指数の先物が下落し、米国債も30年債利回りが4.87%に上昇。10年債利回りも一時、4.363%に水準を切り上げ、長期ゾーンや超長期ゾーンは軟調になっている。ドル指数もいったん97台まで急落し、米国売りを連想させるとの声も市場で広がった。
<市場を刺激したパウエル議長解任巡る発言、ハッセト氏が「火に油」>
21日のトリプル安に大きな影響を与えたのは、トランプ大統領と側近によるパウエル議長の解任をめぐる発言だ。トランプ大統領は17日、記者団に対し「彼が任務を果たしているとは思わない。私が彼に去ってほしいと望めば、すぐに去ることになるだろう」と発言。さらに米国家経済会議(NEC)のハセット委員長が18日、記者団から「解任も選択肢にあるのか」との質問に対し「トランプ大統領とそのチームが引き続きこの問題を検討する」と述べて波紋を広げた。
フランスのロンバール経済・財務相はフランスの日曜紙、ラ・トリビューン・ディマンシュに掲載されたインタビューで、トランプ大統領の関税措置によってドルの信認が損なわれてきた、と述べるとともにパウエルFRB議長が解任されたら「信認はさらに損なわれ、債券市場に波及するだろう」と指摘した。
<円高誘導の思惑とトリプル安、2つの圧力が同時にかかるドル/円>
このようにトランプ大統領がパウエル議長に怒りを爆発させたことで、グローバルな金融・資本市場では米国売りが再び、活発化する兆候を見せ始めている。
そこに24日の日米財務相会談を前に「円高誘導」の思惑が浮上しており、ドル/円は円高誘導とドル資産のトリプル安という2つの圧力に直面した格好になっている。
<注目度高まる日米財務相会談>
筆者は、短期的にドル/円は140円を割り込んで130円台の取引時間が長期化すると予想する。市場の一部では、、ベッセント財務長官が米国売りを意味するトリプル安現象を危惧し、円高是正の矛を収めるとの見方も出ているようだ。
だが、米政権はトランプ1.0がスタートした際のドル/円が110円台だったことを踏まえると、140円割れでも円高とは認識しないと予想する。
ベッセント米財務長官が加藤勝信財務相に対し、どのような交渉スタンスで臨み、具体的にどのような要望を提示するのか、市場の関心がこれまでになく高まってきた。
週明け21日の東京市場で、ドル/円が140円台までドル安・円高方向にシフトした。24日とみられるワシントンでの日米財務相会談で「円高誘導」が議論されるとの思惑が影響した可能性があるが、21日のアジア市場の取引時間帯に米株主要3指数の先物と米国債の長期ゾーンが売られ、ドル資産のトリプル安現象が復活した。トランプ米大統領がパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の解任を検討していると伝えられ、「米国売り」の動きを刺激した面も色濃くある。
全般的なドル売りの圧力と米国の求める「円高誘導」が重なれば、ドル/円が140円を割り込んで130円台で推移する時間帯が長期化する展開も予想され、24日と予想されている日米財務相会談への注目度が一段と高まってきた。
<通貨先物で増える円買い、強まる投機筋の円高圧力>
21日の取引でドル/円は一時、140.62円付近までドル安・円高が進んだ。これは2024年9月以来、7カ月ぶりのドル安・円高水準。市場では日米財務相会談で「円高誘導」が主要なテーマになるとの見方が広がり、投機筋のドル売り・円買いの勢いが維持されている。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CМE)の「IММ通貨先物」の円買いポジションは、4月1日時点の12万1774枚から4月15日時点で17万1855枚と過去最高水準を更新。ドル/円の水準もこの2週間で149.61円から143.25円へと6円強の円高水準にシフト。足元では月初から9円強の円高水準となっている。
<急激な円高、日本の個人投資家に打撃 米株買い停止も>
複数の市場関係者によると、この急速な円高進行に困惑しているのが外国株投資を進めてきた新NISA(少額投資非課税制度)の利用者などを含む個人投資家だ。
米国株が今年に入って高値から20%の下落を記録しているところに、足元での急激な円高進行で含み損が急速に拡大している個人投資家が急増。その一部は今週のどこかの時点で取引の一時停止や手仕舞いをする可能性が高く、これも円高を促す要因として注目されているという。
<21日にトリプル安進行、米国売りの連想も>
ドル安・円高の進行は、日本の個人投資家や輸出系企業にとって大きな損失を生む要因と映るが、グローバルなマネーフローの観点から見ると、相互関税の上乗せ税率実施の90日間停止の発表後に沈静化してきたドル建て資産のトリプル安が再び、顕在化する動きを見せている。
21日のアジア市場の取引時間帯にダウ先物など主要3指数の先物が下落し、米国債も30年債利回りが4.87%に上昇。10年債利回りも一時、4.363%に水準を切り上げ、長期ゾーンや超長期ゾーンは軟調になっている。ドル指数もいったん97台まで急落し、米国売りを連想させるとの声も市場で広がった。
<市場を刺激したパウエル議長解任巡る発言、ハッセト氏が「火に油」>
21日のトリプル安に大きな影響を与えたのは、トランプ大統領と側近によるパウエル議長の解任をめぐる発言だ。トランプ大統領は17日、記者団に対し「彼が任務を果たしているとは思わない。私が彼に去ってほしいと望めば、すぐに去ることになるだろう」と発言。さらに米国家経済会議(NEC)のハセット委員長が18日、記者団から「解任も選択肢にあるのか」との質問に対し「トランプ大統領とそのチームが引き続きこの問題を検討する」と述べて波紋を広げた。
フランスのロンバール経済・財務相はフランスの日曜紙、ラ・トリビューン・ディマンシュに掲載されたインタビューで、トランプ大統領の関税措置によってドルの信認が損なわれてきた、と述べるとともにパウエルFRB議長が解任されたら「信認はさらに損なわれ、債券市場に波及するだろう」と指摘した。
<円高誘導の思惑とトリプル安、2つの圧力が同時にかかるドル/円>
このようにトランプ大統領がパウエル議長に怒りを爆発させたことで、グローバルな金融・資本市場では米国売りが再び、活発化する兆候を見せ始めている。
そこに24日の日米財務相会談を前に「円高誘導」の思惑が浮上しており、ドル/円は円高誘導とドル資産のトリプル安という2つの圧力に直面した格好になっている。
<注目度高まる日米財務相会談>
筆者は、短期的にドル/円は140円を割り込んで130円台の取引時間が長期化すると予想する。市場の一部では、、ベッセント財務長官が米国売りを意味するトリプル安現象を危惧し、円高是正の矛を収めるとの見方も出ているようだ。
だが、米政権はトランプ1.0がスタートした際のドル/円が110円台だったことを踏まえると、140円割れでも円高とは認識しないと予想する。
ベッセント米財務長官が加藤勝信財務相に対し、どのような交渉スタンスで臨み、具体的にどのような要望を提示するのか、市場の関心がこれまでになく高まってきた。
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