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  <title>一歩先の経済展望</title>
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  <dc:creator>ipposaki</dc:creator>
  <dc:date>2025-06-13T16:23:58+09:00</dc:date>
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  <copyright>&#9400;NTT DOCOMO, INC. All Rights Reserved.</copyright>
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   <title>一歩先の経済展望</title>
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   <description>国内と世界の経済動向の一歩先を展望します</description>
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  <description>国内と世界の経済動向の一歩先を展望します</description>
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  <item>
   <title>イスラエルの先制攻撃、米の出方次第で戦闘激化も　脆弱な日本経済と円の実態</title>
   <link>https://blog.goo.ne.jp/ipposaki/e/be7ca1371f65495ee75d701f77620af0?fm=rss</link>
   <description>
<![CDATA[
<p>　イスラエル軍が１３日、イラン各地にある核関連施設など数十の軍事目標を攻撃したと発表した。これに対し、イランの最高指導者・ハメネイ師が報復を示唆する声明を出し、中東情勢は一気に緊張度合いが増した。マーケットは当初、「リスクオフ」とみなして株売り・債券買いやドル売りで対応したものの、米国の対応次第で世界的な戦争に発展しかねないリスクを意識し、株売りは継続しているものの米国債買いは止まり、ドル指数は戻り基調になっている。</p>
<p>　米国とイランの１５日の核協議を前にしたイスラエルの先制攻撃は、トランプ米大統領の政治力に打撃を与えたとの見方もあり、今後の中東情勢次第ではドル売り・米国債売り・米株売りのドル建て資産のトリプル安になるリスクもありそうだ。原油輸入の９０％超を中東に依存している日本にとって、中東での戦闘激化は原油輸入の途絶リスクと背中合わせであり、日本株と円は戦闘の大規模化（エスカレーション）に対して極めて脆弱なポジションに立たされている。</p>
<p> </p>
<p>　＜イラン総司令官が死亡、ハメネイ師は報復示唆＞</p>
<p>　イスラエルのネタニヤフ首相は１３日に「イランの核濃縮プログラムの核心を攻撃した」と明らかにした。ロイターによると、イスラエルは今回の攻撃作戦を「ライジング・ライオン（立ち上がるライオン）」と名付け、イラン司令官やミサイル工場も標的にしていると指摘。</p>
<p>　イランの軍事精鋭部隊の革命防衛隊は、トップのサラミ総司令官がイスラエルの攻撃で殺害されたと発表した。</p>
<p>　また、イスラエルによると、１３日にイランから１００機以上の無人機がイスラエル側に向けて発射されたという。</p>
<p>　ロイターによると、イランのハメネイ師が声明を出して「今回の攻撃でイスラエルはみずからの苦い運命を招き、必ず報いを受けるだろう」と表明し、報復を示唆したという。</p>
<p> </p>
<p>　＜イランの反撃、核施設の被害程度によって硬軟両様も＞</p>
<p>　中東情勢が一気に緊張度を増し、イスラエルとイランの２カ国以外の中東の国々や米国など主要国の出方次第で世界規模の戦争に発展するリスクが高まったことは間違いない。</p>
<p>　ただ、イスラエルの今回の攻撃で、イランの核施設がどのような被害を受けたのか、今のところ詳しい状況は明らかになっていない。ネタニヤフ首相はイラン中部のイスファハン州にあるナタンズの主要なウラン濃縮施設と主要な核科学者を標的とし「イランの弾道ミサイルプログラムの核心を攻撃した」と表明したが、イスラエルから見た「戦果」、つまりイランの核施設がウラン濃縮を不可能にするほど被害を受けたのかという点がはっきりしない。</p>
<p>　もし、イランが早期の回復が難しいほどにウラン濃縮施設を破壊されていた場合、イスラエルへの報復の対象は同国の核施設などになり、イスラエルによるイランへの激しい再攻撃へと発展する可能性がある。</p>
<p>　その一方、イランの受けた被害が軽微であれば、対イスラエルの報復攻撃は上記で指摘したほどには激しくなく、今回のイスラエルの先制攻撃がイランとの二国間における限定的な戦闘に終始することもありえるだろう。</p>
<p> </p>
<p>　＜注目される米国の対応、予想される３つの選択肢　イスラエルと共同で軍事作戦参加なら戦闘激化へ＞</p>
<p>　その意味で、米国の出方が今後の戦闘を拡大させるのかどうかの大きなカギを握っていると言っていいだろう。</p>
<p>　ルビオ米国務長官は１３日、イスラエルによる対イラン攻撃について事前に連絡を受けていたと声明で表明しつつ「われわれはイランへの攻撃に関与しておらず、最優先事項はこの地域の米軍を守ることだ」と指摘した。だが、イスラエルが報復攻撃を受けた場合、米国が支援するかどうかには言及しなかった。</p>
<p>　今後、大きく分けて米国には３つの選択肢があるとみられる。１つ目はイランとの核協議を再開させる努力を取りつつ、イスラエルのイラン攻撃とは一線を画して軍事的な中立を守るというシナリオだ。２つ目は中東に展開する米軍に対するイランやその他勢力の攻撃があった場合、反撃するという選択肢。３つ目はイスラエルと共同で米軍が対イランの軍事作戦に参加し、イランの核施設やその他の軍事施設に攻撃を加えるという展開だ。</p>
<p>　３つ目の選択は、中東全域で戦闘が活発化する危険性を誘発し、ロシアなど他の大国の新たな介入を招くリスクも高め、世界規模で戦闘が展開されるという深刻な懸念が付きまとう。</p>
<p> </p>
<p>　＜戦闘激化シナリオなら世界的株安に、ドル建て資産トリプル安の展開も＞</p>
<p>　３つ目のシナリオが現実化した場合、マーケットは大きく動揺し、世界規模で株価は大幅に下落することになるだろう。しかし、単純に債券が買われることもないのではないか。戦闘の激化は戦費の増大を招き、米国は赤字国債の増発を余儀なくされ、米長期金利は上昇基調に入る可能性もある。</p>
<p>　そのケースではドルも売られ、ドル建て資産のトリプル安に直面する危険性が高まると予想する。</p>
<p> </p>
<p>　＜展開を読みかねるマーケット＞</p>
<p>　１３日のアジアタイムでの取引で、株価の下落ははっきりしたものの、米国債利回りやドルの方向性が株価下落に象徴されるほどにはっきりしなかったのは、単純なリスクオフ相場とは根本的に異なる市場変動への懸念を多くの市場参加者が察知したからではないか。</p>
<p>　その意味で、トランプ大統領が中東で軍事介入に踏み切るのかどうか、そこがマーケットの方向性を決めると言っていいだろう。</p>
<p> </p>
<p>　＜原油の中東依存が９０％台の日本、戦闘激化なら日本経済と円に大きな打撃＞</p>
<p>　日本にとって中東の軍事的な緊張の高まりと戦火の拡大は、非常に厄介な問題を提起する。それは日本の原油輸入における中東依存度が９０％を超えるという非常に危険な状況になっているからだ。</p>
<p>　第１次石油危機のあった１９７３年度における日本の原油の中東依存度は７７．５％だった。８５年度には６８．８％に低下したもののその後は上昇基調をたどり、２０２０年度は９２．０％と９０％台を突破。２３年度は９４．７％となっている。</p>
<p>　もし、中東における戦闘範囲が拡大した場合、原油の安全な積み出しやタンカーの航行に支障を来す事態に直面する。官民の備蓄が２３９日分あるとはいえ、先行きに深刻な懸念を生じかねないことになる。</p>
<p>　また、そうした状況の下では、原油価格が大幅に上昇して日本企業のコストを押し上げ、収益の悪化を招くことにもなる。</p>
<p>　市場の一部で、リスクオフだから円高という見方に異論が出ているのも、この先の原油調達のリスクや価格上昇の懸念を勘案すれば、当然の判断と言えるだろう。</p>
<p> </p>
<p>　＜原油上昇、米利下げシナリオに冷水　米株に下押し圧力＞</p>
<p>　米国が仮に中東での軍事介入を思いとどまったとしても、リスク資産にマネーを配分した参加者には頭の痛い問題がある。それは原油価格の上昇によって沈静化してきた米国の物価に再び上昇圧力が加わり、米連邦準備理事会（ＦＲＢ）の利下げに大きなハードルとなって立ちふさがる可能性があるということだ。</p>
<p>　足元では、消費者物価指数（ＣＰＩ）や生産者物価指数（ＰＰＩ）の上昇率鈍化によって市場の利下げ観測が高まり、年内に２回の利下げを織り込むようになっていた。</p>
<p>　しかし、原油価格の上昇による米国内でのガソリン価格の値上げラッシュに結びつけば、そうした利下げ期待は雲散霧消し、それが株価下落要因として作用することになる。</p>
<p> </p>
<p>　＜イスラエルの攻撃で傷ついた米国の威信、ドル離れ加速の兆しになる可能性＞</p>
<p>　イスラエルの対イラン先制攻撃は、リスク資産を多く持っている市場参加者にとっては「迷惑」な行為と映ったに違いない。</p>
<p>　だが、ことはそれにとどまらず、ネタニヤフ首相がトランプ大統領の意向を無視するかのように振舞い続けた場合、中東における米国の威信に傷が付き、それが中長期的なドル離れの加速に発展する可能性があることも十分に視野に入れておくべきである、と指摘したい。</p>
]]></description>
   <category>経済</category>
   <dc:date>2025-06-13T14:43:50+09:00</dc:date>
   <guid isPermaLink="true">https://blog.goo.ne.jp/ipposaki/e/be7ca1371f65495ee75d701f77620af0</guid>
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  </item>
  <item>
   <title>今国会の衆院解散回避か、コメの争点化狙う石破・小泉コンビに遠大な改革プランも</title>
   <link>https://blog.goo.ne.jp/ipposaki/e/3f06075d73de8e125b840abbea6e8afd?fm=rss</link>
   <description>
<![CDATA[
<p>　６月２２日の通常国会会期末が迫る中、野党第一党の立憲民主党が内閣不信任案を提出するかどうかに政界関係者の注目が集まっているが、複数の国内メディアは同党の野田佳彦代表が不信任案不提出の方針を固めたと伝えた。また、朝日新聞は１２日付朝刊で石破茂首相が内閣不信任案が提出されない前提で、今国会中に衆院解散しない方針を固めたと報道した。</p>
<p>　野党７党はガソリン税の暫定税率を７月１日に廃止する法案を１１日に衆院に提出。暫定税率の早期廃止に難色を示す自民・公明の連立与党を揺さぶり、参院選の争点にする戦術を採用した。これは内閣不信任案の「代替」とも映るが、政府・与党は備蓄米の安値供給で国民の関心を引き付けており、コメ対ガソリンの物価対策をめぐる与野党の攻防は、今のところ与党が押し気味に展開しているのではないか。</p>
<p> </p>
<p>　＜不信任案出ないなら、衆院解散は見送りへ＞</p>
<p>　１２日付の朝日の記事では「立憲の野田代表が不信任案を提出しない方向で検討。石破首相はこれを受け、解散見送りを決断した」と報道した。このような展開になれば、７月２０日の可能性が高まっている参院選は衆参同日選ではなく、単独での選挙になる。</p>
<p>　野田代表は週明けには内閣不信任案を提出するかどうか決断するとしか発言していないが、日米関税交渉が進行中であり、政治空白を作ることは望ましくない、という大義名分を立てて不信任案の提出見送りを決める公算が大きいと予想する。</p>
<p>　その背景には、１）小泉進次郎農相の就任後、スピーディーに安い政府備蓄米が店頭に並び、国民の幅広い支持を得ている、２）低迷していた石破内閣の支持率が反転する調査結果が出てきた、３）立憲民主党の支持率はあまり伸びていない、４）立憲はじめ野党の衆院選準備は大幅に立ち遅れており、早期の衆院解散は立憲民主党など野党の敗北に終わる危険性がある──との政治情勢に対する認識があったからではないか、と分析する。</p>
<p>　国内報道機関の複数の報道では、石破首相が内閣不信任案の提出があれば、採決前に衆院解散する方針を固めているとされ、野党内に選挙準備の遅れを懸念する声が急速に広がったとの観測が出ている。石破首相の強気の姿勢が、野党の機先を制した格好になったと筆者は考える。</p>
<p> </p>
<p>　＜ガソリン暫定税率の廃止法案、野党７党は参院選前に与党けん制＞</p>
<p>　一方、立憲や日本維新の会、国民民主党など野党７党は１１日、ガソリン税の暫定税率を７月１日に廃止する法案を衆院に共同で提出した。衆院における７党の議席は２２８議席と過半数の２３３議席に迫っており、衆院で可決される可能性がある。</p>
<p>　参院では自民・公明の与党が過半数を維持しており、仮に衆院で可決されても参院では否決され廃案になる公算が大きい。</p>
<p>　野党側は参院選を前に「ガソリン税の引き下げに反対する自民、公明両党の姿勢を浮き彫りにする」という狙いがあり、最大の争点に仕立て上げるという狙いがありそうだ。</p>
<p> </p>
<p>　＜主食用輸入米の入札、６月２７日に前倒し　コメ市場参加者に「畏怖」与える効果＞</p>
<p>　だが、小泉農相がリーダーシップを取って実施している備蓄米の随意契約による安値販売が国民の注目を集め、テレビのワイドショーは連日のようにコメをテーマにした番組を放送し、単にコメの安値販売のニュースだけでなく、コメの流通構造の複雑さやコメの国内における需給状況、作り手の高齢化による日本の稲作の衰退状況などかつてない量の報道を展開し、コメと日本農業に対する国民の関心が急速に高まっている。</p>
<p>　小泉農相は１２日、主食用として輸入しているコメの入札を例年より前倒しし、今月２７日に実施すると表明した。政府は毎年、ミニマムアクセスという枠内で１０万トンの外国産米を主食用として輸入。いつもは９月に実施しいていた入札を大幅に前倒しして実施し、５キロで５０００円台の価格にもなっていた銘柄米の値段を下げるための「冷やし玉」として早期投入することを決めた。</p>
<p>　６月５日の当欄で指摘したように、小泉農相が迅速に実行している安値の備蓄米の提供は、外為市場における「介入」と同じ行為であり、効果が出るかどうかは当局がマーケットのセンチメントと実需を正確に把握し、市場参加者に「畏怖」を与えることができるかどうかにかかっている。</p>
<p>　コメ市場では、これまで当局の思い切った介入は実施されてこなかったので、コメの専門家と称する方々のコメントを見ると、効果が出るかどうか不明という内容が多い。</p>
<p>　しかし、当局側に無尽蔵の介入資金があれば、立ち向かう市場参加者は恐れおののき、介入は成功する。政府備蓄米が残り１０万トンになったところで、コメ市場の参加者の一部は「勝った」と思ったかもしれない。</p>
<p>　だが、ここで小泉農相が輸入米の投入というカードを切ったことで「新米の出回る直前の７、８月は高値になる」との皮算用は脆くも崩れ去ったのではないか。</p>
<p>　</p>
<p>　＜コメの安値投入、その先にある日本農政の大改革プラン＞</p>
<p>　一部の野党関係者は、小泉農相の一連の対応を「父親譲りの劇場型政治で、いずれ国民から飽きられる」とみているようだが、高をくくっていると痛い目にあう可能性がある。</p>
<p>　高いコメ価格を安価な備蓄米の投入で修正させるのは第１段階であり、第２段階は全国農業協同組合連合会（ＪＡ全農）などの集荷業者のパワーが強いコメの流通構造の改革を打ち出すと予想する。</p>
<p>　さらに第３段階では、事実上の減反政策を転換し、コメの増産方針を打ち出し、輸出拡大へとかじを切る計画が打ち出されるだろう。</p>
<p>　それと並行して、農地の集約化を迅速にできる権限を国や自治体などに与え、農地の大型化と生産性の向上を進める大改革案を表明すると予想する。</p>
<p>　当然、現在の小型経営を前提にした様々な農業ビジネスに携わる関係者から猛烈な反対の声がわき上がるだろうが、石破首相と小泉農相は「日本の農業改革」と「食料安全保障」を組み合わせて、幅広い国民からの支持を集める戦略を展開していくと予想する。</p>
<p> </p>
<p>　＜７月参院選、改選１２５議席のうち５０議席で与党過半数に　薄れる自民の悲壮感＞</p>
<p>　７月の参院選では、東京選挙区の補欠選挙（欠員１）と合わせて１２５議席が争われる。与党の改選議席は自民が５２議席、公明が１４議席の計６６議席。非改選は自民６２議席、公明１３議席の計７５議席で、５０議席を確保すれば、過半数を維持できる。</p>
<p>　当初、与党の非公式な情勢調査では、５０議席の確保が危ぶまれていたが、足元では復調傾向が見えているとの観測がある。</p>
<p>　そこに小泉農相の安いコメの投入効果で与党の支持率が上がっているとの見方が加わり、参院選の情勢は投票日まで１カ月超の期間があるものの「敗北必至」という悲壮感はかなり薄れてきたとみられている。</p>
<p> </p>
<p>　＜次の衆院選、農業の大改革が争点になる可能性＞</p>
<p>　もし、参院選が与党勝利に終わるなら、上記で指摘したコメと日本農政の改革プランは、存続する石破内閣の大きな旗印となり、内閣支持率の上昇が継続している場合、早期の衆院解散になだれ込む「主要政策」になっている可能性がある。</p>
<p>　一方、野党側はあらためて消費税減税の必要性を訴えてくるかもしれない。足元で起きつつあるコメ対ガソリンの争点争いの帰すうは、今年後半の政治展開を大きく変えるパワーを持っていると指摘したい。</p>
]]></description>
   <category>政治</category>
   <dc:date>2025-06-12T15:22:29+09:00</dc:date>
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  </item>
  <item>
   <title>5月輸出価格下落、始まった米自動車関税への対応　巨額の内部留保で持久戦も可能</title>
   <link>https://blog.goo.ne.jp/ipposaki/e/15161cd3d008614b236a04cc0fe4a256?fm=rss</link>
   <description>
<![CDATA[
<p>　日銀が１１日に発表した５月の企業物価指数で、日本企業がトランプ関税への対応として自社の輸出価格を下げている実態が明らかになった。円ベースの輸出価格指数は前年同月比マイナス６．３％と４月の同マイナス４．３％から下落幅が拡大した。</p>
<p>　日本政府は対米関税交渉で有利な結果を見い出すまでは妥結しないという「持久戦」を覚悟しているもようだが、個別の企業は内部留保の活用で日米交渉が長期化しても耐える戦術を採用する構えとみられる。日本企業は全体で名目国内総生産（ＧＤＰ）を超える６３６兆円の利益剰余金を抱えており、しばらくは塹壕に入っても対応可能と筆者は予想する。</p>
<p> </p>
<p>　＜輸出物価の下落、自動車メーカーの対応が影響＞</p>
<p>　５月の企業物価指数によると、契約通貨ベースの輸出物価指数も前年同月比マイナス１．４％と４月の同マイナス０．４％から下落幅が拡大した。</p>
<p>　日本経済新聞によると、日銀は一部の企業が北米の子会社と自動車などの輸送用機器の販売価格を調整したと説明したという。</p>
<p> </p>
<p>　＜4月の対米自動車輸出、数量はプラス１１．８％・額はマイナス４．８％の意味＞</p>
<p>　日本の自動車メーカーがトランプ関税の影響を回避するため、輸出価格を引き下げている実態は４月の貿易統計からも推計できる。４月の対米自動車輸出台数は１２万５８１６台と前年同月比プラス１１．８％だった。</p>
<p>　だが、輸出額は同マイナス４．８％の５１３０億円にとどまっていた。ここから推計できるのは４月の段階で日本の自動車メーカーは１台当たりの輸出価格を円ベースで切り下げ、量の確保に傾注していたのではないか、という動きだ。</p>
<p>　</p>
<p>　＜メキシコ経由の対米自動車輸出、メーカー間で明暗　5月はトヨタがプラス２９．６％＞</p>
<p>　また、メキシコで生産された日本や欧州、米国のメーカーの足元における対米輸出データにも興味深い結果が出ている。</p>
<p>　メキシコ国立統計地理情報院（ＩＮＥＧＩ）が９日に発表した５月のメキシコからの自動車輸出台数は前年同月比マイナス２．９％の３０万１１１２台だったが、メーカーごとに明暗が分かれた。トヨタが同プラス２９．６％、ホンダが同プラス２８．７％、日産が同プラス１４．１％、フォードが同プラス７．１％だったのに対し、マツダが同マイナス６３．１％、フォルクスワーゲンが同マイナス３２．４％、ＧМが同マイナス１８．４％と落ち込んだ。</p>
<p>　米国はメキシコ生産車にも２５％の自動車関税を賦課しているが、米国製部品の使用率を差し引いた割合に関税をかける方式を採用。米国製部品を使用する割合が多いメーカーの自動車ほど、適用される関税率が低くなる仕組みになっている。</p>
<p>　日経の報道によると、メキシコ政府は米国製部品の使用率を勘案すると、メキシコで生産されている自動車への税率は平均１５%程度と推定しているという。</p>
<p>　日系メーカーにおける５月の輸出台数の明暗は、米国製部品の使用率によって生じた可能性が高いとみられている。また、筆者はトヨタやホンダなど財務体質の強固なメーカーは自動車関税の一部を自社で負担する形で販売価格を抑え、数量を確保した可能性が高いのではないかとみている。</p>
<p> </p>
<p>　＜対米関税交渉、日本は持久戦覚悟　636兆円の利益剰余金が支えに＞</p>
<p>　日米関税交渉の行方は不透明だが、６月１０日の当欄で指摘したように、米国は日本が納得するような妥協案を提示しておらず、日本は持久戦覚悟で今後の日米交渉に臨む方針を固めているとみられている。</p>
<p>　２５％の自動車関税は日本企業にとっては大幅な収益の下押し要因となるが、１０日にも指摘したように６３６兆円という巨額の利益剰余金を日本企業は積み上げており、交渉が７月９日の相互関税の凍結期限を超えて長期化したとしても、塹壕戦を長期間耐えうる財務上の余力はある、と日本政府は認識していると考える。</p>
<p>　一方、強気で交渉すれば「必ず折れる」と見ていた米側は、巨額の利益剰余金の存在を軽視していた可能性がある。</p>
<p>　この先のどこかの時点で、トランプ大統領が対日関税交渉の早期合意が米国にとって「得策」と判断すれば、日米交渉がゴールを迎えることになると予想する。</p>
<p>　５月の輸出価格の低下は、日本企業が「持久戦」に入ったことを示すデータではないかと指摘したい。</p>
<p> </p>
<p>　＜日米交渉の長期化、日本株は底堅さ維持・円安圧力も＞</p>
<p>　ただ、マーケットは日米交渉が長期間継続する展開をまだ、織り込んでいないだろう。日本企業の分厚い内部留保によって、大幅な業績下ぶれの可能性はそれほど大きくないと市場が判断すれば、株価は底堅く推移可能性があると予想する。</p>
<p>　一方、ドル／円は日米交渉の長期化によって日銀の利上げ時期が先送りされるとの観測が高まり、円安のバイアスが強まるのではないか。</p>
<p>　しかし、米国の債務上限引き上げやトランプ減税の恒久化を目指した法案をめぐり、米上院での審議が難航し、７月上旬までの可決見通しが怪しくなると、ドル安圧力が強まる展開も予想される。</p>
<p>　マーケットにおける不透明感は、外為市場でより濃くなる可能性が出てきたと言えるだろう。</p>
]]></description>
   <category>経済</category>
   <dc:date>2025-06-11T10:15:52+09:00</dc:date>
   <guid isPermaLink="true">https://blog.goo.ne.jp/ipposaki/e/15161cd3d008614b236a04cc0fe4a256</guid>
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  </item>
  <item>
   <title>米中優先のトランプ政権、日本は対米持久戦に転換か　636兆円の利益剰余金が支え</title>
   <link>https://blog.goo.ne.jp/ipposaki/e/37f21f22fcf40d2e5371fa4cf1a77b83?fm=rss</link>
   <description>
<![CDATA[
<p>　９日にロンドンで始まった米中通商協議は、１０日午前１０時（日本時間午後６時）から再開される。マーケットは米中合意を期待して１０日の日経平均株価は続伸しているものの、継続協議になる可能性も相応にあると筆者は予想する。米側の交渉スタンスをみると、自動車や半導体の製造に欠かせないレアアース（希土類）に対する中国の輸出規制の緩和が最優先事項になっているとみられる。その結果、対日交渉の優先順位は下方に後退し、主要７カ国首脳会議（G７サミット）に合わせた日米首脳会談での基本合意は危ぶまれている。</p>
<p>　石破茂首相と日本政府は、この状況を踏まえて「交渉の長期化もやむなし」という塹壕戦に交渉戦術を切り替えた可能性があると予想する。仮に７月９日の米相互関税の実施延期期限を突破したとしても、日本が容認できる水準まで自動車関税や相互関税の水準を米国が引き下げなければ、塹壕に入ったまま「耐える」方針を採用したと予想する。その背景には、名目国内総生産（ＧＤＰ）を上回る６３６兆円に上る企業の利益剰余金の存在があり、日本企業には持久戦に耐えられる体力があると日本政府は判断しているのではないか。</p>
<p> </p>
<p>　＜レアアースの輸出規制緩和、見合いに米は対中規制を緩める方針＞</p>
<p>　米中通商協議の１日目が終了した後、トランプ米大統領は「中国とは順調にやっている。簡単な相手ではない」と記者団に語った。</p>
<p>　また、ハセット国家経済会議（ＮＥＣ）委員長は、ＣＮＢＣの番組で「ロンドンの協議では握手の後に、米国の輸出規制が緩和され、中国は多くのレアアースを供給する見通しだ」と語った。さらに「極めて高性能なエヌビディアの製品についてはこの限りではない」と述べ、同社製の最先端半導体は規制緩和の対象外とのスタンスを示した。</p>
<p>　こうした発言を勘案すると、中国によるレアアースの輸出規制で生産に影響が出ている自動車や半導体などへの影響を重視し、米国は半導体の輸出規制などを緩和することを中国に提案している可能性が高い。</p>
<p>　ブルームバーグによると、トランプ政権は半導体設計ソフトウエア、ジェットエンジン部品、化学物質などを対象とした一連の規制措置を撤回する用意があるという。</p>
<p>　また、ウォールストリート・ジャーナル（ＷＳＪ）は、トランプ大統領がハイテク製品などの対中輸出規制について、解除に向けた交渉権限をベッセント財務長官ら交渉団に付与したと報道している。</p>
<p> </p>
<p>　＜ＴＡＣＯを見越した中国、米の大幅譲歩を要求か＞</p>
<p>　６月３日の当欄で指摘したように、トランプ大統領はレアアースで決定的な弱みを握った中国に対して大幅な譲歩姿勢を示し、マーケットはそれを見越して半導体関連株などを買い戻し、１０日の日経平均株価も大幅な上昇となっている。つまり、足元におけるリスクオン的な取引は、典型的なＴＡＣＯ「Trump　Always　Chickens　Out（トランプはいつもビビッてやめる）」トレードと言うわけだ。</p>
<p>　だが、巧みな交渉戦術を駆使する中国は、一度握った弱みは決して離さない。エヌビディア製の人工知能（ＡＩ）関連製品に不可欠な最先端半導体の輸出規制の解除を求め、交渉が難航していると予想される。</p>
<p>　もし、ここで米国が譲歩すれば、この先のＡＩを中心とした最先端の経済ヘゲモニー（覇権）をかけた米中の争いは中国優位に傾き、トランプ２．０のチーム内で最優先の課題だった対中優位確立のための政策体系はもろくも瓦解する可能性が高まる。</p>
<p>　したがって１０日の米中通商協議で最終合意に達することはなく、米中協議は長期化すると筆者は予想する。</p>
<p> </p>
<p>　＜対中交渉優先のトランプチーム、対日融和の姿勢見せず＞</p>
<p>　一方、対中協議を優先したトランプ大統領の決断によって、基本合意が遠のいてしまったのが日米交渉だ。</p>
<p>　赤沢亮正・経済再生相が今週中に６回目の閣僚級交渉を行うため、訪米する予定と報道されているが、トランプ大統領が「何かのひらめき」によって、急転直下、日米交渉の妥結を決断しない限り、G７サミットの合間に開催される日米首脳会談で日米関税交渉が基本合意に達する可能性は大幅に低下したと予想する。</p>
<p>　石破首相が９日の参院決算委で、トランプ関税による悪影響が予想される自動車産業などを念頭に「何が何でもサプライチェーン（供給網）を守り抜く」と語ったのも、日本に不利な内容で基本合意する意思がないことを明確に示したと筆者は考える。</p>
<p>　日米間の交渉の実態は堅い情報コントロールによって全く外界に漏れてこないものの、日米通商交渉の実務に詳しい複数の関係者は、２５％の自動車関税の適用を免れて、１０－１５％の低率関税を適用する対米輸出の自動車の台数をめぐって、最終的なつばぜり合いが展開されている可能性があると指摘する。</p>
<p>　例えば、２０２４年の対米自動車輸出の台数である約１３７万台に対し、米国が５０万台に１０％の関税を適用し、それ以外に２５％を適用すると提案していたとすると、日本政府は「ノー」と言わざるを得ないだろう。</p>
<p> </p>
<p>　＜石破首相、不利な合意よりも塹壕戦を選択か＞</p>
<p>　もし、G７サミット開催期間に行われる日米首脳会談で関税での合意ができなかった場合、次の交渉の節目は相互関税の凍結期限である７月９日が注目されることになる。</p>
<p>　ただ、数週間で日米の距離が急速に縮まると考えるのは、楽観的に過ぎるかもしれない。その場合は、日本に対する相互関税の凍結期限を数カ月単位で延長することに米側を誘導し、持久戦に持ち込む戦術が浮上するのではないか。</p>
<p>　米側は、対米自動車輸出に依存する日本経済の「ゆがみ」に着目し、強気に出れば日本は折れるとみて、対中交渉で見せているＴＡＣＯとは対照的に、全く譲歩する姿勢を見せていない。</p>
<p> </p>
<p>　＜米側が見落としている636兆円の利益剰余金、持久戦に耐えられる規模＞</p>
<p>　しかし、米側は見落としているものがある。それは、日本企業が欧米企業と比較して飛び抜けて巨額な利益剰余金を積み上げていることだ。　</p>
<p>　財務省が６月２日に発表した２０２５年１－３月期の法人企業統計によると、調査対象企業の利益剰余金は前年同期比プラス８．４％の６３６兆５３１４億円と過去最高を更新した。同じ期間の日本の名目ＧＤＰである６２５．３兆円を大幅に上回る規模となっている。</p>
<p>　永続的に２５％の自動車関税がかかれば、日本の自動車産業が生き残る道は相当に限られるが、交渉妥結までの期間であれば、関税を企業が負担しても十分に対応が可能であることは明白だ。</p>
<p>　石破首相と日本政府の対米交渉チームは、その点を十分に認識して「塹壕戦」に臨み、米側との妥協点を探る道を取ったと筆者は考える。</p>
<p> </p>
<p>　＜内閣と自民の支持率上昇、日米交渉の長期化なら内閣不信任案の可決可能性も低下へ＞</p>
<p>　ＮＨＫが６月３日から３日間にわたって実施した世論調査によると、石破内閣の支持率は６ポイント上昇して３９％となり、不支持率は６ポイント低下して４２％となった。政党支持率でも自民党が５．２ポイント上昇の３１．６％になったのに対し、主要な野党の支持率は軒並み低下した。</p>
<p>　日米関税交渉の長期化は、７月に予定されている参院選に不利との観測もあったが、交渉中は内閣不信任案を提出する大義が生じないとの声が、野党第１党の立憲民主党内にあり、内閣不信任案の可決によって日米交渉を行う政治的基盤が毀損されるという最悪の展開も回避できそうな状況になってきた。</p>
<p>　石破首相は、日米関税交渉を塹壕戦で戦う環境が整ってきたと判断しているのではないか。</p>
]]></description>
   <category>経済</category>
   <dc:date>2025-06-10T12:58:56+09:00</dc:date>
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  </item>
  <item>
   <title>5月ＣＰＩ・ＰＰＩが映す中国のデフレ、米中通商協議は「消耗戦」に</title>
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   <description>
<![CDATA[
<p>　中国のデフレ現象が長期化の兆しをみせている。中国国家統計局が９日に発表した５月消費者物価指数（ＣＰＩ））は前年同月比０．１％下落となり、４カ月連続でマイナスだった。５月生産者物価指数（ＰＰＩ）も前年同月比３．３％下落で１年１０カ月ぶりの大きな低下幅となった。長引く不動産価格下落の影響で深刻な消費不振に陥っており、典型的な「資産デフレ」に直面しているものの、中国政府は過剰な住宅供給の圧縮という「大ナタ」を振るわずに傷口を広げている。</p>
<p>　９日にロンドンで開催される閣僚レベルでの米中通商協議は、国内消費の低迷とデフレからの脱却を目指すため、中国にとってトランプ関税の見直しによる対米輸出の回復は喫緊の課題とみられるが、対中輸出の拡大を強く求める米国との溝は大きく、レアアースの対米輸出規制の緩和問題も絡んで交渉の行方は不透明なままだ。デフレ問題を抱える中国にとって、米中の通商協議は厳しい「消耗戦」になりそうだ。</p>
<p> </p>
<p>　＜ＢＹＤの値下げが象徴する中国内需の弱さ＞</p>
<p>　中国の５月ＣＰＩの下落幅は４月の同０．１％から横ばいだったが、国内消費の低迷を反映した耐久消費財の価格下落が続き、自動車・バイクは同３．４％下落となった。</p>
<p>　実際、中国ＥＶ最大手の比亜迪（ＢＹＤ）がＥＶ、プラグインハイブリッド車の価格を最大で３４％値下げした。</p>
<p>　５月ＰＰＩの下落幅はＣＰＩを大きく上回り、さらにマイナスは２年８カ月連続となり、物価の上流部門で消費低迷による価格の連続的下落が目立ってきている。</p>
<p> </p>
<p>　＜デフレの震源地は不動産市場の供給過剰、個人の財産は日々劣化＞</p>
<p>　これらの現象の「震源地」が不動産市場における供給過剰による価格下落にあることは間違いない。所有している住宅価格の下落は、個人の財産価値が「日々劣化」していることを意味し、消費を抑制する。</p>
<p>　さらに借入で複数の不動産を所有していた富裕層は、不動産価値の急落で資産を売却しても債務が残るという「過剰債務」問題にも直面し、高額消費が抑制される大きな要因になっている。</p>
<p>　統計局のデータに基づいてロイターが算出した結果によると、４月の新築住宅価格は前年比で４．０％下落となり、下落トレンドは２０２３年５月から継続している。　</p>
<p>　１９９０年代に日本が経験したバブル崩壊後の「資産デフレ」の数倍の規模でデフレ効果が表面化しようとしているのが、今の中国経済の現実だ。</p>
<p> </p>
<p>　＜トランプ関税で行使できない中国の輸出ドライブ政策＞</p>
<p>　内需の不振は外需の振興でこれまで何回も中国は切り抜けてきたが、今回はトランプ関税によって対米輸出の増加を阻まれ、頼みのＥＶ輸出も米国だけでなく欧州でも規制が強化され、輸出ドライブによる景気底上げという「伝家の宝刀」が振るえない事態に直面している。</p>
<p>　日本のメディアの多くは、レアアースの対米輸出規制で米国内の自動車や半導体メーカーが苦境に立ち、米中通商協議は「中国優位」で進んでいるとの見立てが多いが、中国側の内情も上記で指摘した資産デフレの進行による内需不振で「満身創痍」と言っていいだろう。</p>
<p> </p>
<p>　＜ロンドンでの米中協議、レアアース問題解決しても多くの懸案残る＞</p>
<p>　中国としては、レアアースの輸出規制緩和でトランプ関税の大幅な引き下げによる対米輸出の大幅増を期待しているはずだ。</p>
<p>　しかし、米国は米国製品の対中輸出拡大を強く求めており、その実行が担保されないのであれば、トランプ関税を当初の合意にしたがって３０％まで引き下げることに難色を示すことになるだろうと予想する。</p>
<p>　９日の米中協議は、市場の合意期待が高いものの、合意に達するには多くの懸案を解決する必要があり、協議の継続で合意するという結果になる可能性もあると予想する。</p>
<p> </p>
<p>　＜資産デフレで中国の消費者は節約継続、補助金政策は弥縫策＞</p>
<p>　資産デフレに悩む中国にとって、米中通商協議は典型的な「消耗戦」になるのではないか。毛沢東の持久戦論をバックボーンに持つ中国の交渉術は、米国を上回るとの指摘が専門家から出ているものの、国内のデフレ問題に有効打を打てない習近平主席と当局は、時間の経過とともに不動産価格の下落によって痛みを感じる消費者の「節約行動」によって、新たな経済対策の実施に追い込まれるのではないか。</p>
<p>　だが、これまでのような消費を刺激する補助金政策は「弥縫策」に過ぎず、金融緩和も「痛み止め」にはなるものの、不動産価格の下落に歯止めをかけることはできない。</p>
<p>　巨額の財政資金投入という中国の信認にかかわる問題が出てくるものの、過剰不動産を公的資金で整理していくという方針を打ち出さない限り、資産デフレは解決できず、２１世紀版の中国の持久戦は苦戦が続くことになると予想する。</p>
]]></description>
   <category>経済</category>
   <dc:date>2025-06-09T15:18:00+09:00</dc:date>
   <guid isPermaLink="true">https://blog.goo.ne.jp/ipposaki/e/fc963545da975911ee7e55aa80df46e6</guid>
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  </item>
  <item>
   <title>弱い雇用統計なら意識される米利下げ前倒し、週明けに円高・日本株安の展開も</title>
   <link>https://blog.goo.ne.jp/ipposaki/e/83579222cf7a5518eaf9583555fee71d?fm=rss</link>
   <description>
<![CDATA[
<p>　６日の東京市場では米中首脳の電話会談を受けて米中間の緊張が緩和されるのではないか、との期待感から日経平均株価が底堅く推移した。だが、米国では雇用関連の指標が弱めに出ているケースが増え、６日発表の５月米雇用統計で弱いデータが出ることへの警戒感も広がっている。</p>
<p>　もし、非農業部門の雇用者数や失業率が市場予想を下回った場合は、７月の米連邦公開市場委員会（ＦＯＭＣ）での利下げを予想する声が増え、外為市場でドル安・円高が進展する可能性が高まる。週明けの東京市場で円高が進んでいるのかどうかは、米雇用統計の結果が決めることになる。</p>
<p> </p>
<p>　＜５月米雇用統計、予想比で弱い結果なら市場反応大きく出る可能性＞</p>
<p>　５月米雇用統計の市場予想は、非農業部門の雇用者数が前月比プラス１２万６０００人、失業率が４．２％となっている。</p>
<p>　複数の市場筋によると、結果が予想比で強めだったり横ばいだった場合の市場反応は小さいとみられているが、予想比で弱い場合は米連邦準備理事会（ＦＲＢ）の利下げ時期が前倒しされるとの思惑が強まり、外為市場でドル売りが顕在化しやすくなるとの声が広がっている。</p>
<p> </p>
<p>　＜弱かったＡＤＰ雇用報告と新規失業保険申請件数＞</p>
<p>　背景にあるのは、弱い雇用関連の指標が目立ってきているためだ。</p>
<p>　米労働省が５日に発表した５月３１日までの１週間の新規失業保険申請件数（季節調整済み）は、前週比８０００件増の２４万７０００件となり、昨年１０月以来７カ月ぶりの高水準を記録した。</p>
<p>　また、米ＡＤＰリサーチ・インスティテュートが４日に発表した５月の全米雇用報告では、民間雇用者数が３万７０００人増と市場予想の１１万人を大きく下回った。増加幅は２０２３年３月以来の低水準となった。</p>
<p>　雇用関連のマクロ指標の悪化を裏付けるように、米企業の人員カットも表面化してきた。日用品大手の米プロクター・アンド・ギャンブル（Ｐ＆Ｇ）は５日、今後２年間で約７０００人の人員を削減すると発表した。トランプ関税の実施で消費者心理が悪化することに備える動きとみられている。</p>
<p> </p>
<p>　＜失業率が予想の４．２％より悪化なら、７月米利下げ予想を押し上げへ＞</p>
<p>　一部の市場参加者は、こうした雇用関連の悪いデータが散見される現状では、５月米雇用統計の結果が大幅に下振れする可能性が相応にあると予想している。</p>
<p>　例えば、非農業部門の雇用者数が予想のプラス１２万６０００人から、一けたの数万人増にとどまる可能性もあるという声も出ている。</p>
<p>　雇用者数よりもＦＲＢが重視している失業率が、予想の４．２％から悪化して４．３％ないし４．４％になった場合は、ＦＲＢの利下げが前倒しされるとの思惑が急浮上することも予想される。</p>
<p>　現状で６月利下げは４％、７月利下げは３２％の織り込みとなっているが、失業率が４．３－４．４％に悪化した場合は、７月利下げの織り込みが５０％を超えることも予想されるという。</p>
<p> </p>
<p>　＜弱い米雇用統計、円高とリンクへ　日本株の売り要因に＞</p>
<p>　そのケースで最も反応するのは外為市場だろう。ドルは対主要通貨で下落することが予想され、ドル／円も足元の１４３円後半から１４４円前半の水準から１４２円台へとドル安・円高が進行すると思われる。</p>
<p>　円高の進行は日経平均株価の上値を抑えることになり、弱い米雇用統計は結果的に日経平均株価の売り材料として捉えられることになるのではないか。</p>
<p>　</p>
<p>　＜注目される６日の赤沢・ベッセント会談、首脳会談セットなら高まる基本合意への期待＞</p>
<p>　他方、米雇用統計とともに注目されるのは、６日に予定されている赤沢亮正・経済再生相とベッセント米財務長官による日米関税交渉の行方だ。もし、ここで大幅な歩み寄りがみられ、週明けに日米双方から日米首脳会談が６月中旬に開催されると発表されたなら、それは日米間の関税協議が基本合意に達する公算大ということを意味し、日本株の大幅な買い材料となるだろう。そのケースでは、米利下げ観測の高まりによるドル安・円高の日本株抑圧要因よりも、日米関税交渉の決着を見越した日本株買い要因が上回るのではないか。</p>
<p>　週明けの東京市場は、２つの変動要因によってボラタイルな展開になるかもしれない。</p>
]]></description>
   <category>経済</category>
   <dc:date>2025-06-06T15:39:46+09:00</dc:date>
   <guid isPermaLink="true">https://blog.goo.ne.jp/ipposaki/e/83579222cf7a5518eaf9583555fee71d</guid>
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  </item>
  <item>
   <title>石破首相、コメ政策で「改革の旗手」アピールへ　参院選の劣勢挽回へ攻勢</title>
   <link>https://blog.goo.ne.jp/ipposaki/e/cd6621d8ce2f49df9339a2f297c2e668?fm=rss</link>
   <description>
<![CDATA[
<p>　小売価格の高騰が問題になっているコメの安定供給や今後のコメ政策などについて議論する政府の関係閣僚会議（議長：石破茂首相）の初会合が５日、首相官邸で開催された。石破首相は価格高騰の要因を検証して対応策を講じ、中長期的なコメ政策についても検討するよう指示した。</p>
<p>　筆者は、備蓄米の投入による安いコメの供給によって消費者の幅広い支持を取り付け、農業系議員の反対で実行できなかった事実上の「減反政策」からコメの増産へと大きく政策転換し、石破首相が政権発足後、初めて「改革の旗手」になることを狙った政策対応が始まったと分析する。コメ政策の改革を前面に押し立てて参院選での劣勢を一気に挽回する戦略があると指摘したい。</p>
<p> </p>
<p>　＜石破首相、生産者と消費者のウインウインの実現強調＞</p>
<p>　この日の会合で石破首相は「コメの価格が高騰しコメの供給に対する国民の不安が高まっている。消費者に持続的に安心してもらえる価格でコメを提供するとともに、生産性の向上を通じた持続的な農業生産により安定的な供給を実現することが必要だ」と述べた。</p>
<p>　また、「将来にわたって生産者が意欲を持って持続的・安定的にコメを生産し、消費者に手に取りやすい価格で供給できる双方にとってメリットのある安定供給が実現されるように関係閣僚が一体となって取り組んでもらいたい」と中長期的にコメ生産の政策を大胆に転換する姿勢をにじませた。</p>
<p>　</p>
<p>　＜３１万トンの「江藤米」は出回らず、迅速な「小泉米」の流通に支持集まる＞</p>
<p>　江藤拓・前農相の下で今年３－４月に行われた備蓄米を対象にした競争入札では３１万トンが全国農業協同組合連合会（ＪＡ全農）などの集荷業者や卸売り会社に売却されたが、多くは集荷業者などにとどまって消費の購入可能な小売店などは品薄が続いていた。</p>
<p>　小泉進次郎農相に交代し、備蓄米を随意契約でスーパーなどの流通大手に売却したところ、５キロ・２０００円（税抜き価格）前後で５月３１日から販売が始まり、多くの消費者の支持を受けている。</p>
<p>　５日からは大手コンビニの一角でも１キロ・３８９円（税込み）で備蓄米が販売され、中小のコメ小売店でも販売される予定になっている。</p>
<p>　</p>
<p>　＜安い備蓄米投入、為替の市場介入に匹敵する効果＞</p>
<p>　コメの流通に詳しい専門家の一部は、安い備蓄米の投入は高騰するコメ価格には「焼け石に水」と批判していたが、筆者は全く反対の結果になると予想する。今回の安価な備蓄米の投入は、外為市場における通貨当局の「市場介入」に匹敵する威力を発揮すると指摘したい。</p>
<p>　小泉農相の支持による随意契約による安価なコメは、大手向けが２０万トンにのぼり、中小向けの１０万トンと合わせて３０万トンが投入されることになる。</p>
<p>　さらに競争入札で落札されたコメは３０００円台後半の価格で店頭に並んでいることが多く、割高で売れないとの判断から小売店から卸売り会社にキャンセルする動きが表面化。小泉農相はその分を国が買い戻して随意契約で安く小売店に販売する方針も示しており、今後、安価なコメの流通が急速に拡大し、合計で４０万トンを超える可能性も出てくると予想する。</p>
<p>　年間のコメ消費が約７００万トンの現状では１カ月間で約５８万トンが消費されることになるが、その３分の２程度の「市場介入」は大きな価格変動を生み出す可能性が高いと予想する。</p>
<p> </p>
<p>　＜前近代的なコメ流通の旧弊露呈、求められる透明性＞</p>
<p>　もともとコメの流通は、他の食品に比べてトレーサビリティが低く、前近代的な構造が指摘されてきた。今回のコメ不足の状況でもどの段階にコメが滞留しているのか、農水省でも正確なデータを把握できていなかった。</p>
<p>　実際、ドン・キホーテを運営するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングスは小泉農相に提出した意見書の中で、１）ＪＡグループと取引する１次問屋は実質的に特約店のように決めているので新規参入ができない、２）最大５次問屋まで存在する多重構造でそれぞれにマージンが発生する──と指摘していた。</p>
<p> </p>
<p>　＜強い世論の支持、既得権打破へチャンス到来＞</p>
<p>　短期的には備蓄米の活用によってコメ価格高騰を生んだ「市場心理」を冷やし、中長期的には零細農家を保護することで利益を得てきた「既得権益」を享受する勢力の反対を世論の力で抑え、コメの増産に転換することを打ち出すのではないか、と予想する。</p>
<p>　メディアの一部からは、小泉農相の個人的な「思い付き」で進む備蓄米の安価な販売は無計画との批判を浴びているが、石破首相や小泉農相のバックには減反政策に批判的な「農政のプロ」が控えていると筆者はにらんでいる。</p>
<p>　したがって安価な備蓄米の放出は「最初の一歩」であり、備蓄米の放出が続いてストックが僅少となれば、緊急避難的な対応としてミニマムアクセス米として確保している海外産のコメや、場合によっては米カリフォルニア米の緊急輸入なども視野に入っている可能性があると予想する。</p>
<p>　</p>
<p>　＜石破首相の宿願・減反政策の転換へ前進、食料安保の重要なピースに＞</p>
<p>　一方、中長期的には転作奨励金などを出して事実上の「減反政策」で生産量をコントロールしてきた現行政策を転換し、コメの増産に踏み切る可能性が高いと予想する。</p>
<p>　これは石破首相が重視する「食料安全保障」の政策を担う重要なピースになる。価格下落のリスクには農家への個別所得補償でカバーし、合わせて輸出用のコメ生産にも注力する。　</p>
<p>　輸出する際には価格競争力の向上が欠かせないため、水田耕作の大規模化や化学肥料の使用を抑えた残留農薬規制への対応、ＡＩを駆使した農業のＤＸ（デジタルトランス・フォーメーション）化への政府支援も必要になる。</p>
<p>　石破首相はすでに２日の参院予算委で「農家の経営を安定的にするため、どのように補償を行い、農地価格をどうするのか、フードセキュリティ（食料安全）を徹底的に議論していきたい」と述べていた。</p>
<p>　また小泉農相は「水田政策のあり方を２０２７年度以降に大きく転換する」と答弁していた。</p>
<p> </p>
<p>　＜初めて打ち出す石破カラー、小泉人気追い風に参院選の潮目も転換の可能性＞</p>
<p>　コメ価格の高騰で後手に回っていた石破政権だが、農相交代を機に攻めの姿勢に転じたと指摘したい。安いコメ販売は小泉農相のリーダーシップの下で推進され、多くの国民の注目を集めている。いずれ出てくる最新の世論調査では、コメ政策への好感度が上がっている可能性が高い。</p>
<p>　最も重要なのは、石破首相が政権発足後、初めて「石破カラー」を出すことができ、改革の旗手としてのイメージを鮮明に打ち出すことに成功したことだ。</p>
<p>　今後、減反政策の転換には自民党内の農水族だけでなく、野党の農業県選出議員の多くも反対に回ることが予想される。</p>
<p>　その際に現状の農政では、日本の農業が高齢化によって「自然消滅」しかねない現状を指摘し、改革の必要性を訴えれば、足元で劣勢の観測が広がる参院選で形勢が逆転する展開もあり得ると予想する。</p>
<p>　最近になって、石破首相や与党幹部の中から野党が内閣不信任案を提出すれば、採決前に衆院解散に踏み切ると秘かに発言し、それが複数の国内メディアに報道されているのは単なる「ブラフ」ではなく、世論の大きな潮目の変化を敏感に感じ取っているからではないか、と指摘したい。</p>
]]></description>
   <category>経済</category>
   <dc:date>2025-06-05T17:22:57+09:00</dc:date>
   <guid isPermaLink="true">https://blog.goo.ne.jp/ipposaki/e/cd6621d8ce2f49df9339a2f297c2e668</guid>
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  </item>
  <item>
   <title>日米首脳会談で関税交渉早期合意なら、日銀の金融政策判断に影響　不確実性の低下で</title>
   <link>https://blog.goo.ne.jp/ipposaki/e/15a68a25056258dd93d0ef6f304c1954?fm=rss</link>
   <description>
<![CDATA[
<p>　日銀の植田和男総裁が３日の講演で示した日銀の金融政策スタンスは、米国の関税政策の行方次第で緩和継続の長期化と利上げ検討への回帰の両方を可能にする構成になっていた。筆者は、日米関税交渉が６月中旬の首脳会談で基本合意に達した場合、不確実性の大幅な低下を背景に利上げの本格的な検討が市場の想定よりも早く始まると予想する。その意味で日米首脳会談がいつ、どこで開催されるのかというニュースの重要性が一段と高まりそうだ。</p>
<p> </p>
<p>　＜３日の日銀総裁講演で示したトランプ関税が日本経済に与える打撃、４つの経路＞</p>
<p>　内外情勢調査会における講演で、植田総裁はいわゆるトランプ関税の実施を中心とした通商政策が経済と物価情勢にどのような影響を与えるのか、かなり詳細に説明した。</p>
<p>　まず、通商政策が日本経済に与える影響について、４つの経路があると指摘。１つ目は関税賦課で日本製品の米市場における価格競争力に低下が起き、それが企業の収益を圧迫し、先々の設備投資や賃上げにもマイナスの影響が出る可能性があるとした。</p>
<p>　２つ目は不確実性の高まりによる企業の設備投資の抑制や、個人の耐久消費財などへの支出手控えなどを挙げ、需要の減少が予想されると問題点を提起した。</p>
<p>　３つ目は世界経済の減速による各国の輸出や生産への打撃を指摘し、４つ目は株価下落に代表される金融・為替市場の変動による影響を挙げた。</p>
<p>　その上で、１）世界的なサプライチェーンへの影響、２）企業の賃金・価格設定行動を下押しするリスク、３）グローバル化の動向──の３点が特に特に留意すべきポイントとした。</p>
<p> </p>
<p>　＜トランプ関税で両にらみの日銀＞</p>
<p>　先行きの金融政策運営に関し、現在のところ「わが国経済は関税政策による下押し圧力を受けつつも持ちこたえ、賃金と物価が相互に参照しながら緩やかに上昇していくメカニズムも途切れることはない」との見解を表明。</p>
<p>　日銀が重視している基調的な物価上昇率に関しても「いったん伸び悩む局面はあるものの、２％に向けて徐々に高まっていくという大きな方向感は、これまでの見通しと変わりない」とした。</p>
<p>　併せて「こうした中心的な見通しに対するリスクとして、各国の通商政策の今後の展開を巡る不確実性は極めて高く、その金融・為替市場やわが国経済・物価への影響については、十分注視していく必要がある」との見方も示した。</p>
<p>　その上で「わが国の基調的な物価上昇率が２％に向けて高まっていくという姿が実現していくとすれば、経済・物価情勢の改善に応じて、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくことになる」としつつ「各国の通商政策の今後の展開やその影響を巡る不確実性がきわめて高い状況にあることを踏まえ、そうした見通しが実現していくかについては、内外の経済・物価情勢や金融市場の動向等を丁寧に確認し、予断を持たずに判断していく」との見解も付記した。</p>
<p>　つまりトランプ関税の影響が把握できる段階になれば、それが日銀の見通しを大幅に下方修正させることにならないと判断できれば、利上げ検討に着手できるとのルートを示しつつ、大幅な下押し圧力がかかると判断した場合は、現状の大幅な金融緩和措置を維持していく、という上下双方向への構えを取っているということを改めて示した、ということだろう。</p>
<p> </p>
<p>　＜早期の日米首脳会談で合意なら、日銀が懸念する不確実性は大幅に低下へ＞</p>
<p>　ここで注目するべきは、やはり日米関税交渉の行方だと指摘したい。もし、一部で報道されたようにトランプ米大統領の誕生日である６月１４日に合わせて日米首脳会談が設定され、日米間で基本合意に達した場合、日銀が指摘している通商交渉をめぐる不確実性は大幅に低下する可能性があるからだ。</p>
<p>　日本側は最も重視している２５％の自動車関税引き下げなしに交渉を妥結する意思がないのは明らかだ。したがって６月中旬に日米首脳会談が設定され、基本合意に達した場合、日本の最大の輸出産業である自動車産業への打撃が大幅に緩和され、植田総裁が講演で指摘した通商政策をめぐる不確実性のかなりの部分が払しょくされることになると筆者は予想する。</p>
<p>　また、１５－１７日にカナダで開催される主要７カ国首脳会議（G７サミット）や２４－２５日にオランダで開催される北大西洋条約機構（ＮＡＴＯ）首脳会議に合わせた日米首脳会談で基本合意に達しても、同様のことが言える。</p>
<p>　３日の植田総裁の講演は、これまでの日銀の政策スタンスに関し、通商政策を絡めて整理し直しただけで「新味がない」との声が市場関係者の中で出ているようだが、現実に進行している日米関税交渉が市場の想定を超えて早期に妥結した場合、講演の裏側にある「含意」が浮き上がることになるのではないか。</p>
<p>　日米関税交渉の行方は、日銀の金融政策スタンスにも大きな影響を与えることになるとあらためて指摘したい。</p>
]]></description>
   <category>経済</category>
   <dc:date>2025-06-04T14:28:55+09:00</dc:date>
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  </item>
  <item>
   <title>ビビるトランプ大統領を見透かしたＴＡＣＯトレード、日本株のサポート要因に</title>
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   <description>
<![CDATA[
<p>　トランプ米大統領の関税をめぐる政策決定が「右往左往」する中で、マーケットではＴＡＣＯ「Trump　Always　Chickens　Out（トランプはいつもビビッてやめる）」という造語が注目を集め、実際に相場の流れに影響を与え出した。２日のＮＹ市場から３日の東京市場にかけての米株や日本株の買い戻しの背景にあるのは米中首脳による電話会談への期待だが、その背景にあるのはトランプ大統領が対中政策で再び妥協するのではないか、との思惑だ。　</p>
<p>　米市場の流れに大きな影響を受けやすい東京市場にとって、このＴＡＣＯトレードにおける株買い戻しの動きは日本株をサポートする要因になっている。また、トランプ大統領が強気の姿勢を示しても「どうせ腰砕けになる」との思惑が広がりやすくなったことで、市場の価格変動率（ボラティリティ）を低下させる要因にもなっている。</p>
<p> </p>
<p>　＜米中首脳会談に期待する市場、典型的なＴＡＣＯトレードに＞</p>
<p>　ＴＡＣＯの造語を生み出したのは、フィナンシャル・タイムズのコラムニスト、ロバート・アームストロング氏とされる。トランプ関税の発表後にドル建て資産のトリプル安に見舞われ、政策を修正する「朝令暮改」を揶揄（やゆ）した造語の登場に、米欧市場で急速に注目度が高まった。</p>
<p>　実際、トランプ大統領は対中関税を１４５％に引き上げた後、一気に３０％に引き下げたものの、５月３０日には「中国は合意を完全に破った」とＳＮＳで主張し、米中間の緊張が急速に高まった。</p>
<p>　ところが、レビット米大統領報道官は２日に米中両首脳が今週会談するだろうと発言し、２日のＮＹ市場で米株の主要３指数はそろって小幅上昇した。</p>
<p>　複数の市場関係者によると、トランプ大統領が対中政策で何らかの合意点を見い出し、米中貿易がソフトランディングするのではないかとの期待感が米株のサポート要因になったという。</p>
<p> </p>
<p>　＜日米交渉進展の裏にトランプ氏の焦りも、米国が欲しい関税の成果＞</p>
<p>　３日の東京市場では、米株の買い戻しの背景にある米中の緊張緩和のムードを意識し、日本株も下値が支えられる展開になったとの見方が多かった。</p>
<p>　言い換えれば、３日の日本株取引ではＴＡＣＯトレードの恩恵が底堅い相場展開につながった格好だ。</p>
<p>　２日の当欄でも指摘したように、交渉が難航し長期化の観測も出ていた日米関税交渉が６月中旬の日米首脳会談で基本合意する可能性も出てきたが、その背景にはＴＡＣＯトレードで市場が見抜いている「トランプ氏の焦り」もあると筆者は指摘したい。</p>
<p>　相互関税や自動車、鉄鋼・アルミ関税などを柱としたトランプ関税の全容が明らかになった４月上旬以降、米国から見て貿易黒字国である英国との間で関税交渉が合意に達しただけで、トランプ大統領は２カ月が経過しようとしている中で、大きな成果を得られていない。</p>
<p>　このままでは、低支持率からの反転攻勢をかける材料に事欠き、トランプ２．０の推進力が大幅に減速しかねない。そこで、対日交渉では自動車関税で譲歩しても、米国が日本から大幅な譲歩を引き出したと演出できる多方面の成果を並べ、トランプ関税が米国を再生させるとアピールしたい思惑があるのではないか。　</p>
<p>　ＴＡＣＯトレードは、トランプ大統領の思惑通りに展開しない各国との関税交渉が生み出した「奇怪な現象」と言えそうだ。</p>
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   <category>経済</category>
   <dc:date>2025-06-03T14:31:31+09:00</dc:date>
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  <item>
   <title>Ｇ７サミット前に日米首脳会談なら、自動車関税で合意の公算　株価上昇への号砲に</title>
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   <description>
<![CDATA[
<p>　トランプ関税をめぐる米中の緊張激化を受けて、２日の日経平均株価は１．３％安となったが、日米関税交渉は米中の非難応酬をしり目に進展がみられているもようで、１日付読売新聞朝刊は主要７カ国首脳会議（Ｇ７サミット）前の日米首脳会談を石破茂首相が検討していると伝えている。</p>
<p>　もし、日米首脳会談で関税協議が「基本合意」に達すれば、それは日本側から見れば、懸案の自動車関税で米側が課している２５％の税率引き下げに米側が応じたことを意味するだろう。３万７０００円台に下落した日経平均株価は３万８０００円台を回復し、さらに上値を試すということになるのではないか。サミット直前の日米首脳会談の設定が決まれば、それは日本株にとっては株価上昇への「号砲」になる。</p>
<p> </p>
<p>　＜６月１４日のトランプ氏誕生日に日米首脳会談開催のアイデアも＞</p>
<p>　読売の記事では、サミット直前の日米首脳会談の検討に入ったのは、５月３０日にワシントンで開催された４回目の日米閣僚級協議で、合意に向けた手応えが得られたためと説明。カナダで開催されるＧ７サミットに合わせた日米首脳会談の開催案もあるが、米国開催の方が協議に集中しやすいと指摘している。</p>
<p>　また、その記事の中では６月１４日がトランプ米大統領の誕生日であり「合意を誕生日に合わせて発表できれば、象徴的なものになる」という日本政府内の声も紹介している。</p>
<p> </p>
<p>　＜合意に不可欠な自動車関税での歩み寄り、１０％の低率関税適用台数が焦点になる可能性も＞</p>
<p>　初期の日米関税交渉では、米側が２５％の自動車関税と鉄鋼・アルミ関税は協議の対象外との立場を維持し、日米間の立場は大きく食い違っていた。</p>
<p>　だが、ここにきて日本側が協議に「手応え」を感じているというのは、日本側が最も重視している自動車関税をめぐって、米側が税率の引き下げで何らかの意思表示をした可能性がある、と筆者は予想する。２５％の自動車関税を維持したまま、仮に相互関税の２４％を半分の１２％に引き下げると提案されても、日本側は受諾できないだろう。</p>
<p>　協議進展への手応えというのは、自動車関税の税率引き下げを抜きには考えられない。ただ、当欄ですでに何回か指摘している通り、その場合でも１０％の低率関税を適用する自動車の輸出台数を現行規模（２０２４年は１３７万６２７９台）から削減するという提案になる可能性が高いと予想する。</p>
<p>　それでも、対米輸出全体に２５％の関税をかけられるよりは大幅に打撃が緩和される、と判断できる輸出台数を確保できるのかどうか。そこが日米交渉の大きなポイントになると予測する。</p>
<p> </p>
<p>　＜関税めぐる米中の緊張、日米合意ならかき消す可能性＞</p>
<p>　いずれにしても、日米首脳会談が６月中旬に設定された、というニュースがマーケットに伝われば、それは対日自動車輸出を対象にした自動車関税の引き下げを意味し、日本株の上昇要因になるだろう。</p>
<p>　米中間では、トランプ米大統領が５月３０日に、中国が米国との「合意を完全に破っている」とＳＮＳに投稿。中国商務省が６月２日、合意内容を履行していると反発して緊張が高まり、世界的な株価押し下げ材料として意識された。</p>
<p>　また、ブルームバーグは米政権が中国のハイテク部門に対する規制を拡大する計画だと報道し、日本の半導体関連株の下げ要因にもなった。</p>
<p>　だが、自動車関税を含めた日米関税交渉が基本合意に達すれば、日本の自動車メーカーが米市場で相対的に優位に立ち、日本株にとっては久々の朗報になると予想する。</p>
<p> </p>
<p>　＜日米関税交渉合意なら、日銀の政策判断も大きな影響＞</p>
<p>　そのケースでは、トランプ関税をめぐる日本株への下押し圧力が大幅に緩和され、成長鈍化を危惧された日本経済は拡大基調へ回帰し、企業経営者のセンチメントも好転するだろう。</p>
<p>　トランプ関税の及ぼす様々なマイナス要因を意識して「不確実性が高まる」としてきた日銀の情勢判断も大幅に修正される可能性がある。それは、利上げ検討の「一時停止」が解除されることを意味するだろう。</p>
<p>　６月のＧ７サミット前に日米首脳会談が開催されるのかどうか、それは単なる外交セレモニーを超えた大きなインパクトを各方面に当たるだろう。</p>
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   <category>経済</category>
   <dc:date>2025-06-02T13:49:48+09:00</dc:date>
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