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パンと雑貨のちいさなIPPO 

愛媛県砥部町で、夫婦で手作りの小さなパン屋をしています。

昔の思い出

2013年02月15日 | 日々のできごと

  今日、2月15日。

  15年前のこの日、私はYとパリにいた。

  2月9日から3月15日まで、

  小さなレジデンスで、生活した。

  Yと言うのは、当時働いていた画材屋で

  意気投合した、私の姉のような存在の人で、

  パリに行く計画を練りながら、

  二人で必死に働いた。

  社長に無理を言って、2人同時に退社した。

  毎朝コーヒーを飲みに来ていたお客さんの

Tさんが、お餞別に1万円を握らせてくれた。

Tさんと言えば、私に忘れられない一言をくれた人。

「あなたの名前は、とてもいいなまえだから、大事にしなさい」

と言ってくれたのだ。もう15年も前のこと。名前、というと思い出す記憶。

礼、と書いて、「あや」と読む私の名前。

引っ込み思案だった私が、クラス替えの度に、「違います、あやです」

と読みを正すのがどんなに恥ずかしかったことか…。でも今は、平気。むしろ自慢。

さて、15年前のパリ。メトロの入口が暗くて怖くて、私たちの移動手段はひたすら徒歩。

いい服を着て、狙われちゃいけないと、父の釣り用のジャンバーを着て。

おしゃれなパリで、この格好。2月のパリは寒いから、これくらいでちょうどいい!

卒業旅行のシーズンで、ロングコートにブーツを履いたおしゃれな女の子たちが

たくさんいた。ブランドの紙袋をたくさん提げて。なんだか危なっかしい。

メトロにも乗れない臆病な私たちは、二人でしっかり手をつないで、歩いていた。

危ない関係に見えたに違いない。

私が極度の方向音痴なので、Yなしでは街に出れない。

悲しい事に、記憶も断片的で、あの道を行ったらこうだったよね、と言うYの話にのれない。

ルーブルにオルセー、オランジュリー、ピカソ、ロダン、ビクトルユゴー、バルビゾン、

ボザール(国立美術学校)にもしのびこんで、生徒のふり。

パリは街全体がまるで芸術作品のよう!!

パリからウィーンに旅行もして、1ヶ月におよぶ、アートな旅が終わり、重たい荷物を

提げて、帰国。10年後にまた行こう、と堅く誓った。

そして15年。未だ約束果たせず。

15年前、夫と知り合ってはいたものの、結婚する気は一切なく、私は自由を謳歌していた。

帰国して、すぐ、妹とロスへも行った。アカデミー賞をホテルのTVで見て興奮したっけ。

今でも毎年この時期にアカデミー賞のニュースが流れる度に、思い出す。

贅沢な年。散財して、このあとは貧乏だったなぁ。

 

2月9日、パリ記念。私とYは毎年記念品をプレゼントして、旅行に行けない分、ささやかな

記念日のお祝いをする。手作りの、パリにちなんだ何かを。

2月の今日は思い出話。お粗末さまでした!

   

コメント
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