▼映画「いしぶみ」70年間を繋ぐ、手記とカメラ
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オリンピックに沸いた今年、NHKのスケジュールをチェックしてみると
終戦特番の数がまた少し減ったように思える。
ここ10年ほどは年々放送時間帯が遅くなったり地域限定に切り替わっていたりと
徐々に影が薄くなっていたものが、オリンピックで一気に隅っこへと追いやられてしまった。
終戦から76年が経過して、ご存命の方から直接お話をうかがうことも難しくなっている今こそ
私たちの世代が上の世代からバトンを受け取り、下の世代へ繋がなくてはと感じる。
母からは庭先に爆弾が落ちたことや疎開先での暮らしぶりを聞いたことがあるが
実体験がない分、「歴史」としてしか認識できていない。
「戦争を知らない子供たち」の第一世代と言っていい私達は
戦争体験を直接肉親や恩師から聞くことの出来る貴重な世代でもある
是枝監督の作品はほぼ所有している私でも
そういえばまだこれは買っていなかったと思い出し「いしぶみ」を購入した。
ちなみに、レンタルではほぼどこも取り扱いがなく、サブスクリプションサービスにも入っていない。
公開から数年が経ったが、今なお全国の上映会用に作品の貸し出し（有料）も行なっている。
草の根的な規模ながら、まだ上映は続いているのである。
1945年8月6日。
広島に落された原子爆弾の犠牲となった旧制・広島二中の一年生321人。
未来ある彼（彼女）達がどのような最期を遂げたのか、
遺族の手記をもとに製作されたドキュメンタリー。
1969年に杉村春子の朗読で映像化された「碑」（いしぶみ）を
戦後70年を記念して是枝裕和監督が再度映像化した。
公開から随分経ってもパッケージ化の話が出ないので一時は諦めかけたが
広島テレビの開局55年記念としてBlu-ray・DVD化された。
リメイク版で手記の読み手を務めるのは、是枝監督の「海街Diary」で主演を務めた綾瀬はるか。
綾瀬が戦争や原爆を扱う特番に積極的に出演しているのは
彼女が広島生まれであり、大伯母（祖母の姉）を広島の原爆投下で亡くしていることに起因している。
あたり一面が焼け野原と化し、大伯母の遺体すら見つけられなかった祖母は
「私も長く生きておらんから。あんた、忘れんようにね。
戦争なんか起こさんように、女性がしっかりせなダメなんよ。
女性の力で戦争を起こさんいうことをせなダメよ。」と伝えたという。
朝から暑い日差しの照りつける1945年8月6日。
建物の解体作業のため、広島二中の1年生は本川の土手に集まっていた。
点呼を終え作業にとりかかろうとしたその瞬間、
地上500メートルの上空で爆発した原子爆弾が、彼らの未来を奪い去った。
生徒一人一人の消息を読み上げていく綾瀬の後ろでは
劇団☆新感線や野田秀樹、三谷幸喜らの舞台美術を手がけた堀尾幸男による
セットがリアルタイムに組み替えられ、無機質に積み上げられた箱の群れが
川辺に、学校に、小さな家に見えてくる。
生徒も教師も親もナレーションも、全てひとりで読み上げる綾瀬と
想像力を掻き立てるために必要十分な舞台セット。
渡辺美佐子の「化粧」や毬谷友子の「弥々」、白石加代子の「百物語」シリーズなどに代表される
名女優達の一人芝居に名を連ねるクオリティだが
手記に登場する生徒達に寄り添い、時に涙を堪えながら読み進める
綾瀬の表情を切り取ったドキュメンタリー映画でもある、という点が新しい。
エピソードの合間には、池上彰が遺族や関係者にインタビューする映像が挿入される。
70年前にジャンプし、当時の様子を伝える綾瀬と
70年後の今を追い、その後の人生を引き出す池上によって
戦後70年が経って変わった景色と、70年経っても変わらない想いを描き出す。
ここに、是枝監督が撮るリメイク版の意義がある。
オリジナル版の52分が85分に伸びているのは、今を描くことで昔話にしないためだ。
奇跡的に難を逃れ慰霊碑から名前を消してもらった元生徒や
「広島長崎だけが被害を受けたわけではない」と語る当事者の言葉はずっしりと重い。
先日の平和祈念式典での長崎市長の言葉が、ずっと胸の中に響いている。
「広島が『最初の被爆地』という事実によって永遠に歴史に記されるとすれば、
長崎が『最後の被爆地』として歴史に刻まれ続けるかどうかは、
私たちがつくっていく未来によって決まる」
gooブログがいつまでログを残してくれるのかはわからないが
ふらっとこの記事に辿り着く人がいて、「見てみようか」と思っていただける機会が
少しでも増えれば良いなと心から思う。
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「動物のお医者さん」はコミック、文庫と持っているがKindleはまだだった。
定期的に読み返したくなる作品なので買っても良いかな。
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ホラー漫画界の奇才・伊藤潤二の傑作集とコレクション。
梅田のTSUTAYAブックストアで開催された古賀新一展に行きカップやバッグを買ったな。
機種変したてのiPhone11Proで入り口のポスターを撮影したので
まだ2年ほど前のはずだが、そのあとすぐにコロナがやってきてもう遠い昔のことのように思える。
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8月ということで、戦争関連の書籍が複数のセールを実施。
記憶を新たにして次の世代に伝えていきたい。
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