■Xbox:「Mr.インクレディブル」
たまには発売後のソフトも紹介してみよう。
現在公開中の映画「Mr.インクレディブル」のゲーム版だ。
なお、今回私が購入したのはXbox版である。
開発は、同じピクサー作品の「ファインディングニモ」や
日本では未発売の「ポーラーエクスプレス」のゲーム化も手掛けたTHQ。
そう、本作は洋ゲーなのだ。
私は洋ゲーが嫌いではない。
むしろ好意的ですらある。
だが、
「洋ゲー=グラフィックは凄いが、操作性が悪くバランスも無茶苦茶」
というマイナスイメージはまだまだ根強い。
Xboxが日本で売れていない理由を様々な観点から語る識者もいるが、
私は「ラインナップが洋ゲーばかりだから」に尽きると思う。
私は洋ゲー慣れしているので、変な位置でハマって動けなくなったり、
キャラクターが思い通りに動いてくれなかったり、
理不尽過ぎる敵の配置や攻撃パターンには割と寛大な心で対処出来るが、
ピクサー(ディズニー)映画の抱えるファン層を考えると、
この難易度調整はキツ過ぎるように思う。
子供の代打を買って出たお父さんも返り討ち必至の難しさだ。
回復アイテムは随所に用意されているし、
ゲームオーバーも無いので何度でも挑戦出来るのだが、
下手な救済措置を取るぐらいなら、敵の数を減らすなり、
墜落による一発死を無しにしてくれた方がよほど有り難い。
しかし、このソフトには頑張ってクリアしたくなるほどの魅力もある。
各キャラクターの特性を活かしたステージ構成や、
映画のシーンを再現した演出、幕間に挿入される映画と同じムービーなど、
映画を観た人なら感激すること間違いなしの仕掛けがふんだんに用意されている。
ベースはあくまでも力押しでクリアする洋ゲーなのだが、
ピクサーの完全サポートという恵まれた環境で制作出来たことは大きな武器だ。
このゲームの特典映像に制作者インタビューが入っているのだが、
開発は映画と同時進行していたらしい。
最近ではEAから発売された「ロード・オブ・ザ・リング」などもこのパターンだ。
同時進行だからこそ、公開と同時という最良のタイミングでリリースも出来る。
ゲーム制作が映画制作を追い越してしまい、開発が中断したりもしたらしい。
日本でも映画のゲーム化は何度となくされてきたが、
ゲームメーカーが金を払い、版元は許可を出すだけというか、
アメリカほどの協力体制は敷かれていないように思う。
今春、大友克洋の「スチームボーイ」がPS2で発売予定にあがっているが、
興行成績であれだけ大敗した作品を
公開から1年近く経過してゲーム化したところで結果は見えている気がする。
余談だが、私はこのソフトを遊んでいて
PSの「ファイヤーパニック」というソフトを思い出した。
大味なゲーム性、主人公マックスの体格、思わぬところにルーツ発見。
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タイトル:Mr.インクレディブル
機種:PS2、GC、Xbox
メーカー:D3パブリッシャー
発売日:2004年12月2日
価格:6090円(税込み)
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