閑雲孤鶴の日々  - Fire生活者の呟き -

Fire生活経験談のほか、世相世情 💹📆、知的生産技術💻📱、書評📒について、書き綴ります。⏳

故郷をとるか出世をとるか

2015年02月28日 | 人生観・哲学・宗教

私の学生時代、就職と言えば、離れた場所に本社がある有名企業に就職することを意味していた。
立身出世するなら、それが当然の選択だった。
教授たちもそうすることを薦めてくれた。
就職先はたくさんあった。教授たちは、学生それぞれの性格にあった企業をリストアップしてくれた。
今になって思うに、文句のつけようがない、名門企業だらけだった。
その企業に勤める卒業生の特別講義があり、あるテーマで論文らしきものを書いた内容が評価されたのだろうと、私は思った。

有難いことではあったが、私は従わなかった。
住んだことがない場所、係累が誰一人いない場所で、頑固者の私が、成功するとは思えなかったからだ。
離れた場所では、親が寂しがるだろうと、悩み
さして屈強でもない、汗かきで暑さに弱い自分が、しかるべき年代に体調不良に見舞われることになるだろうと、予想した。

一方、教授たちは、私が希望した地元企業は、私の性格にまったく合わないことを力説した。

従って
私は、自分にはまったく合わない社風ではあることを認めたうえで
地元企業を選ぶことで、ひとまず親を安心させたことになる。

私は、仕事は人一倍努力した。が、予想通り、体調不良に見舞われた。
詳しくは書かないが、そんな時、故郷の風土が自分を護ってくれていたことを知り、とりあえず肉体的には復活できた。

と同時に、教授たちが薦めてくれたあの企業のことを思い出した。
今や世界的企業にとなっていた。業績も給与も右肩上がり、リストラニュースなど聞いたことがなかった。

あの特別講義の講演をした先輩は、間違いなく出世していたに違いないと思ったが、私は彼の地で体調不良に見舞われた場合、うまく対応する自信がなかった。

出世をとるか故郷をとるかの、選択において私は、結果的に故郷を選び、地元の人と結婚するに至った。
こうして、今、のんびりできているのも、社風が合わず退職することにはなったが、地元企業に勤めたおかげであると感謝している。

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