親族で、90歳近い方の葬儀に出たことがある。亡くなる直前まで、日記を付けていたこと、近隣の人たちと親しく交流していたことを知った。この方、学歴的に大したことはないのであるが、自分が持っているものは躊躇することなく、人に分け与えるという行為を実践された、明るく前向きな人生を生きた方だった。
さて、日記というと、戦前・戦中・戦後を生きた、政界・官界著名人の日記に関して、その人物像、歴史文献的な意味についてまとめた、「近現代日本を史料で読む」(御厨貴編著)という本がある。 歴史研究者が、それぞれ専門とする分野で読破、日記(有名なものとしては、芦田日記、木戸日記、富田メモなどがある)の日記概要、人物像の推定結果が読める。
研究者の評価を読んだだけだが、総じて言えそうなことは、日記をつける人は勤勉実直、誤魔化すことが嫌いで仔細なことも気になる、几帳面さを有する、尊敬に値する人物たちであったことだ。
その日記、書いた人が真面目で嘘を言わず、勤勉実直、几帳面な人であればあるほど、歴史史料としての価値は高まる。
私は日記を書くことは、必ずしも良いことだとか、義務で日記を書くべきと思ってはいないが、自分が仕事上、意思決定を必要としたことについては、例外なく文章化し記録として残した。 都合が悪いことは、裏でコソコソやる風潮が、当時の管理職の間で蔓延、引き継ぎ書すら書かず栄転続きの大学の先輩もいたが、私はこのような手抜きを是とする先輩を手本とする気にはとてもなれなかった。
従って、日記をつける習慣がある几帳面な人は、もっと社会的に評価されるべきと思う。
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