イノさんシゲさん

井上出と重松彬の往復メール

ファンド(イ)

2008-01-10 21:36:34 | Weblog
平成20年1月10日

【米系投資ファンド・スティ-ル・パ-トナ-ズは禿げ鷹か?】

ブルドック ソ-スに対し買収を試みたスティ-ル・パ-トナ-ズに対し東京高裁はスティールの投資行動は「様々な策を弄し買収対象会社の株を対象会社や第三者に転売して売却益を得ようとし最終的には対象会社の資産処分まで視野に入れてひたすら自らの利益のみを追求しようとして居る」としてスティール社を濫用的買収者と決め付けブルドックの打ち出した対抗策の正当性を認めました。 そして最高裁も高裁の判決を追認したのです。

併しスティ-ルは米国内に於いては長期投資や経営参加の実績もあり米国では濫用的買収者等とは呼ばれては居ません。 外国人株主比率が66%のオリックスの宮内義彦会長は「ブルドックが今回導入した買収防衛策は当社では考えられないしあり得ない。 当社を買収しても経営陣らが反発すれば企業価値が下がるのは目に見えて居る」と発言して居ます。

現実にブルドック株は売り込まれた上に買収防衛に伴う諸費用負担が業績を圧迫し9億8千万円の赤字に転落して終ったのです。 買収防衛の為のアドバイザ-である証券会社や弁護士費用も膨大なもので弁護士費用だけでも何と7億円出費して居るのです。 これが果して株主の利益になるかとなると大変に疑問であり現経営陣の保身の為の買収防衛行為と言われても仕方がない状況です。

スティールは今回のブルドック株取得に18億円程を使いましたがこれをブルドックに21億円で引取らせた事から約3億円の利益を得た事になり裁判で勝ったブルドックが結局は大きな痛手を負った事になりブルドックの株主は大損をした事になります。

日本人は判官贔屓のところがあってブルドックの株主の8割以上が防衛策実施に同意しましたが今回の結果を見て誤った選択をした事を悔んで居る株主も多いと思われます。 黒船恐怖後遺症かもしれませんが株主はスティ-ルの買収に拒絶反応を示したのです。

今回の判例は外国人投資家達に日本は例外的な市場と言う印象を与えた事は間違いなく外国人株主の投資意欲を減退させる恐れもあるのです。 御存知の様に東京証券取引所の株式の約50%は外資ファンド等の外国人投資家によって占められて居る事から資金の引上げが起きる様な事があると株の暴落の可能性もあるのです。

外国人投資家の多くは所謂[物言う株主]ですから経営の監視と言う面で今迄に大きな役割りを果して来て居り又従来の「シャンシャンシャン」株主総会を大きく変え株主総会を活性化させた事は高く評価されるべきです。 又経営者達の放漫経営によって経営不振に陥って居た企業を買取り合理化を進め業績を回復させた例は数多くあるのです。

最高裁までもブルドックに軍配を上げた事に私は大きな疑問を抱いて居ます。 海外ではスティ-ル社の敗北は日本ではグロ-バル金融市場の基本的な理念である株主資本主義を認めないのではないかと言う大きな疑問を持って多くの株主に受け止められて居る事を私は大変心配して居ます。                   

井上  出

少数派(イ)

2008-01-10 06:04:20 | Weblog
平成20年1月9日

「少数民族の進出」を拝読しました。 現在カナダには150の国からの移住者が存在し200の言語が使われて居ると知り移民に対する門戸が広く開かれて居た事を知りました。 併し当然の事ながら移民急増の結果色々な問題も発生して居ると思われますし又カナダ政府も従来の様な移住条件では福祉政策を維持する事が難しくなるのではないかと愚考しますが如何ですか?

インドのシーク派の人達には世界中の大都市で出会います。 インド人イコールシーク/タ-バンと言うイメージが我々にはありますがインドの全人口に占めるシークの人達の数は何と2%に過ぎないのです。 アウト・ゴ-イングの性格と強い団結力が大勢のシーク人が外国に移住しそれぞれの移住先でその社会に影響を与えて居る事に驚きます。

インドの人口は10億をはるかに超えて居ますからその2%と言っても2,000万人ですから大変な数ですがそれにしても彼等の国外での活動には目を見張るものがあります。 又優秀な人が多いのです。 言われる様にその中インド人系の大臣や大使が生まれる事は間違いないと思います。

井上  出