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indigo YOKOHAMA

横浜を拠点に活動する社会人JAZZ FUNK BAND "indigo YOKOHAMA"のバンドブログです。

今週の一枚 The Brand New Heavies / Forward

2013-06-02 23:10:07 | FUNKY MUSIC
先日、1年6ヶ月ぶりに来日を果たし、ライヴを行ったブランニューヘヴィーズ。
ニュー・アルバムを引っさげてのライヴとなった訳だが、それが今回紹介する『Forward』。
往年のアシッド・ジャズ・ファンの期待も裏切らない良作だ。

ポイントとなるのはもちろん、『Get Used To It』に引き続くエンディア・ダベンポートの参加だ。
女性のフィーチャリング・ヴォーカルとバンド・メンバーが楽曲によってヴォーカルを分担する彼らのシステムは相変わらずだが、やはりというか、このバンドにはエンディアが一番良く似合う。

アルバムは彼らがライヴで使っているイントロから始まる。
名前のなかったこの曲に、今回『Forward』、つまり『前へ』と新たに名前をつけた。
ブランニューからライヴのつもりで楽しんでくれよ、と言われているかのようだ。
ご機嫌なインスト・ナンバーで幕を開けたアルバムは、エンディアのヴォーカル・ナンバーの怒涛の攻勢に引き継がれる。
『Sunlight』が流れた瞬間に、やってくれたぜとニヤリ。
これはまるで全盛時のブランニューだ。
イギリスならではの、少し憂いを含みながら強烈なフックの利いたダンス・チューンだ。
続く『Do You Remember』もイカしてる。
バンドの核を成すアンドリュー・レヴィの印象的なベースは本作でも健在だ。
こういうのを待ってたんだよ、ブランニュー!
お勧めを挙げるのが難しい程に内容は充実している。
エンディアが抜けていた時期のバンドの進化も随所に感じながら、『あの頃』の音も楽しむことが出来るのだ。

いかにもシングル・カットしそうなのは『Sunlight』『Do You Remember』『Addicted』。
ヤンのヴォーカルものなら『Heaven』か。
インストでは、後半の1曲目的な『Itziné』が強烈なインパクトを放つナンバー。
それと『Turn The Music Up』はPlayers Associationのカバー。
コーラス・パートはあるが、いかにもかけっぱなしで踊ってくれよというような、実質的にはインストのような楽曲。
原曲の雰囲気そのままに音を洗練させたような感じ。これも良い。

ブランニューはインコグニートのような浮揚感っぽさは狙ってないので、よりストレートに踊れるところが良い。
こうやって聴いていると、アシッド・ジャズを引っ張っていたのは間違いなく彼らだったのだなと実感する。
まだアシッドを聴いたことのない方にも充分にお勧めできるアルバムである。



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今週の一枚 Papa Grows Funk / Needle In The Groove

2013-05-26 21:57:31 | FUNKY MUSIC
ども、管理人です。
数日間に亘る歯痛の後、肩と背中の激しいコリに副鼻腔炎までオマケについてきて、まだ回復しません。
皆さんも少し変だなと思ったらすぐに医者に診てもらった方が良いですよ。

という訳で今週の一枚はPapa Grows Funkの『Needles In The Grooves』。
パパ・グロウズ・ファンクは、ニュー・オーリンズのファンク・シーンでは恐らくど真ん中にいるバンドではなかろうかと思う。
日本には05年のフジロックでCharや仲井戸麗市が参加した『Lightning Blues Guitar‘05』のバック・バンドを務めており、考えてみるとフジロックにニュー・オーリンズ系が出るようになるキッカケとなったのではないかとも思える。

このバンドの目玉は、日本が誇るギタリストの一人である山岸潤史が参加しているという事実だ。
それも日本ウケを狙ってゲスト起用したとかではなく、結成以来ずっと正式メンバーとしてギターを弾き続けているのだ。
ブルース系で知られる彼が参加している事に、ニュー・オーリンズ系の色を感じる。
他のメンバーも実は結成以来替わっていないのだが、これがまた素晴らしく、ジョージ・ポーター・ジュニア(ミーターズ)のバックをやっていたジョン・グロウ(オルガン)がリーダーを務め、サックスのJason Mingledorffはギャラクティックのメンバー、ドラムのDavid Russell Batiste JrはFunky Meters、ベースのMarc PeroはSmilin' Myronと、いずれも他のバンドでの経験豊富なメンバーが揃っている。
因みに彼らはライヴの前にリハーサルをしないし、セットリストも決めていないそうである。
そのくせライヴは年間100本こなしているらしい。
正にジャム・バンドである。

今回紹介するのは現状で最新のスタジオ盤となる2012年の作品だ。
元々インスト曲とヴォーカル曲を織り交ぜた構成を取る彼らだが、最新作ではヴォーカルの比率が高く9曲中6曲がヴォーカル、3曲がインストとなっている。
リード・ヴォーカルはリーダーのジョン・グロウがとっているが、ちょっとダミ声で実に味わいがある。
楽曲はミドル・テンポの、良い意味での泥臭さを湛えた濃厚なファンクが主体である。
やはりブルースの本場、ジャズ発祥の地ならではの味を感じる。
演奏は、2001年のデビュー作『Doin' It』の時点で既にベテランの貫禄さえ漂っていた彼らだが、本作では更に熟成が進み、余裕たっぷりのグルーヴを感じられる事請け合いだ。
特に、個人的にはベースのMarc Peroのベース・プレイにグッと引き込まれた。
いや~このスラップは気持ち良い。
というより彼と他のメンバーとのコンビネーションがまた絶妙なのである。
ジャム・バンドというと何でも自由気ままにやりそうだが、彼らはそれぞれにスペースを作って無駄に音符を押し込まない。
大事なのは、全てを合わせた時に気持ちの良い音楽として成立しているかどうかだ。
そういうツボを心得た演奏が本当にカッコイイのである。
(特にオルガンは参考になるのではないか)
ところで、サックスのJason Mingledorffの音色は、不思議とクレイジー・ケン・バンドに似ていて、多分マウスピースの選択とか奏法とか、どこか共通しているところがありそうな気がする。

どれがお勧めというのはちょっと難しいのだが、ジャム好きの人ならインスト曲『Red Spark』『Rolo』が気に入りそうだ。
特に『Rolo』はベーシストが嵌る。
ギターを聴きたいなら『Yes Ma'am』『Needle In The Groove』のブルージィなソロと言っておけばよいのだろうが、本当に凄いのは伴奏時の絶妙なバッキングだと思う。
ヴォーカル曲なら冒頭の『Do U Want It』や『Planet Of Love & Hate』辺りがノリノリだ。
『Back Home』は毛色が違うがアメリカ南部の飲み屋で聴いてそうだ。
『Needle In The Groove』もロック的要素を感じて、そこがまた良い味である。

インスト曲が少なくてガッカリする人もいるかも知れないが、ヴォーカル曲中でのインタープレイも絶妙なので、これは聴く価値ありですぞ。



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今週の一枚 Speedometer / Soul Groovin' Live!

2013-05-12 21:27:16 | FUNKY MUSIC
最近、ロードバイクに乗ってサイクリングを楽しんでる人を沢山見かけるようになりました。
そう感じるようになった理由は、乗ってる人のファッションです。
ランニングやトレッキング、フィッシングもそうなのですが、最近はそういうのを楽しむための服装が確実にファッショナブルになっています。
実際のところ、見た目から入るってのは大事だと思うのですよ。
その人のライフスタイルを演出する小道具な訳ですから。
『自分を演出するデバイス』としての趣味を否定する必要はありません。
(人間の非生産的行動の大半には多かれ少なかれ、この要素はある)
趣味はどんな形であれ、まず楽しむ事。
本当に好きならずっと続けるだろうし、別にニワカでも構わないんです。
少なくとも業界に金が落ちる。
そうすれば、新しい製品も作られる。
ライトに楽しむ人がマーケットを広げてくれる事が、その趣味を本当に続けたい人を支えてくれる事に繋がるんです。
そういえば、音楽がライフスタイルを演出していた時期もありましたっけ…。


さて、池袋ジャズフェスを前にライヴ盤を強化促進しようという事で今週の一枚。
スピードミーターのライヴ盤『Soul Groovin' Live!』をご紹介。

本作はスピードミーターが2008年5月にイギリスで録音し、結成10周年の09年に発表された。
このライヴ盤、やはりというか日本で先行販売された。
レーベルはこれまたPヴァインである。
俺はPヴァインのセールスマンかっ。
帯のコピーに『嘘くせぇ』とか文句を言いながら、それでも買っちゃうんだよ、好きだから。
因みに本作の『やっぱファンクは「ライヴを聴いてナンボ」やね』というコピーは激しく同意だ。

本作の前に発表された4枚のスタジオ録音(うち1枚は初期音源をまとめたもの)でも非常に生々しい演奏を楽しめるが、やはりこのバンド、ライヴで真価を発揮する。
ホーン・セクションを擁する総勢10名の大所帯バンドによる演奏は、スタジオ盤を超える音圧を楽しめるだろう。
楽曲構成はトータル12曲中、インストが6曲、ヴォーカル曲が6曲と半々。
うちカバーは5曲入れており、オリジナル楽曲も初出のものがあるなど、過去楽曲の『焼き直し』だけを狙ったものでない事は確かである。
まるでスタジオ盤と並列したような扱いになっているところが、彼らの気概ではなかろうか。

演奏は1曲目の『Speedopener』、MCの後のオルガンの入りからググッと引き込まれてしまう。
スピードミーターはコロコロと転がるようなリズムの軽妙さが持ち味で、これにベースラインがガッチリと曲の流れを形作っているのが心地よい。
1曲目からその心地よさを堪能できる事請け合いだ。
カバーでインストの『Kool & The Gang / Let The Music Take Your Mind』などはなかなか秀逸である。
オリジナル曲である『Four Flights Up』もスタジオ録音を凌ぐカッコよさだ。
バンドのリーダー、レイ・グレイシーのギターも、ご機嫌なカッティングを聴かせている。
ヴォーカルは実質的に正リード・ヴォーカルであるリア・キュリーが担当、実に安定感がある。
特にヴィッキー・アンダーソンの『Answer To Mother Popcorn』のカバーをやっているのは嬉しい。



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今週の一枚 Marie ''Queenie'' Lyons / Soul Fever

2013-05-05 23:39:06 | FUNKY MUSIC
皆さん、連休はどう過ごされましたか?
今年は天気も良く、前半、後半で何しようか、などと考える楽しみのある連休でしたね。
『中日』もお休みだった会社も多かったようです。
ちょっと驚いたのが、中日のうち5月1日だけ休んでいた取引先があった事。
理由はメーデーだったから(!)。
1日に休むなら他も休めばいいじゃん、って思っちゃいました。
まあ、こちらは仕事だったので営業して頂いた方が助かったのですけどね。

さて、連休後半の暇つぶしになるかどうかは判りませんが、今週の一枚を。
今回はレア・グルーヴの中でも本物ですぞ。

Marie ''Queenie'' Lyons。
マリー・クイニー・ライオンズと読む。
輸入盤のライナーノート曰く、彼女は1970年にたった一枚のアルバムを残して『vanish』した。
この『vanish』という単語が何とも強烈で、忽然と消えてしまったという感じだ。
彼女は63年にプロ活動をスタートさせ、キング・カーティスやファッツ・ドミノ、ジャッキー・ウィルソン等のヴォーカリストとして起用された。
更にはあのJBにも雇われた、ファンキーな歌姫たちの『一人』として。
そのせいもあってか、本作『Soul Fever』の発売時にはJBの名前がライナーノートに記されていたそうだが、特別に関わった形跡はないそうである。
確かにリン・コリンズなどと同じJBファミリーとして売り出した方が有利なことは間違いないのだが、彼女はこのアルバムを出した後、姿を消してしまうことになる。
なぜだ?
JBと何かあったのか、それともある組織の陰謀にでも巻き込まれたのか。
真相は藪の中である。

そんな謎に包まれた彼女の残した作品はその後もサザン・ソウルの名盤として語り継がれ、08年についにCD化されたのだった。
ジャケットは顔にだけ照明を当てたかのような彼女の上半身が写っている。
どうやら裸ではないかと思われるのだが、CDでは顔以外が真っ黒になってしまって何だかよく判らないジャケになってしまった。
アルバムの中身だが、彼女のパワフルでハスキー、そしてどことなく憂いを帯びた歌声にグッとくる事間違いなしである。
楽曲的には、いなたさを心情とした正統派ソウル・ミュージックで、ホーン・セクションや女性コーラスが絶妙に絡んでくる。
バラード系もなかなか良いのだが、ファンク的には『You're Thing Ain't No Good Without My Thing』『Your Key Don't Fit It No More』『Fever』『I'll Drown In My Own Tears』あたりでノリノリになりたいところか。
オールド・ソウルがお好きな方には是非ものと言っても差し支えないだろう。

現在のところ国内盤は出ていないが、輸入盤が比較的簡単に入手できる。



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今週の一枚・番外編 ○ジャケな一枚 Armando Trovaioli / Sette Uomini D'oro(黄金の七人)

2013-04-29 00:28:54 | FUNKY MUSIC
今回は連休中ですので、趣向を変えて番外編を。
ご好評を頂いております(?)『○ジャケな一枚』ですが、実質エロジャケ・コーナーになれ果てた気がしないでもない。

エロの要素で言いますと、このCDというか映画は外せない。
『ルパン3世』のルーツであるイタリア映画『黄金の七人』だ。
作品は、スイス銀行から金塊を強奪しようとする泥棒一味の奇想天外なトリックと妖艶な美女の小悪魔ぶり、更には泥棒一味同士の仲間割れにどんでん返しの連続と、息をもつかせぬ面白さである。
ヒロイン役のロッサナ・ポデスタ演じる謎の美女は一筋縄ではいかない女。
正に峰不二子といった印象だ。
因みに吹替版の声は小原乃梨子(ドロンジョ様や、未来少年コナン、のび太で有名)である。
この美女がとっかえひっかえする衣装がお洒落なのも魅力だが、劇中に流れる音楽もお洒落な事この上ない。
アルマンド・トロヴァヨーリの手になる楽曲は、小粋なスキャットが印象的で日本のCMにも使われている。
某渋谷系な人たちも臆面もなくパクリまくっている。
もちろん確信犯的にだが。

サントラのジャケットはロッサナ・ポデスタの限界ショットな訳だが、続編の『続・黄金の七人 レインボー作戦』でもフェロモン出しまくり。
いやはや罪つくりな女性である。



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今週の一枚 Count Basic / Count Basic Live Featuring Kelli Sae

2013-04-21 23:56:03 | FUNKY MUSIC
やっぱりファンクはライヴやってなんぼだよねと思う今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。
という訳で、今回はライヴ盤のご紹介。

オーストリアが生んだジャズ・ファンク・バンド、カウント・ベイシックはインコグニートに隠れがちだが、なかなかハイレベルなバンド。
リーダーにしてジャズ・ギタリストであるピーター・レガートがカウント・ベイシックを結成する前に活動していたバンドがたまたま『インコグニート』といったもんだから、面白い。
おまけにガリアーノのアーニー・マッコーンがプロデュースしたデビュー・アルバム『Life Think It Over』には『ブルーイの』インコグニートのメンバーが起用されていたため、よけいに話はややこしくなる。
さらには、カウント・ベイシックのヴォーカリストであるケリー・サエが、後に(一時期だが)インコグニートに加わったりして、こりゃもう大混乱だ。
音楽業界でも勘違いしてる人がいるので要注意。

話を戻すが、カウント・ベイシックが『Life Think It Over』『Moving In The Right Direction』の2枚のスタジオ・アルバムを制作後、1997年に発表したのが本作である。
ジャケット・スリーブに目を凝らしても録音したのがいつでどこなのか判らない。
楽曲をみると先の2枚のアルバムからの選曲のため、96~97年の間であることは間違いない。
メンバーは2枚目『Moving In The Right Direction』に参加していた主要メンバーがそのまま参加している。
このうちベース、ドラム、キーボード、サックスについては今日に至るまでバンドの中核を成している。
ケリー・サエもニュー・ヨークで生活しながら、このバンドには参加しており、余程気に入っているのであろう。

肝心の中身だが、ジャズ・ギタリストとして音楽の都ウィーンで高い評価を得ていたレガートが率いているだけあって、かなりのハイレベルである。
ケリー・サエのヴォーカルも超パワフル。
アルバムの再現性も高く、その辺もインコグニートに相通ずるものがある。
路線も近いので、インコグニート・ファンは押さえておいて損は無いアルバムだ。
初期2枚のアルバムのベスト・セレクション的な位置づけで聴くのも良いだろう。



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今週の一枚 Joey Negro Presents The Sunburst Band / Until The End Of Time

2013-04-14 19:35:42 | FUNKY MUSIC
ジョーイ・ネグロと言えばクラブ・シーンでは超有名な存在。DJとして活躍する傍ら、プロデュースやミックスなども数多く手がけている。
そんなジョーイ・ネグロことデイヴ・リーも、時にはバンド形式で音楽をやりたい事もあるようで。
その時の名義がサンバースト・バンドである。

彼自身のレーベル『Z Records』から通算4枚のアルバムが発表されているが、その中でも特にご機嫌なのが04年に出た『Until The End Of Time』だ。
70年代ディスコを愛するジョーイ・ネグロだけあって、70年代を猛烈に意識しつつ、絶妙なクールさを漂わせたサウンドを作り出している。
ドラムの大半はプログラミングだが、ギターにスウィング・アウト・シスターのTim Cansfieldと元インコグニートのTony Remy。ベースにインコグニートのJurian Cramptonが参加しているのが目を引く。
特にジュリアン・クランプトンのベースが秀逸すぎる。
このベースは絶対に外せない。
ヴォーカルは楽曲によって複数のヴォーカリストを使い分けているが、デイヴ・クラークやシックのノーマ・ジーンなど、こちらも相当にイカしたメンバーを揃えている。

楽曲は1曲目の『We Will Turn You On』のドッドッドッという頭打ちから、既に強烈なノリの虜になる。
リヴィング・ルームが一気にダンス・フロアになっちまう事請け合いだ。
ディスコ・サウンドという統一感はしっかりとありながら、曲によって様々なアプローチを行っており、聴くものを飽きさせない。
ノンストップで一気に最後まで駆け抜けてしまうだろう。
お奨めを選ぶのはあまりにも酷というぐらいにどの曲もカッコイイが、とりあえず、シングル化もされた『Fly Away』でお試ししてみたら?



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今週の一枚 Sun / Destination Sun

2013-04-07 20:23:03 | FUNKY MUSIC
今週採り上げるのはちょっと不幸なバンドである。
こういう場合『不幸』といえばもちろん、あまり評価されなかったという事である。

そのバンドの名前はSun。
実にシンプルで明るい感じのする名前だが、大きく注目されることなく終わったらしい。
それは同じオハイオ・ファンクの雄であるオハイオ・プレイヤーズの影に隠れてしまっていたからである。
しかし、なかなか侮れない奴らなのだ。

サンは以前紹介したデイトンの前身といえるバンド。
そう、あのハイセンスなアーバン・ソウル・グループだ。
しかし、彼らのサウンドはデイトンとは似ても似つかぬというぐらい真っ黒なのである。
7人編成でホーンをも擁し、ハイレベルなインストとヴォーカル・ワークを聴かせる彼らは、間違いなく一線級のバンドだった。
彼らは76年『Live On,Dream On』でデビューした。
時は折りしもファンクに注目が集まり、特にアース・ウィンド&ファイアやオハイオ・プレイヤーズが人気を博していた頃である。
サンはこうしたバンドに対する対抗馬としてキャピトルからデビューした。
このアルバムはその後再リリースされ、その際に『Wanna Make Love』と改題した。
この時のジャケットが実にエロイ。

これこそ正にエロジャケではないか。
やはりファンクにはどこかにエロスが無いといかんと思う。
考えるんじゃない、感じるんだっ!
頭を使うな、腰を使え!

彼らの演奏は、重く適度にドライブしたベース、細かい手数で煽りまくるドラム、キレではややアースに劣るが、表情豊かで出番の多いホーンセクション、オルガンやエレピ、シンセをさり気なく効果的に入れてくるキーボードなどが絡み合い、なかなか絶妙だ。

『Destination Sun』は79年に発表した第4作目のアルバムである。
デビュー当初は黒人のみの7人編成だったが、この頃には白人混成の10人編成という大所帯になっている。
更には全般的にちょっとアースに似てきており、ジャケットはメンバーを乗せた宇宙船!
楽曲もどことなくアースっぽい。
チャートの中位を行ったり来たりでビッグ・ヒットに恵まれなかった彼らの迷走っぷりが、このアルバムにはハッキリと出ている。
ドス黒いだけだったサウンドが洗練され、なかなかの内容なのだが、この『後塵を拝した』感だけは惜しい。
実際、そういう事を無視して聴けば、良質なディスコ・アルバムだと思うのであるよ。

実はこのアルバム、シングル・カットされたのは冒頭の2曲だが、後半の方が絶対に良い。
いやマジで。
B面1曲目の『Light Of The Universe』はその後のデイトンにも繋がるようなさわやかなサウンドだ。
続く『Deep Rooted Feeling (Stand Up)』もカッコイイ。
こちらはギターのリフでグイグイ押していきながら途中の展開がとてもお洒落。
『Baby I Confess』は情感たっぷりのバラードだ。

だからと言ってシングルが駄作だった訳ではない。
『Pure Fire』はなかなか攻めてくるので個人的には好きである。

にしてもアルバム冒頭と最後に聴かせるロケットの噴射音っぽいSE、ああやっちまった、である。

アルバムはR&B部門でバンド最高位の17位、シングルでは『Radiation Level』が25位、『Pure Fire』が67位を記録した。



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今週の一枚 Nick Van Gelder / Choose Music

2013-03-31 21:39:18 | FUNKY MUSIC
ジャミロクワイのドラマーとして活躍したNick Van Gelder。
彼は実は非常にマルチな才能に恵まれたミュージシャンである。
ドラムにとどまらず、キーボードやギター、ベースも弾きこなし、プログラミングも行う。
実にうらやましい人である。

そんな彼が昨年ソロアルバムを出したが、国内で入手できるのはMP3のみである。
(イギリス本国ではCDも売られている、少量ではあるが)
最近は本当にこういうケースが増えた。
大量にパッケージ・ソフトを製造するのはリスキーと捉えられている。
以前にも書いているが、私はパッケージ・ソフトの存在に大きな意味を見ている。
パッケージというヴィジュアルにもその時の空気感とかアーティストの発する匂いのようなものがあると思っているからだ。
パッケージを買うことがアーティストを支援する事に繋がるという面もある。
i-tunesがあればパッケージなんて要らないという人も増えているのも事実だが、アーティストが形あるものを残したいと考えている限り、私自身は今のスタイルを変えずにパッケージ・ソフトを探し続けるだろう。

話を戻すが、ニック・ヴァン・ゲルダーのソロ・アルバム、今回は国内でも輸入盤が入手可能な1stアルバムを紹介する。
タイトルは『Choose Music』。
発表は2008年である。

先ほど触れた通り、本作におけるインストゥルメンタル・パートの大半をニック・ヴァン・ゲルダー自身が演奏している。
ゲスト・ヴォーカルとしてAkwaaba PeopleのMazenを迎え、ほぼ全編に亘って彼の歌をフィーチャーしている。
他にホーン担当として、ドミニク・グローヴァー、ニコル・トンプソン、ジム・ハントのサウンド・スタイリスティックス・ホーンズを迎えている(前の2人はインコグニート・ホーンズでもある)。
楽曲はニック、もしくはニックとBedwei-Majdoub、つまりMazenとの共作になっている。
かつてのアシッド・ジャズを彷彿とさせる、クールでややダーク、更に浮遊感をたたえたサウンドが、軽快なビートの上に乗っかって心地良い。
ピアノやクラヴィネットをジャジーに使いつつ、シンセサイザー音は少し古典的な効果音のような使い方をしているのだが、必ずしも古臭くは感じない。
Mazenの歌声はパワフルというタイプではなく、ニックの楽曲の世界観にマッチしたハスキーで繊細な雰囲気である。
演奏の方は意外なほどに(?)ドラム以外のパートが上手くて驚く。
3曲目『Won't You Stop』7曲目『Ain't No Friend of Mine』で聴かせるスラップ・ベースはなかなかカッコイイ。
ギターも細かい芸を見せる。
8曲目『Think About It』などはさり気なくジョージ・ベンソンっぽい。
ホーンは7曲目でドミニクが、11曲目『Just Give It Up』でジムとニコルがソロをとる。
個人的には、ベースが引っ張る3曲目、古臭いシンセに味がある5曲目『The Way』、ホーンが活躍する7曲目『Ain't No Friend of Mine』、ホーンの映える11曲目あたりがお勧めか。

このアルバムは夜に合うな、と思う。


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今週の一枚 Electro Deluxe Big Band / Live In Paris

2013-03-25 01:12:37 | FUNKY MUSIC
アイドルの世界に推しメンという言葉が使われてから、バンドの世界でも推しバンという言葉が使われ始めた。
かく言う私にも推しバンがある。
このブログを読まれている方なら察しがつくと思うが、現行のバンドで私が特に推しているのは(ファンク系統に絞ると)、ボストン・ホーンズ、ファット・ファンクション、スピードミーター、そしてエレクトロ・デラックスだ。
この4バンドのうち、どんなライヴをやるのか想像がつかなかったのがエレクトロ・デラックスなのだが、なんとビッグ・バンドという形でライヴをやっていたのだから凄すぎる。

2012年4月に発表された『Live In Paris』。
結成10周年を記念しての発売という事なので、演奏自体は2010~11年と推定される。
残念ながら、録音場所についての詳しいクレジットが無い。
どうやら彼らは通常のエレクトロ・デラックスとしてのライヴの他に、ビッグ・バンドによるライヴも頻繁では無いが行っているようだ。
メンバーはエレクトロ・デラックスとして5名、ビッグバンドとして13名、更にスペシャル・ゲストとしてNyr、20Syl、HKB FiNN、Ope Smithの4名 がクレジットされている。
なかなかゴージャスだ。
楽曲はトータル13曲が2枚のCDに収録され、『Stardown』から1曲、『Hopeful』から2曲、残りは全曲『Play』からのものである。
しかも、各CDにはそれぞれ3曲のビデオが収録されている。
ビデオの楽曲自体は音源収録と重なるので、ちょっとしたボーナスといったところか。
映像を見るとヴォーカルのJames Copleyと指揮者兼サックスのThomas Faureがジャケット姿でバッチリ決めている。
カッコイイのう。
おフランスやのう。

演奏は冒頭の『Let's Go To Work』から物凄い迫力で圧して来る。
しかもこの曲、エンディングで映画『黒いジャガー/アフリカ作戦』で使われている『Shaft In Africa』を挿入。
これがまた超カッコイイ!
しかもオープニング・テーマでもなく、メイン・タイトルの歌物でもないのだよ、この曲は。
セレクションが最高すぎるぜ、エレクトロ!
嗚呼、もう初っ端から持ってかれた。
その後も迫力満点のビッグ・バンドを従えたエレクトロ・デラックスによるハイ・テンションでスリリングな演奏が堪能できる。
ライヴならではの編曲も随所に行われており、『Let's Go To Work』もそうだが、『Play』もイントロ・パートを追加したりしている。最後の『Peel Me』などはカウント・ベイシーの『April In Paris』と同様の手法(これをボン・ジョヴィが『Bad Medicine』でやっている)を使って〆ている。
にくいねえ。
ライヴ盤として、これは超お薦めだと言っておこう。

ところが。
ところがである。
このアルバム、フランス本国でしか流通していないのである。
過去にスタジオ盤を日本で発売したPヴァインも今のところ発売するとは言ってない。
私は頻繁に個人輸入している(アマゾンも使ってるが、ペイパルによる決済も重宝している)ので、フランスから取り寄せてしまった。
(下手すると日本で唯一のパッケージ所有者かも。そもそもバカ売れするもんじゃないしねえ)
だが、ただでさえ心理的ハードルが高い個人輸入がフランスだと更にハードルが高いと感じる方も多いだろう。
そんな方もご安心あれ。
ダウンロード販売なら日本でも行われている。
パッケージ・ソフト派の私としてはお薦めしないが、興味のある方は是非聴いて頂きたい。

ああ、日本に来てくれないかなあ。


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