indigo YOKOHAMA

横浜を拠点に活動する社会人JAZZ FUNK BAND "indigo YOKOHAMA"のバンドブログです。

今週の一枚 Beat Funktion / Moon Town

2013-07-28 21:51:12 | FUNKY MUSIC
サッカーの東アジア杯、男子が見事初制覇!
海外組の召集無しで若手起用という急造チームながら、よく頑張ったのではないでしょうか。


さて、今週の一枚は今年の4月に日本でのデビュー・アルバム『VoodooLand』を発売した北欧のジャズ・ファンク・バンド、ビート・ファンクションの2作目『Moon Town』である。

ビート・ファンクションはスウェーデンのウプサラで2007年に結成された。
ウプサラはストックホルムのすぐ北にあり、北欧最古の大学があるという歴史ある都市である。
とはいえ、ほんの十数万の都市でこれだけのメンバーが集まったというのは驚きだ。

バンドは、結成当初は5人だったようだが、後に6人編成となった。
元々はジャズ・バンドとしてスタートしたようだが、ジェームズ・ブラウン、デオダート、ハービー・ハンコック、ロイ・エアーズ、フェラ・クティ、カーティス・メイフィールドなどの影響を受けて徐々にオリジナルのバンド・サウンドを構築していく。
2010年にデビュー盤である『Plunge』を発表。
今回紹介する『Moon Town』は2012年に発表された。
各曲のタイトルから判断してコンセプト・アルバムとして作られていると思われる。
内容は全曲ともインストで、いかにも『月の街』を連想させるような静謐な空気を漂わせながら、ソロは熱くバンバン聴かせる。
曲によってはバックに歌詞のない女性コーラスが乗っかると言うところが何ともお洒落。
一応ジャズ・ファンク・バンドと書いたが、基本的にジャズをルーツとしているバンドなのは明らかで、ロック系を祖とするイギリスや、ヒップ・ホップやオルタナと接近しているアメリカのファンク・バンドとは明らかに路線が違う。
どちらかというと日本のクラブ・ジャズ系の好きな人がハマリそうなサウンドだ。
因みに、月夜の街が描かれたジャケットの裏側には『JAZZ』『FUNK』『GROOVES』のネオン・サインが光っている。

楽曲はオリジナル曲中心で、バラエティも意識されている。
『Woman In Neon』は6拍子の変則リズムの曲。
『125th Street and 7th Avenue』はちょっとお茶目な曲(といってもやはり北欧っぽい)。
『City Lights』はアルバム中間で落ち着かせるための小品。
後半ではジョン・コルトレーンの『Impressions』をファンク・アレンジでカバーしている。
お薦めは『Kareem』『Great Escape』『Moon Town』辺りか。

このアルバムはアメリカのラジオのジャズ・チャートで8週に亘りチャート・インしたそうだ。



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今週の一枚 Mauro Ottolini 8 Funk Project / Jazz Funk

2013-07-21 23:46:41 | FUNKY MUSIC
今後3年間の政局を見据えた重要な選挙が終わりました。
どこが勝つかは目に見えていた訳ですが、それでも議席数や当選者の順位、投票率などから、いろいろ読み取ることもできるのではないでしょうか。
そういえば東京の選挙区が異常に盛り上がっていたようですね。

さて、今週の一枚。
これは超お薦めなのであります!

アーティストの名前はマウロ・オットリーニ。
お察しの通り、イタリア人だ。
彼はジャズをルーツとするトロンボーニスト兼チュービストなのだが、かなり多才な人らしく、作曲者、アレンジャーとしても活躍。
活動領域もジャズに留まらず、ポップス、ロック、伝統音楽など多岐に亘っている。
そんな彼がファンク・アルバムを1枚発表しているのだが、それが今回紹介する、その名も『Jazz Funk』である。
(名義はMauro Ottolini 8 Funk Project)
なぜ、『8 Funk』なのか書かれていないが、アルバム収録曲数に由来すると思われる。
実際は9曲だが、最後の曲が1曲目のリプライズだからだ。

正直なところ、こんなアルバムを2001年に発表していたとは、もうやられたという感じである。
なぜ気付かなかったんだろうと。
何しろ最近のホーンを擁するジャズ・ファンクのお株を奪うような演奏がてんこ盛りだからである。

参加しているのはトロンボーン(本人)、トランペット×2、バリトン・サックス、テナー・サックス×2という充実のフロント・セクションに、ギター、オルガン(しかもハモンドC3!)、ベース、ドラム、パーカッションという大編成に加え、ラッパー、ヴォイス(というより大半は掛け声)まで擁している。
ラッパーとヴォーカルは英語圏のようだが、残りの演奏者は全てイタリア人である。
超ノリノリなブラス・ファンクの上に、時にラップやヴォイスが絡んでいく楽曲は、適度なテンポで思わず横ユレしてしまう事は確実。
敢えてコードの数は抑え、大半は1~2コードでひたすらグルーヴを積み上げてくる。
曲の雰囲気はボストン・ホーンズが一番近いが、TOP的雰囲気も漂わせる。
演奏技術はかなり高く、聴き所は満載だ。
因みにCDのジャケットには各曲のソロ担当まで明記すると言う親切な作りで感心する。
全9曲のうち、アフロ・リズムとラップで作られた曲『Tribe Turbolence』があって全体のアクセントになっている。
敢えてお薦めを挙げると、個人的には『8 Funk』『Stop Man』『My Flight』『Acid Ice』だろうか。
ノリノリが高いのを選んだだけなのだが、要は捨て曲がないんである。

いやあ、これヤバイです。
ジャズ・ファンクの隠れ名盤であると断言できる。
イタリアは深いわ~。



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今週の一枚 Martha High & Speedometer / Soul Overdue

2013-07-14 23:44:52 | FUNKY MUSIC
外に出ると、連日の猛暑。
夏ですね。
おまけに夕立(時にはゲリラ豪雨)などもあったりで、ビックリする事もしばしば。
今日の横浜も雷がバリバリいっておりました。

さて、スピードミーターのアルバム『The Shakedown』でゲスト・ヴォーカルとして参加していたディーヴァ、マーサ・ハイが自身のアルバムにスピードミーターを迎えたのが今回紹介する『Soul Overdue』(2012年)だ。

マーサ・ハイと言えば、ジェームズ・ブラウンの歌姫として活躍したベテラン。
しかも、彼女はJBの歌姫としては実に30年以上、リン・コリンズやヴィッキー・アンダーソンなどよりも長く彼と共に活動していた人なのだ。
そんな彼女が、オールド・スタイルなら任せとけと言わんばかりのファンク・バンド、スピードミーターとタッグを組んだら、もう中身は保証されたようなものである。
楽曲はカバー曲とスピードミーターの過去のオリジナル曲から構成されている。
『No More Heartaches』→ヴィッキー・アンダーソン(作曲はJB)
『Trouble Man』→マーヴィン・ゲイ
『Never Never Love A Married Man』→作曲はベント・エゲルブラダ&フランシス・コーワン
『I'd Rather Go Blind』→エタ・ジェイムス
『No Man Worried』→スピードミーター
『Sunny』→ボビー・ヘブ
『You Got It』→エタ・ジェイムス
『Save Me』→アレサ・フランクリン
『You Got Me Started』→スピードミーター
『Mama Feelgood』→リン・コリンズ(作曲はJB)
『Dragging Me Down』→スピードミーター

JBの手になる、かつての同僚の曲が2曲選ばれている。
この辺を聴くと、やっぱりJBの歌姫だなと納得してしまう。やっぱ良いわ。
ゴスペルのキャリアも髣髴とさせるパワフルな歌唱で、聴いているとノリノリになれる。
エタ・ジェイムスは50年代から亡くなる2012年まで息長く活躍したR&B歌手。
亡くなった年からエタへの追悼と思われるが、こちらはかなりブルージーに聴かせてくれる。
『Never Never Love A Married Man』はライナーノートに記載がないのだが、スウェーデンのジャズ・ピアニストであるベント・エゲルブラダとスコットランド人のベーシスト、フランシス・コーワンの作曲コンビが作ったものだ。
残念ながら原曲を誰が歌っていたのか、私には判らないが、この二人が組んでいた時期から察するに70年前後の作品と思われる。
スピードミーターの楽曲のうち、『No Man Worried』『You Got Me Started』はリア・キュリーの歌っていたものを録音しなおしたものである。
『Dragging Me Down』はどうやらアルバム『The Shakedown』からのもののようだが、最後を飾るにふさわしい盛り上がれる曲だ。

スピードミーターの方はバッキングに徹していてソロも抑えられ、ひたすら歌姫を煽っていく。
マーサとのマッチングは実に絶妙で、とても気持ちが良い。



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今週の一枚 Magnum / Fully Loaded

2013-07-07 23:43:21 | FUNKY MUSIC
今回紹介するのはMagnumの『Fully Loaded』。
こいつは所謂レア・グルーヴなのだが、名盤としての評価が高い。
しかも、レア・グルーヴと言われながら、現在は普通に流通しているので気楽に入手できる。
これは非常にあり難いことだ。

普通にマグナムというとイギリスのハード・ロック・バンドなのだが、こちらの世界のみ限定で、たった一枚で姿を消した幻のファンク・バンドという事になる。
こんなのがゴロゴロいたんだろうねえ。

マグナムは、ホーンを擁する8人編成のバンドである。
本とかネットとかいろいろ調べてみたのだが、レア・グルーヴの名盤を出したという事以外に全く情報がない。
ジャケットでのポジションや作曲者のクレジットから察するに、マイケル・グリーンとハロルド・グリーンの、恐らくは兄弟を中心に結成されたのだと思われる。
(あくまでも私の推測ですからね)
74年に本作を発表して、その後姿を消した彼らだが、少なくともマイケル・グリーンだけはエンジニアとして現在も活動しているようである。

肝心のアルバムだが、まるでアクション映画のサントラかと思わせるジャケにまずは目が行く。
一瞬勘違いして買う人いるって。
ジャケット上部にはさり気なく『FROM THE ORIGINAL MASTER RECORDINGS』という文字が。
もちろんこれも映画のサントラ盤を意識したデザイン上の遊びである。
70年代前半に既にこういう遊びをやってたんだねえ。

バラエティにも気をつけて作られている各曲だが、全体の雰囲気をかなり強引に例えるなら、JB'sにスライを絡ませたような感じと言えば伝わるだろうか。
各曲について書くと、『Evolution』、こいつの真っ黒いベース・リフと『エヴォッルーッションッヌァッ!』という歌い方がたまらない!
特に、ベースの休符の入り方がもうシビレる!
『Your Mind』は、結構凝ってる。コーラス・ワークで魅せる曲だが、仕掛け満載でブルース調からファンクに変貌する。
『Natural Juices』は、ロック調なリフに途中でサイケっぽくエフェクトをかけたホーンだのナレーションが入っていて、これはかなり面白い。裏にうっすら入ったオルガンも気持ちよい。
『It's the Music That Makes Us Do It』と『Funky Junky』は、踊れる事間違い無しのハッピーな楽曲。お勧め。
『Composition Seven』は、プログレッシヴな展開を見せる約10分のインスト大作。これだけで一つの映画っぽい。リズムはラテン系でひたすら押すのだが、途中で仕掛けを挟みながら徐々にリズムが盛り上がっていく。少し『処女航海』っぽい雰囲気も。

非常に心地よいグルーヴに包まれながら、一筋縄ではいかない仕掛けも施され、聴き所がふんだんにある良作と言って良いだろう。



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