indigo YOKOHAMA

横浜を拠点に活動する社会人JAZZ FUNK BAND "indigo YOKOHAMA"のバンドブログです。

今週の一枚 Bluey / Leap Of Faith

2013-08-25 21:29:56 | FUNKY MUSIC
今回は前週に続いて、インコグニート関連を採り上げる。
というより、まんまインコグニートの人であるが。

今年の3月に発売になったブルーイの『Leap Of Faith』、意外な事にこれが初めてのソロ作だったのである。
しかも、全曲オリジナルでご本人が歌唱という、そう来ましたか、みたいに驚かせる内容であった。
因みにプロデュースはリチャード・ブルとの共同名義である。

自身のバンド、インコグニートにおいて強力なラインナップのヴォーカリストを擁して、これでもかとハイ・クォリティなサウンドを放ってきた彼がどんな歌声を聴かせるのかと、少々疑問だったが、これは無用な心配だった。
彼自身はパワフルに歌える訳ではないが、どうしてどうして!
雰囲気出てるじゃないですかっ!
クールで抑制的なアーバン・ソウルにとってもオトナなブルーイのヴォーカルが絶妙に溶け込んで良い感じ。
バンド・サウンドとの違いを出すためか、あまり仕掛けは施さず、楽器のソロ・プレイもフィーチャーせず、ひたすらのヴォーカル押しである。
これはこれで良いのではないか。
各楽曲のクォリティは折り紙付きの素晴らしさ。
インコグニートの活動歴は30年以上になる訳だが、いつも感じる安定感がここでも存分に味わえる。
インコグニートと較べると、アルバム全体の抑揚に欠けるという見方も出来るが、自動車の運転などにはちょうど良い作品だ。

あえて変化どころを挙げるなら6曲目の『Live Like A Millionaire』はCharles Wright & The Watts 103rd Street Rhythm Bandの『Express Yourself』風のナンバー。
8曲目の『Sky』はちょっとボサノヴァ風。
なんかこのテイスト、リール・ピープルっぽい。
この辺は親交があるから、当然な気もするが、全体的にラスムス・フェイバーとかリール・ピープルを聴いてる人にはお薦めできそうである。




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今週の一枚 Beggar & Co / Sleeping Giants

2013-08-19 01:22:03 | FUNKY MUSIC
今回はウチのギターから推薦されたバンドをご紹介。
因みに彼は私など歯が立たないぐらいファンクやソウルの造詣が深く、CDの所有枚数も私の比ではない。

Beggar & Coは1980年代から現代に至るまで活動を続けているバンドである。
その前身はLight Of The World。
実はこのバンド、インコグニートのブルーイが参加していたバンドである。
確かに、ベガー・アンド・カンパニーとインコグニートの間にはどこかしら音楽性の共通点が見出せるのだ。
つまり、インコグニートのファンには是非モノのバンドと言えるかも知れない。

ベガー・アンド・カンパニーはケニー・ウェリントン(トランペット)、デヴィッド・バプティスト(サックス、フルート)、ブリーズ・マックリース(ギター)の3名を中心メンバーとし、他は楽曲によって替わっているようだ。
80年代にイギリスのシングル・チャートを賑わす存在だったが、アルバムについては81年に『Monument』というデビュー作(当時はまだアナログしかない)を発売してから、しばらく音沙汰が無く、90年代に至ってはシングルも発表された形跡がなく、もっぱらコンピレーション・アルバムに過去のシングルが収録されるのみという状況だった。
だが突如、彼らは息を吹き返した。
2007年にライヴ盤でもある『Brass String N'Things』を発表。
2011年にスタジオ録音の『Legacy』を発表。
そして2012年に発表されたのが、今回紹介する『Sleeping Giants』である。

参加しているメンバーは、復活後はある程度固定化してきているようだが、録音をロンドンとLAで行なった関係からか、過去に参加していないメンバーもチラホラ見える。
楽曲はインストあり、ヴォーカルありのアーバンなジャズ・ファンクで、インコグニート好きな人なら概ね気に入ると思われる。
あえて違いを指摘するなら、インコグニートなら個性あふれる女性ヴォーカルを積極的にフィーチャーしているが、ベガー・アンド・カンパニーの場合は、コーラス・ワークの方がメインとなっている事か。

アルバムのハイライトは冒頭のヴォーカル曲『If You Love Me』、3曲目の『Summer Is Here At Last』、11曲目の『Rise Of The Phoenix』あたりか。
5曲目の『Street Life』は鉄板と言って良いクルセイダーズの名曲のカバーである。


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今週の一枚 George Duke / Guardian Of The Light(ライト・メッセージ)

2013-08-11 23:39:56 | FUNKY MUSIC
今回は、先日のジョージ・デューク死去に寄せて今週の一枚を書きます。

ジョージ・デュークは75年にCBSと契約したあたりからクロスオーヴァーに留まらずファンク、R&Bに急速にシフトしていく。
これは大成功を収め、77年の『Reach For It』はR&B部門4位、総合25位にチャートインしていた。
コテコテの(日本やヨーロッパの)ジャズ・ファンはそれが面白くなかったらしく、アース・ウィンド&ファイアっぽいサウンドを目指した『Follow The Rainbow』発表後のベルリン・ジャズ・フェスティバルでは様々なものを投げつけられ、ステージを降りるハメに陥ったとライナーノーツに書かれている。
今でこそ、とやかく言う人は少なくなったのだろうが、この頃から既にジャズ権威主義みたいなものがムクムクと頭をもたげていたのだろう。
その人の紹介に『○○音大卒』とか『△△に師事』とか、やたら『肩書き』が多いのはクラシックとジャズ系ミュージシャン、と相場が決まっている。
それはさておき、途中にクラーク・デューク・プロジェクトを挟みながら、ジョージ・デュークはチャートの上位に顔を出すアルバムを安定して発表していく事になる。
その中でファンク・R&Bアルバムとして、もっとも完成度が高いと(個人的に)思われるのが83年の『Dream On』。
それと80年の『A Brazillian Love Affair』もブラジル音楽を取り入れているが、傑作と言ってよい。
だが、今回紹介する82年の『Guardian Of The Light』もなかなか捨てがたいのである。

アルバムは何とコンセプト・アルバムになっており、ジャケットには『Musical Fantasy』というオリジナル・ストーリーが曲に沿って書かれている。
(国内盤には和訳が付いている)
生命の結晶『クリスタル』(ムムッ!)を巡るファンタジー作品なのだが、内容は割愛。
当時は『宇宙』からやってきたディスコ戦士が多かったような気がするが、こちらは幻想世界からやって来たらしい。
ファンタジー寄りなのは、彼がジャズ系出身だからだろうか(ある意味リターン・トゥ・フォーエヴァー的な?)

因みに参加メンバーは、ベースにバイロン・ミラーとルイス・ジョンソン!
ホーン・セクションにシーウィンドのジェリー・ヘイ、ラリー・ウィリアムス。
バッキング・ヴォーカルにリン・デイビス、ジェフリー・オズボーン。
ギターのマイク・センベロは、スティーヴィー・ワンダーやハーヴィ・メイソンの作品にも参加しているスタジオ・ミュージシャン。
ドラムのジョン・ロビンソンも同じくスタジオ・ミュージシャンでクインシー・ジョーンズのプロデュース作品(マイケル・ジャクソン含む)に数多く参加している。
ストリング・セクションも入り、なかなかゴージャスである。

ジョージ・デュークはフェンダー・ローズやピアノに加え、ミニ・ムーグやアープ・オデッセイ、コルグのポリシックスなど、当時最新のシンセサイザーを使いまくっている。
もちろんヴォコーダーもだ。時代ですなあ。
ファルセット・ヴォイスを生かしたヴォーカルでも大活躍している。

楽曲はファンタジーなストーリーに合わせて荘厳なテイストもあるが、冒頭の『Overture』のキメまくりなインストからノン・ストップで『Light』に入る辺りでグッと引き込まれる。
それと何といっても『Reach Out』のカッコよさ!
このルイス・ジョンソンのベース・プレイは最高。
そして、ジョージ・デュークお得意のバラード・ナンバーも秀逸で、『Born To Love You』や『Give Me Your Love』などでセンチメンタルなフレーズを堪能できるだろう。

アルバムはジャズ部門17位。R&B部門46位、総合147位を記録した。



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追悼 ジョージ・デューク死去

2013-08-09 00:48:24 | FUNKY MUSIC
キーボーディストのジョージ・デュークが去る8月5日に亡くなりました。
享年67歳。慢性リンパ球性白血病だったとか。
かなり最近まで活動をされていたのに、実に残念です。

もともとジャズ・ピアニストとしてスタートした人ですが、『普通の』ジャズに留まらず、クロスオーヴァーやR&Bまで幅広く活躍した人でした。
しかもキーボードのみならず、フィリップ・ベイリーも真っ青のファルセット・ヴォイスで歌もこなしてました。

個人的には、歌物を積極的にやっていた70年代後半から80年代前半のR&B系のアルバムがお気に入りでした。
アルバムで言うと『A Brazilian Love Affair』(これはブラジルものだけど)から『Rendeveuz』あたりの期間。
この頃はディスコ・ヒットも飛ばして来日も果たしてますね。
その時のライヴを収めているのがこちら。



1983年の渋谷公会堂でのライヴです。

冒頭からショルダー・キーボード(もはや遺跡)を担いで文字通り暴れまくります。
ライヴ用のインスト曲でスタートしてから『Reach Out』(私の愛聴曲)になだれ込む。
キーボード・ソロの時は通常のシンセサイザーのポルタメント(ウネウネやるやつ)にアクリルのレバーを取り付けて操作を見やすくしてたりしてるというサービスぶり。
ベースはバイロン・ミラーじゃなくてルイス・ジョンソンなんですが、こちらもバッキバキ。
ライヴではもう大活躍でした(ソロ中に弦切ります)。
ギターはポール・ジャクソンJr。安定感あるわ~。
更にはドラムにスティーヴ・フェローン、シンセサイザーにロバート・ブルッキンズとこれまた実力者を揃えたという凄い布陣でした。

輸入盤にも関わらず日本公演でリリースしたのはなぜなんだろう。
ジョージ・デュークに限った事ではないが、日本でのライヴをアルバムやビデオの発売に選ぶアーティストが多いのは、日本のファンとの間に特別な一体感を味わったからではなかろうか。
ジョージ・デュークの場合は1回限りの特別編成だったらしいが、それにしてもこんなものを残してもらって、日本のファンは幸せモノですよ。

因みに彼の最後の来日は、2年前のDMSというプロジェクト(デューク・ミラー・サンボーン)だったのではないかと思うが、東京JAZZのステージで彼の雄姿を拝めた事を、自分の大事な思い出にしようと思います。

安らかに。



PS)紹介したDVDを一応アマゾンで調べてみたら、まだ販売してますが、凄まじいプレミアが付いてます、う~ん。



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今週の一枚 Rufus Thomas / Do The Funky Chicken

2013-08-04 22:19:53 | FUNKY MUSIC
今週の一枚はルーファス・トーマスの『Do The Funky Chicken』を紹介する。

ルーファス・トーマスは60~70年代に活躍したロックン・ロール、R&Bシンガーだ。
活動していたのはメンフィス。
所属レーベルはスタックスである。
1959年に自身の娘カーラと録音した『Cause I Love You』がヒットしたことにより、スタックス最初のスターとなった。
生まれたのは1917年で彼が表舞台で脚光を浴び始めたときは既に40代だったというのが凄い。
ただ、この時の彼はまだローカル・タレントに過ぎず、彼が本格的にスターになるのはアトランティックが全米への供給するようになる60年代後半で、この時既にアラフィフに突入していた訳である。
なんとも遅咲きな!

『Do The Funky Chicken』は70年に発表されたアルバムで彼が一番油が乗っていた時期のものだと言える。
アルバムは裏ジャケットにちょっと驚いたような顔のルーファス。
ぱっと見、メイシオっぽい。
髪と髭には既に白いものが混じっている。
貫禄はバッチリだ。

楽曲は初期のロックン・ロールでかなりご機嫌。
バッキングにはしっかりホーンセクションも入っている。
そして彼の声は本当にオッサンそのもの。
そこがメチャクチャ良い。
パワフルでちょっとしゃがれた感じがとても味があり、時には鶏や猫の声マネが入ってたりして面白い。

CDには全19曲が収録されており、後半の8曲がボーナス・トラックである。

アルバムはR&Bチャートで32位。
シングルは『Do The Funky Chicken』がR&Bチャートの5位、『Sixty Minute Man - Part II』が42位、『The Preacher And The Bear』が42位を記録した。


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