やはり起きたかという事件が起きた。中国製練り歯磨きにジエチレングリコールが入っていて、健康被害が海外で続出している事件である(下記は2007年6月2日Nikkei Netからの引用)。
「中国製練り歯磨きは使用回避を」米FDAが異例の警告
【ワシントン=藤井一明】米食品医薬品局(FDA)は1日、中国製練り歯磨きの使用を避けるよう全米の消費者に警告した。使用中でもラベルなどの確認を促し、中国製の場合には廃棄するよう呼びかけた。人体に有害な物質、ジエチレングリコールの混入が懸念されるためだと説明している。ある国で生産された商品についてブランドを問わず危険性を警告するのは異例だ。ジエチレングリコールは不凍液や溶媒に使われる物質で、独特の甘みがある。大量に摂取すると吐き気や頭痛、下痢などの中毒症状が現れる。FDAは中国製の練り歯磨きによる中毒を直接確認したわけではないとしながらも、現状では子供や腎臓、肝臓の疾患を抱える人が健康を害する恐れがあると認めた。同時に中国メーカーによる11のブランドを特定し、ジエチレングリコールを含んでいたとして輸入を禁じた。これらの商品は主に安売り店で売られていたという。(10:43)
実はなぜ「やはり」と書いたかというと、10年ほど前から中国の歯磨き粉にはジエチレングリコールが入っているから注意するようにといわれていたからだ。ジエチレングリコールは工業用溶剤、ブレーキ液、不凍液、燃料添加剤などさまざまな用途に用いられているが、中国国内では価格の安さからジエチレングリコールがブローカーを通じて歯磨き粉の製造工場にも卸されていた。
中国ではとかく食品や医薬品の安全性が軽視されていると感じる。日本に輸入されたダイエット薬で死亡事故が多発したのは記憶に新しいが、日本で承認されていない「フェンフルラミン(食欲抑制成分)」「N-ニトロソーフェンフルラミン」が入っていたことが原因だといわれている。街角の薬局で売られているダイエット薬「曲美」に食欲抑制成分が入っていることは前から知っていたが、今でも撤去されることもなく平然と売られている。
さらに2003年には安徽省や河南省で悪質な粉ミルクで100人以上の乳児が死亡した。突然赤ちゃんの体の変形や脳の肥大を起こす症状を起こす事件が頻発したため原因を調査したところ、同省で売られている粉ミルクが原因だとわかった。当時同省で売られている粉ミルクの60%が品質不合格で、蛋白質が極端に不足していたという。当時私は乳飲み子を抱えていたため、この事件には非常に神経質だった。
また今年広東省を中心にニセ食塩が流行した。原因は工業用の亜硝酸塩や製塩工場の廃液から作られた純度の低い塩だといわれている。亜硝酸塩の致死量は3グラムといわれており恐ろしい。純度の低い食塩は少量でも長期間摂取すると慢性腎不全を引き起こし、癌にいたる可能性があるという。
練り歯磨き、ダイエット薬、粉ミルク、ニセ食塩の全てに共通することは、顧客の健康被害を考えないでコスト一辺倒で何も考えずに販売する拝金主義である。米FDAが練り歯磨きについて異例の警告を出してはじめて中国政府が重い腰をあげたが、これはSARSの時の行動と全く同じ。根本的に何も変わっていないし、この分野で中国政府を信用することが間違っている。根本的にこの国の食品や医薬品の安全性が信じられないし、中国ではたとえ高コストになっても自衛するしか手段はないだろう。
「中国製練り歯磨きは使用回避を」米FDAが異例の警告
【ワシントン=藤井一明】米食品医薬品局(FDA)は1日、中国製練り歯磨きの使用を避けるよう全米の消費者に警告した。使用中でもラベルなどの確認を促し、中国製の場合には廃棄するよう呼びかけた。人体に有害な物質、ジエチレングリコールの混入が懸念されるためだと説明している。ある国で生産された商品についてブランドを問わず危険性を警告するのは異例だ。ジエチレングリコールは不凍液や溶媒に使われる物質で、独特の甘みがある。大量に摂取すると吐き気や頭痛、下痢などの中毒症状が現れる。FDAは中国製の練り歯磨きによる中毒を直接確認したわけではないとしながらも、現状では子供や腎臓、肝臓の疾患を抱える人が健康を害する恐れがあると認めた。同時に中国メーカーによる11のブランドを特定し、ジエチレングリコールを含んでいたとして輸入を禁じた。これらの商品は主に安売り店で売られていたという。(10:43)
実はなぜ「やはり」と書いたかというと、10年ほど前から中国の歯磨き粉にはジエチレングリコールが入っているから注意するようにといわれていたからだ。ジエチレングリコールは工業用溶剤、ブレーキ液、不凍液、燃料添加剤などさまざまな用途に用いられているが、中国国内では価格の安さからジエチレングリコールがブローカーを通じて歯磨き粉の製造工場にも卸されていた。
中国ではとかく食品や医薬品の安全性が軽視されていると感じる。日本に輸入されたダイエット薬で死亡事故が多発したのは記憶に新しいが、日本で承認されていない「フェンフルラミン(食欲抑制成分)」「N-ニトロソーフェンフルラミン」が入っていたことが原因だといわれている。街角の薬局で売られているダイエット薬「曲美」に食欲抑制成分が入っていることは前から知っていたが、今でも撤去されることもなく平然と売られている。
さらに2003年には安徽省や河南省で悪質な粉ミルクで100人以上の乳児が死亡した。突然赤ちゃんの体の変形や脳の肥大を起こす症状を起こす事件が頻発したため原因を調査したところ、同省で売られている粉ミルクが原因だとわかった。当時同省で売られている粉ミルクの60%が品質不合格で、蛋白質が極端に不足していたという。当時私は乳飲み子を抱えていたため、この事件には非常に神経質だった。
また今年広東省を中心にニセ食塩が流行した。原因は工業用の亜硝酸塩や製塩工場の廃液から作られた純度の低い塩だといわれている。亜硝酸塩の致死量は3グラムといわれており恐ろしい。純度の低い食塩は少量でも長期間摂取すると慢性腎不全を引き起こし、癌にいたる可能性があるという。
練り歯磨き、ダイエット薬、粉ミルク、ニセ食塩の全てに共通することは、顧客の健康被害を考えないでコスト一辺倒で何も考えずに販売する拝金主義である。米FDAが練り歯磨きについて異例の警告を出してはじめて中国政府が重い腰をあげたが、これはSARSの時の行動と全く同じ。根本的に何も変わっていないし、この分野で中国政府を信用することが間違っている。根本的にこの国の食品や医薬品の安全性が信じられないし、中国ではたとえ高コストになっても自衛するしか手段はないだろう。
歯磨き粉にそんな問題が隠れていたとは。
ある意味、FDA(アメリカのFOOD and DRUG ADMINISTRATION)の審査に全て通すとか、世界共通の審査があれば便利だと思うのですが。
それから、日本は厚生労働省の審査に時間が掛かりすぎたりしてするのが問題になりますが、こちらは逆にアメリカのfdaをクリアしたものは、簡単な審査でスピードアップできるようにしたらいいのですが。(実際にその方向で審査が早くなっている薬もあるようだ)。
医療機器では、通常ヨーロッパ(ドイツとかイギリスなど一部の国)→アメリカ→日本、の順に時間軸としては臨床治験(や審査)が可能なので、上記の順で発売もするらしい。いつも日本はアメリカより送れた世代の医療機器が認可されていて、輸入されます。
しかし、仮に中国の審査が早くても、審査があまりにもいい加減であると、恐ろしくてその審査結果は鵜呑みに出来ませんね。