The Tsinghua Way !! (中国MBA報告)

中国北京の清華大学で06年9月より奮闘した知られざる中国MBAの体験記。08年7月に卒業しました!

中国航空業界の規制緩和と民間開放

2006-11-14 | クラス
Microeconomicsという授業で1月頭までにチームで一つの論文を書き上げなければならない。昨日書いたOrganizational Behaviorとは別にまた一つのチームを作って課題を決めようとしている。自分の属するチームは中国人3人、韓国人1人(ソウル大学卒業の韓国財閥系企業からの派遣生)による構成。先週の金曜日に課題を決めようとして2時間あまりディスカッションしたが決まらなかった。課題は豊富にあるのだが、どのような構成にするかストーリーが描けなかった。この課題には「中国国内の産業または企業を取り上げて、microeconomicsの論理を用いて分析する」という条件がついている。

私はどの産業分野を問わず、中国が改革開放後どのように市場原理を取り入れて開放しようとしてきたかに非常に興味がある。いわば規制緩和である。しかし例えば携帯電話分野ひとつとってもいまだに2社寡占体制。本当の意味での規制緩和には程遠い状況である。チーム内ではなるべく多くの参入が許された分野を取り上げたいという意思があった。

そこで私が提案したのが中国航空業界の規制緩和。アメリカの航空業界では70年代以降規制緩和が行われて、多くの企業が参入した。アメリカの航空業界の規制緩和については既に多くの論文が出されているが(Southwest Airlinesなどケースにも取り上げられている)、中国の航空業界の規制緩和を取り上げた例はまだ少ない。

中国の航空業界は90年代初頭に中国民航が分割された後に地方の航空会社も多く参入した。しかし過当競争により航空運賃が下落し経営難に陥る企業も現れた。その後政府指導により90年代末に現在の三社グループ+α体制が出来上がった。しかし昨年から春秋航空といった民間航空会社も航空業界に参入、民間開放により再び規制緩和が起きている。中国らしいアクセルとブレーキを踏む規制緩和である。

今日再びチームでミーティングを開き、この課題を取り上げることを正式に決めた。この課題の締め切りは1月初旬。これから1ヵ月半あまり、中国を含む各国の航空業界の規制緩和に関するケースを多く読むことになるのだと思う(写真は政府指導で中国南方航空と合併することになり姿を消した幻の中国北方航空)。


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