函館港イルミナシオン映画祭 会期中広報「イルプレ」

函館港イルミナシオン映画祭開催期間中情報をリアルにお届けする「イルプレ」です。

開会式☆

2006年12月01日 | 2005
17:15からあがた森魚さんのギター演奏で開会式が始まりました。開会式前には入り口に多くの人が並び、今年の始まりを心待ちにしているようでした。
演奏前にあがたさんは「このまちへの愛着からこの映画祭に参加させてもらうことになりました」と話し、演奏がスタート。

米田哲平実行委員長の挨拶の時には約20人の実行委員がキャンドルを手にステージへ。
同時にシアターのカーテンが開けられ、窓一面にははこだての夜景が輝いていました。

米田実行委員長は
「こんばんは。今年もはこだてイルミナシオン映画祭へようこそ。はやくも今年で13回目を迎えました。毎年足を運んでくれる皆さまに大変感謝しています。これからも皆さまの力を借りてこの映画祭を続けていきたい」とあいさつしました。 
 

講演『コミュニティ・シネマ、そして映画祭』中島洋さん(シアターキノ)

2006年12月01日 | 2005
毎年、函館の映画祭には来ているが今年は初めて話す側として参加しました。
国内、海外含めて映画祭にはよく行きます。夕張にも毎年参加していました。
その中で映画祭の魅力を強く感じます。

実は昨日、米田さんから事前打ち合わせの誘いが入っていたのですが、昨日はシアターキノでレディースデーだったために来ることができませんでした。
函館にはJRで先程着きました。

今年シアターキノで上映している私のベスト1である『麦の穂を揺らす風』はとても素晴らしい映画だと思います。だけど、映画を見終わったあとには、観客はみな下を向いて帰るんですね。とても良い作品なのにこのような反応だとどう宣伝するかということになりました。
まさかこんなにヒットするとは思わなかったのでこうなったのは、かなりのレベルの作品だと感じます。

しかし、混むことを予想していた昨日のレディースデーはそんなに人が入りませんでした。
土日は混んでいたので昨日も混むことが予想されたのに何故なのでしょうか。
そう考えたとき、一般に知られている作品の上映時にはシアターはパンクします。

理由はまず一つ目にテレビなどでおすぎさんが宣伝していたり、何度もCMなどで宣伝されていたりすることから話題性を作って持ち出されるパターンがあること。

もう一つは、映画を本気で見たいという映画ファンがレディースデーなど、人が多く入る日を避けて見に来ていること。この話題性でとりあえず見てみようという宣伝の影響と映画をとにかく見たいという人たちの層が分かれていることがわかりました。

先日、NPО団体で中学生と映画についてのワークショップを行いました。そこで知りあった中学生に映画館の利用や映画をどれだけ見るのかを聞いてみました。
最近の子どもは、映画館利用はアニメなどを小さいときに見たくらいで他の有名な作品はDVDで借りるのがあたりまえになっているのが現状です。

今の時代、生まれたときにはケータイ社会、メールでの通信という社会の中で、子どもたちに手紙の必要性をどう教えようか。
インターネットは、今までの映画流通を大きく変えることになるでしょう。
音楽業界ではi-podがあたりまえになったように、みんなが同じ場所に集まって一つのものを見る映画館よりこれからDVDやインターネットが先に作っていくことになるのではないだろうか。
映画館よりもDVDの売り上げの方が高い現在ではネットなどで映画が発信される映像文化になっていく可能性があると考えられます。

You Tubeが広まったのは、有名な作品から古い作品、マニアックな作品まで見ることができます。
シアターキノでは年間150本の映画を上映しています。その多様性が今後ネット上に移行していくが、その時の映画館の役割は何かというと、地域(コミュニティー)との連携です。ミニシアターの独自の企画力と地域との連携で存続していかなくてはならない。私たちの企画力で本当に届けたいものは何か、本気で伝えていくものは何か。

それは日常的にやっていけるもの、映画祭のような要素のものが必要になってきます。
このはこだてイルミナシオン映画祭でも、この三日間だけが祭ではないのです。
日常的な通年のものにするべき。トータルな意味での祭である必要があると思う。

コミュニティーシネマとして、北海道に多く存在するシネマをなんとか活用したい。そのために現在ではメーリングリストで意見を交換しあい、行政に提案するネットワークを考えています。
映画という文化は私たち映画にかかわる人間には衣食住の次に大切なもの。映画を糧にしてこれからの映画文化を続けていきたいと思います。