今日の一貫

富里は明日の農業を作る基地になりそうだ。ニチレイフーズとLLP立ち上げ

「千葉県の奇跡」を講演ネタにしてからもう10年以上時間がたつ。
県農協中央会が最も弱い農業地帯と揶揄されてきたが、90年代初頭には、農産物産出額で茨城を抜き、北海道を除いた全国一になった。
つまり農協統制の強弱と農業の発展とは何ら関係ないと言うことだ。

それ以来、千葉の農業は新たなビジネスモデルを作り他県をリードしてきた。
富里もその一つ。御料牧場も近辺にあり、入植などで農業がやり易いところなのかも知れない。

それもあってか、JA富里、農業生産法人との提携によるイトーヨーカ堂の農業参入では一躍話題になり、新たな農業参入モデルを作り、関東一円への拡大のきっかけになりそうな雰囲気。

今回は、富里の農業生産法人が冷凍会社ニチレイフーズと共同会社を作り、青果物の集荷・貯蔵・加工・流通センターを作るという構想。

富里には、もともと有機野菜を出荷するテンアップファームというおよそ200戸ほどの農家が参加する農業生産法人がある。
テンアップファームと冷凍食品メーカーニチレイのニチレイフーズが共同出資して「ベジポート」というLLPを設立。
LLPとはいえ、資本金は5億だという。
初年度2240トン、作付面積にして約53ha出荷で、で販売額5億を目指すという。
LLPの形態をとったのも、農業者との共同出資会社に適合的と考えたからだろう。規模は違うが、角田の農家販売集団「アグリット」もLLPだ。
ベジポート、、Vegitable-Portなのだろう。

物流は、テンアップファームの既存出荷先を含め、ニチレイフーズの販売網を利用して拡大する予定のようだ。
ニチレイフーズは、この共同加工施設のモデルを各地に作り国内展開を図る。

それも、食の安全志向に対応するのだろう。
ニチレイフーズ、10月には、中国差輸入インゲンに農薬ジクロルボス混入事件で下期30億円の売り上げ減。

こうしたことから、ニチレイも国産回帰戦略の一つとしてこうした戦略を強めることになった模様だ。ただ以下のHPによれば、LLPベジポート設立は、既に1年前の昨年10がつになっている。ということは、輸入インゲン事件とは関係なく進めていたということか。


以下ニチレイフーズHPより
農業生産法人テンアップファームと設立したベジポートLLPによる
青果物流通拠点センターの建設について

ニチレイグループの株式会社ニチレイフーズ(代表取締役社長・相馬 義比古)は、農林水産省が進めている農業・食品産業競争力強化支援事業の一環として、『野菜低コスト供給パートナーシップ確立事業』への参画を決定し、農業生産法人・有限会社テンアップファームと提携、ベジポート有限責任事業組合(以下、ベジポートLLP)を2007年10月に設立、2009月4月からの営業開始を目指しております。この度、営業開始にあたり、ベジポートLLPは千葉県旭市内に集出荷・貯蔵・加工が可能な複合型の、青果物流通拠点センターを建設することを決定しましたので、お知らせします。

1. 同組合の狙い
現在、日本の農業は後継者不足や高齢化の進展による労働力不足や過疎化の進展、安心・安全志向の高まりに伴う管理コストの増大、原油価格の上昇等による生産資材等の高騰など、さまざまな問題を抱えております。一方、当社は、素材に拘った食品メーカーとして、国内外を問わず、高品質な農産物の調達を行なってきました。また、近年の原材料価格の高騰、輸入食品に対する品質面・供給面での不安から、調達ルートのひとつとして国内農産物の調達強化が重要課題となってきております。この為、農産物の生産者とユーザーが共生の理念に基づき、国産野菜の新たな生産・加工・流通・販売の推進、低コスト化・高品質化・高付加価値化の推進、そして農業生産者の再生産価格の維持といった取組を通して、日本農業の再生に貢献しながら、国産野菜の長期的・安定的・継続的な調達を目指しております。この目的達成の為、国内農業生産現場に強い影響力を持ち、且つ先進的な農業生産者である(有)テンアップファームと共同でベジポートLLPを設立、この度、青果物流通拠点センターの建設を行います。

2. 同組合の概要
名称: ベジポート有限責任事業組合
所在地: 千葉県富里市十倉一番地
設立年月日: 平成19年10月1日
出資金: 500百万円((株)ニチレイフーズ90%、(有)テンアップファーム10%)
職務執行者: 岡本弘正((株)ニチレイフーズ)、森田健雄((有)テンアップファーム)
売上高: 500百万円(平成22年3月期見込)
事業内容: 1)農産品の生産・仕入・加工・販売事業
2)農産品生産・加工及び経営に関するコンサルティング事業
3)種苗・資材等の仕入・販売事業
4)各前号に付帯関連する一切の事業


3. 青果物流通拠点センターの概要
名称: ベジポート旭センター
所在地: 千葉県旭市鎌数「あさひ新産業パーク」内
敷地面積: 12,000.00m2
延床面積: 3,167.78m2


4. 事業内容
ベジポートLLPでは産地・小売間でのピストン輸送を可能にする「通いコンテナ」に対応した集出荷システムの整備を行い、生鮮野菜を量販店・青果店・外食・メーカー及び㈱ニチレイフーズの各食品工場向けに直接販売致します。これにより、農業生産・青果物の流通に関わる農家の労働時間及び資材コストの低減を目指します。また、付加価値を付けながら、全ての生産物を利用可能ならしめる加工施設の整備により、農業生産物の利用率の増大を図ります。同時にユーザーが求める、使いやすい野菜を作る為の新たな栽培管理手法の確立や、品種改良、そして安全・安心の為、農業生産のHACCPとも言えるGAP※に対応した生産管理、及び契約栽培の普及活動を行います。更にこれらの事業活動の中で、ベジポートLLPは完全循環のゼロエミッション(廃棄物ゼロ)を実現させる為の手段、環境配慮型「3R※※の農業」を目指します。
※GAP(ギャップ)とは、Good Agricultural Practiceの略称で、トレーサビリティー、栽培管理、肥培管理を含めた総合的な農業行動規範のこと。
※※3RとはReduce(不必要な資源の使用を極力抑え、廃棄物を減らす)、Reuse(再使用できるものを使い、使い捨てを減らす)、Recycle(廃棄物は出来るだけ外に出さずに処理する)。

5. 今後の予定
2008年12月 流通拠点センター建設着工
2009年3月 流通拠点センター竣工
2009年4月 営業開始

6. 取扱予定品目及び年間取扱予定数量
取扱予定品目:にんじん、トマト、ほうれん草
年間取扱予定数量:2,240トン(作付面積:約53ha)

<ご参考>
【農業生産法人 (有)テンアップファーム概要】
本社所在地: 千葉県富里市十倉1310-1
設立年月日: 平成17年3月7日
資本金: 300万円(平成19年2月期)
代表者名: 代表取締役 森田 健雄
事業内容: 農産物生産販売

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