日本農業新聞の山田優さんが伝えている。
タイのコメ輸出量が世界一なのはよく知られたこと。
タイにとっては貴重な外貨を稼ぐ元になっている。
ところがそのタイ米、国内価格の高騰のあおりを受け、輸出が伸びないのだという。政府買い入れ価格を人為的に高止まりさせてるのが原因。
高米価は経済のためならず、、といった記事だ。
(以下引用)
タイ米輸出減速/安価なベトナム産台頭 在庫放出度合いが鍵
2009/08/16 日本農業新聞 5ページ 1077文字
世界最大の米輸出国タイ。昨年は1000万トンを超える精米輸出量を誇ったが、今年に入ってから急ブレーキがかかった。国内の高米価政策で輸出価格が下がらず、安価なベトナム産に市場を奪われているためだ。タイ政府は在庫の放出やトップセールスで輸出回復に力を入れている。
*
タイのアピシット首相が14日、フィリピンを訪問し、アロヨ大統領と会談した。10月に予定される東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議について話し合ったが、同時に同首相はタイ産米を売り込んだ。需給が逼迫(ひっぱく)していた1年半前には同大統領が米の輸出をベトナムなどに依頼していたが、立場が逆転した。
14日の国際米相場(ライス・オンライン調べ)は指標となるインディカ種「白米100%B」でタイ産が1トン560ドル(1ドル95円)。競合相手のベトナム産が400ドル。「品質の違いはあるが、これだけ価格が違うと市場でタイ産の競争力は格段に落ちる」。シンガポールに本拠を置くライス・トレーダー紙のV・スーブラ編集長はこうみている。
世界の米生産量4億4000万トンの中で、タイの生産量は2300万トン程度で、中国の1億2900万トンやインドの9360万トンに比べて大きくはない。しかし、輸出量は年々増加してベトナム、インドを抑えて世界最大を誇ってきた。
タイ米輸出が「変調」したのは昨年後半から。国際相場高騰の対応と、反体制派による空港占拠事件などの政情不安を抑えるため、タイ政府は米の買い入れ価格を高めに設定。国際相場は下がったものの、政府買い入れを続け、政府在庫が膨れ上がった。
タイ産輸出は減速し、間隙(かんげき)を突く形でベトナム産が大幅に輸出を伸ばしている。ベトナムは今年、600万トン前後と過去最高水準の輸出量に達する見通しだ。
米農務省などはタイ産の輸出量を850万トンと見込んでいるが、不透明な要素が多い。地元メディアによると、タイ政府は予定していた60万トンの在庫米放出を技術的な問題があるとして最近取り消した。特殊な加工が必要なアフリカ向けに悪影響が出ると報じている。
* タイの米輸出業者協会名誉会長、ビチャイ・スリプラサート氏は「政府はこの夏に買い入れ制度を変更したが、今後具体的にどのように支持価格が決まるのか、どの程度の在庫を放出するのかで輸出数量は変わる」として、政府の政策が確定しなければ先行きが見通せないと指摘する。
一方、スーブラ編集長は「干ばつで競合するインドの減産が見込まれ、タイ産の需要は拡大する可能性がある」として、タイ産の輸出が回復に向かうとの見方だ。
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