今日の一貫

現実的にものを見るのが理性的

農政ジャーナリストの鈴木俊彦さん。今年73歳になられるが、執筆活動は盛んで、農協関係の評論を得意としている。
このほど『協同組合の軌跡とビジョン』(農林統計協会)を上梓した。長らく、農協の出版部、家の光協会に勤めておられた方。

その鈴木さんが、農協の雑誌に「東畑四郎氏が示唆したもの」としてあちこち引用しながら書いている。
①「農業問題は世界経済との関連でその解決を図らねばならぬ」(昭和25年)
②農協の集荷事業は、「物量集荷機関と化し、行政機関化してしまった」(昭和39年)
③農家が豊になり、生じた経済余剰は、郵便局、銀行、生保、株券などを通じ「農業以外の部門へ流出」する事態に驚く、そのカネは農業投資にはまわらず、農協金融が「相互金融」の実をあげにくくなってる(昭和39年)
④「系統3段階は、リスク分散できる反麺、コスト高になる。総合事業を営んでるため、他事業の赤字を補填しがちなで金融効率の点で劣る」
などといった事などをあげている。

農協マンであった鈴木さんが、いまごろ東畑氏を持ち出してこのようなことをいう本旨は、農協や農業界の中に、いまだに現実離れの議論が跋扈しているからだろう。
戦後60年たった今でも、戦争直後から東畑氏が指摘した様な状況把握と異なった主張をする農協マンや学者が多い。

「現実的に物を見ることが理性的であり、理性的であることは現実的なことだ、とのデカルトの言葉を地でいく東畑氏であった」と書いてるが、おそらくこれがもっともいいたいことか。

大学に対しては次のような文章が続く。(東畑氏は)「米については、自主流通米をのばして、食管はだんだん後退していくのが望ましい。東北地方の某国立大学(注 東北大学のこと)では、、、全量国家管理に戻せと、歴史の流れに逆行する主張をしていたのと対照的であった。大学の象牙の塔よりも一歩も二歩も東畑氏の方が進んでいた。」

また農業団体については、「いやぁ、農業団体というのは臭気ぷんぷんでかなわんよ」と、(東畑氏は)苦笑混じりに顔をしかめられたものである」という。

鈴木さん古希をすぎてますます舌鋒鋭くなっている。
これは『虹』という農協OB達の本に書かれたもの。

ただ、農政ジャーナリストもいろいろだ。先頃「集落農業批判」の立場から、果たして事実なのか、と思われるような東北農政局長批判をしていたジャーナリストがいる。このD氏、確かにおもしろい記事も書くのだが、今回の記事、信憑性に問題があると私は感じている。私も裏を取ってみようと思う。

コメント一覧

ikkann
分かってしまいますかねー、書くときは批判に耐えられるようにしておきたいですよね。
Smith
いやその…
Dって……名前わかっちゃうじゃないですか(笑)
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