今日の一貫

戸別所得補償で自給率向上とは

戸別所得補償制度の目的は、
①農家の赤字補填(販売価格-生産費が恒常的にマイナスとなってる作物)によって、
→②農業経営の安定と国内生産力の確保を図り、、
→もって、③食料自給率の向上と農業の多面的機能の維持を図ること、とされている。


しかしこの関係には、無理があると思う。
論理的とは思えない。
この無理を指摘している以下の日経記事は正しいと思う。

以下日経新聞、100811引用

食料自給率3年ぶり低下、戸別所得補償の効果どこまで2010/08/11 00:17 日本経済新聞電子版ニュース 813文字その他の書誌情報を表示
 農林水産省は10日、2009年度の食料自給率(カロリーベース)が08年度よりも1ポイント低い40%になったと発表した。低下は3年ぶり。コメの消費量や小麦の生産量が減ったのが響いた。政府は農家への戸別所得補償の導入などで20年度に自給率を50%に引き上げる目標を掲げるが、政策の効果や目標が達成できるかは不透明な要素も多い。

 「10年度から戸別所得補償も始まり、飼料用米や米粉米などの新規需要米も出ている。自給率向上に向けてしっかり頑張りたい」。山田正彦農相は10日の閣議後の記者会見で、自給率引き上げに自信を示した。

 政府は3月に閣議決定した今後10年の農業政策のあり方を示す「食料・農業・農村基本計画」で、自給率を50%にする目標を定めた。その中核に戸別所得補償制度を据える。農水省は戸別所得補償の対象品目を、先行導入したコメに加え、11年度から大豆や小麦などにも拡大する方針だ。

 農相が自給率向上につながると期待する米粉や飼料用のコメには10アールあたり8万円を支給する。これらは国の助成がなければ生産維持は難しいのが実情だ。パンやめん類の材料になる米粉や飼料用米の価格は、競合する小麦粉や輸入トウモロコシの価格を大きく上回るからだ。

 宮城大学の大泉一貫副学長は「食料自給率の向上には米価維持を狙った政策から脱却し、外国との価格競争力を強化することが重要だ」と指摘する。農家の生産効率を高めることが欠かせない。しかし民主党が10年度から導入した戸別所得補償制度は、兼業農家も専業農家も品目ごとに全国一律の金額を支給し、赤字分も補う。片手間の農家も対象となるため、意欲のある担い手に貸していた農地の返却を求める動きも出ている。

 民主党政権は食料自給率の向上には農業再生が必要と訴える。ただ農業は国際的な価格競争力の強化が欠かせないと長年指摘されてきた。意欲のある生産者を伸ばすための取り組みを進めるべきだとの意見は根強い。
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