毎日更新!中谷比佐子のきもの365日

きもの日記です。さて何を着よう?と思ったときの参考にも

気温14度

2012年02月24日 | きもの
悩みます
久しぶりにダブルスコアの気温です
柔らかい日差しもあります
出来たら結城紬に厚手のショールを合わせて
と家を出発したら
なんとなんとそんな甘いものではなくやはりコートが必要

でも真綿の入ったコートでは――
羽織りにショール
きもの襟のわなビロードのコート
あれこれためし外気に触れたりしながら

「そうだ今日は麻の会に出席夜が遅い」
ということを思い出し
いつものように真綿の入ったコートに落ち着きました
これは例の神父さんコートをアレンジしたもので
襟が立つようになっていて
その立ったところに毛皮のカラーをまくのですが

今日はとも布のショールをあてることにしました

陽のあるうちは熱いかもしれません
そのため大きなバックを持参
20年も使っているバーキンきものにも重宝です

これから三寒四温
きもの選びに悩みます
そのため気温と着たものを手帳に毎日書き込んでいるのですが
昨年のものは全くあてはまりません

今年は今年の着方ですね

これからセリシン化粧の研究家
平尾博士のところに大阪の呉服屋さんをお連れします
市ヶ谷駅で1時の待ち合わせ

急ごう

男の色足袋

2012年02月23日 | きもの
Mさんが
「黒や白の足袋ではなく色足袋を合わせたい」
というご希望
早速「めうがや」さんに連絡して見本を送っていただきました

グレイはもちろん紫や生成り色など10色
みんな美しく品が良く
たまたま来合わせたHさん早速ご注文

男の方はきものを着て親戚の集まりにでると
彼方此方おじさまや大叔父さんたちからきものがやってくる
さすがにいいものが多く
久しぶりにみる大島や結城に感嘆します

丁寧な仕事だと思うのです
大量に作ってたくさんもうけようという姿勢の物作りではなく
糸を大事にしながら
さらには工夫をしながら織り上げていく行程の喜びも中に織り込まれています

たぶん生活的には今より質素だったと思うのですが
精神のゆとりがいいものを作らせたのでしょう
もちろんきもの作りが生業ですから売れなければどうしようもありません
そういう意味では地域の買継商京都や東京の問屋、さらには小売店が
それぞれ見識を持って消費者に手渡していたから
生産者は思い切りのいいものを作れたのだと思うのです

そのようなきものを着ると足袋も懲りたくなるのですね
足袋の次は何でしょう

春の色

2012年02月22日 | きもの
少し寒さが和らいできました
といってもまだまだ
「きものサロン」の新しい号が届きましたが
春の色はピンクとばかり華やいでいます

あなたの春色は何色でしょうか
わたしは一つセオリーがあるのです
自然界にまだ緑の葉っぱのないときは
萌葱色や浅黄色、若葉色などの明るい緑のきものを着て
春を呼び込もうとします

今日も萌葱色の地色に線描のチョウチョウを飛ばした小紋
そして麻地の生成りに土筆や菫の草花を手描きした袋帯を合わせています
帯留めは片栗の花の彫金
春でしょう?

そして緑葉が芽吹き始めると
自然に敬意を表し緑のきものはやめます
しばらくお休みーーー

その頃は黄色を着たくなるのですね
紫も、白もこの春先はとても気分に合います

ですから
春色は私にとってピンクではなく
むしろ色の全くない冬にピンクを着ることが多いです

あくまで私自身の感覚ですのであなたに押しつける気はありません
デモ自然の色を優先する気持ちやはり大切ではないでしょうか?
と思うのですがーー

毛皮のストール

2012年02月21日 | きもの
さすがに引っ張り出しました
毛皮のストール
一昨年暖冬で毛皮はもう必要が無いと思い
毛皮のマントをリフオームして
小さな襟巻きとマフを作りました

今年は其れを後悔しています
「今頃マントがあったら」と思う毎日
なにせ
コートの脱ぎ着が面倒でマントは自分でデザインをしました
マントは肩に引っかけるだけで温かい
めんどくさがり屋にはもってこい

というより
人前で美しいコートの脱ぎ着ができないのです
それだけ

ストールはもっと便利ですが
こちらは極端にフオーマルな雰囲気がが醸し出されます
昔流行った「有閑マダム」みたいなーー
其れでパーテイとか結婚披露宴とかには用いますが
普段はなかなか出番がないのですね

マントを分解してしまったので
ことしはこの正装のにおいのするストールも出番が多い

昔トルストイの小説を読んでいて
「ロシアンシェーブルのストール」を羽織った貴婦人
という描写があり
生きている間に絶対「ロシアンシェーブル」を手に入れよう
と決心して購入したもの

シェーブルが貂だと知らず
「シェーブル見せて」「貂ですねこちら」「いえシェーブルです」
無知丸出しの買い物風景でした

肌も蚕のお世話になる

2012年02月20日 | きもの
天の虫「蚕」の存在は私たち人間にどれだけの幸せを運んでくれたでしょう
睫の10分の一くらいのほとんど点のような「種」から
1万倍の大きさに成長して繭を作ります
本来この繭は蚕自身のシェルパーなので
それはそれは頑丈にできています

もともと蚕は野生でした
天敵から身を守るための知恵として丈夫に作るのは当然
蓑虫などもそのように身を守っています
あのような形で大昔は蚕も外で身を守っていたわけです

さて知恵者の多い人間の手によって
「家蚕」といわれる屋内で飼育される蚕は
茶色や黄色、緑色で身を葉っぱに似せていた蚕を
白い蚕に代えてしまいました

白にすると糸をとって布にしやすいわけです
でも日本人はこの蚕に深く感謝をし
その命のすべてを使い切ることが蚕に対するお礼と考えたわけです

頑丈にできた繭は蚕の吐くセリシンでかためられています
そのセリシンはアミノ酸そのもの
蚕の糸は高質なタンパク質です
そのため食料としても人間に尽くしてくれています

長いことセリシンの研究をしていた平尾博士は
そのセリシンを集め石けんや化粧水、クリームを作り
肌も蚕に守っていただけることになりました