毎日更新!中谷比佐子のきもの365日

きもの日記です。さて何を着よう?と思ったときの参考にも

きものと骨

2011年09月30日 | きもの
骨の美しい人はきもの姿が綺麗です
骨というのは遺伝子だと思っていたのですが
そうとばかりはいえないようです

家の近くにスポーツクラブが出来た折
泳げない私はそこで個人レッスンを受けました
青春時代夏になると病気をして
水に入れなかったのですが

きものを着るようになってから健康になり
やっとプールに入りました
そのあとサウナに入るのですね
この時女の人の裸体をたくさん見て
骨の美しい人は性格もいいなあと分かりました

骨のがさつな人も
ブラジャーやガードルで体の線は補正できます
でも骨は美しくないので
立ち居振る舞いが雑に見えるのです

きものは
骨のありようがそのまま出るので隠しようがありません
そのため昔の人は
日本舞踊やお仕舞い、地唄舞、剣道、弓道、茶道などで
骨を美しくしていたのでしょう

日本芸能で骨の矯正が出来るのですね
でもそのような目的を持って教えている方は
最近は少ないそうです

しかし
きものを本来のありようで着ることは
骨を美しくする第一歩です
ですから生身をどう生かすかが大事だと思います



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結城のきもの

2011年09月29日 | きもの
今日は11月6日の結城紬ユネスコ文化遺産指定
記念行事の打ち合わせに結城に行きます
矢張り着ていくものは結城縮みですね

結城縮みは真綿から引いた糸を経緯使っていますので
単にしても温かいのです
今日は久しぶりに25度といいますから
ちょっと暑いかも
それで長襦袢をまだ洗い張りに出していない絽にしました

さて
ユネスコ文化遺産の対象は
真綿の手引き
絣は手くくり
機はいざり機
この三つの技術が遺産登録をされました

むかし
この三つの技術を満たしているのを「重要無形文化財」
とラベルをはって高額な値段をつけて売っていました
しかし
それを悪用する業者が増えたことで
いまは「重要無形文化財」という証紙は貼っていません

だって同じ機同じ糸で織ったものは絣がないだけで
証紙が貼れないのもきものがかわいそう
そう縞もそうです
縮みも強撚糸を使うので証紙が貼れなかったのです


というわけで結城紬の組合からルートに乗ったものは
「本場結城紬」と統一されました

さてその悪徳業者は最近破産しましたね

ファンは混乱します



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塩漬けの裏地

2011年09月28日 | きもの
あれはもう15年以上も前になるらしいのですね
志村明さんが古文書から
繭を塩漬けする方法を見つけ

その手法を研究し反物に出来上がったので見て欲しい
そういうお話を頂
白生地の専門家の大竹さんと
当時志村さんが作業そしていた野村町に飛びました

そのときこの世にこんな生地があるのかと仰天しました
母の肌のぬくもりのように慈愛に溢れていました
早速丁子で染めていただき着ましたが

困ったことに裏地が合いません
それで単で着ることになり
更に不都合なのが縫い糸です

そして洗い張りに出しましたところ
縫い糸の方が強いので表の布の組織が壊れているのですね
其れを見た志村さん
早速縫い糸にも挑戦更に裏地も手織りで織り上げて送ってきました

いい着物をたくさん仕立てている上杉さんが
「なんて縫いやすいそして着物の布に無理のいかない裏地でしょう」
こういう布にめぐり合って「縫う」というのは幸せですよ

塩漬けの着物が完璧になりました
11月26日(土) 今は長野の飯島で塩漬けをしている
志村さんの工房をみんなで訪ねます

バスをチャーターしました



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シルクウール

2011年09月27日 | きもの
人形町の三勝さんはシルクウールに命をかけています
歌舞伎調子の格子やはんなり系の無地
親子縞、棒縞と極端に面白い組み合わせの色もあって
Yさんなど
「面白いから着てみようかしら」
絹物では冒険できないけどーー
といいながら着用、何せ値段も3万円

Mさんも
「今頃着る着物がほしいけど、値段も手ごろでーー」
こちらは男物
なにせ麻の着物が入門ですっかりきもの人生を歩き始めたのです

長襦袢は絹にしましょう
と昨日「麻の会議」にシルクウールを着てご出席
麻の柄の帽子をかぶり地下足袋ブーツといういでたち
それがなかなかサマになっているんですね
皆さんからも好評でした

長襦袢に半衿を付けるとき私はフト思いつきました
男の半衿には芯を入れませんが
初心者は半衿がふにゃふにゃになりやすいのですね
それで麻の半衿を芯にして入れましたところ
衿がシャンとして着易いようでした

男の衿は少し立てて着る方が格好いいので
半衿は少し硬い方がいいかもしれません

「きものの形は壊してはいけないけど着方は勝手流でいい?」
「どうぞ自分のものにして頂戴」

居敷当

2011年09月26日 | きもの
単でも背伏せだけのものと
居敷当をつけたものを着ていますが
今日のように22度という気温で
湿気も30%以下ですと肌寒い

テレビでは半そではやめて長袖が丁度いい
なんて天気予報氏がおっしゃっていますが
そんな生易しいものではありませんね
サムイ

居敷当の付いた単に単の長襦袢を着たのですが
暑い
それで慌てて絽縮緬の長襦袢に変更
それでまた絽縮緬の半衿をかけて
ふー

微妙なのですよ
洋服ですと長袖のブラウスに麻のジャケットか
単仕立てのジャケット
またはカーデイガンと言う装いで
暑かったら脱げばいい訳です

白人さんは
夏のドレスに平気で毛皮のストールなんてしたますね
電車に乗るとこの手の日本のお嬢さんも多くなりました

しかしきもののその微妙な装い方はちょっと難しいかも
でも其れが逆に頭を使って楽しい
ハマル要素でもありますね

昔の人の居敷当はきものを保護するため
今の私は季節の移り変わりに利用する感じ

今日のセキドはやっと萩の帯のお出まし
矢澤先生と相談してきものの襟付けのカーブに工夫
ふっくらと素敵
ほらね