毎日更新!中谷比佐子のきもの365日

きもの日記です。さて何を着よう?と思ったときの参考にも

台風の日

2011年08月31日 | きもの
台風の日はきものなど着ないことですよ
きものがかわいそう
でもそうは言っても着る必要があるときはーー

今日の私がそうです
いよいよ「麻の会」のお仲間に入るため
その会議にもう麻の着物は過ぎたので
麻糸と真綿糸の混紡結城紬を着ていきます

これですと大濡れしても安心ですから
そして何より麻の使い方のイロイロを説明できますもの

場所は銀座ですが防備のため雨下駄を履いていきます
さて雨ゴーとは矢張り芭蕉布のコートにしましょう
植物繊維ですから水に強いです

足袋の替えを持ち
タオル手ぬぐいを持って裾揚げのために
腰紐一本バックにいれて
そうするとトウゼン大きなバックでなくてはなりません
雨に強いビニールか布製のバックがいいですね

先日化粧品会社の景品で戴いた黒いビニールバックが
出番を待っていました
髪も濡れて風に飛びますからスカーフが必要です

そーら
こんなに大変だと長靴にミニスカートをはいて
レインコートを着る方がはるかに簡単

さもなければ車から車です
台風の日のきものは悩ましい

きものを解く

2011年08月30日 | きもの
気温は30度あっても朝夕の風は心地よい
そうすると不思議なもので
きものの襟垢、袖口の汚れ、アチコチのシミ
たたみながらも気になります

夏のモノは3シーズンくらいは生き洗いで美しくなりますが
袂の縫い目とか
上前衽下前の縫い目の汚れはなかなかきれいになりません
そういう時はもう洗い張りしかありません

解くのが大好きな私は刑事もののテレヴィを見ながら
その番組内に解いてしまいます
別に威張っているわけではないのですが
単ですと小一時間

さて長年の経験から
解く順序は
まず襟、両袖、そして背縫いの糸をしゅーっと抜いて
身頃をはらりと二枚に分けて
裾のまつりや身八つの止め縫いの糸を抜きます
この順序が一番早いように思います

上手な人が縫った糸は実にスムースに抜けます
不思議なものです

解き終わり布をたたんで
襟裏の布で縛って出来上がり

洗い張りの名人高橋さんのところでは
この後羽縫いを奥さんがして
高橋さんが馬の毛のブラシで気合を入れて汚れを取り
そのあとは伸子張りで乾かしてくれます
布がコレでぴんとしますね

「友情」とゆかた

2011年08月29日 | きもの
昨日は三越劇場で「友情」を観劇
つれづれの仲間とスタッフで行きました
メインのシーンで生徒達が浴衣を着るのですが
男の子達の浴衣の着方が面白い

なかにジーンズを履いたり
裾をはしょっていたり
さすがに女の子は「浴衣を着ている」
という感覚なのでしょうかおしとやか
やけに色っぽい子もいて浴衣の持つ表情が面白い

先生役、昔光源氏の内海クン
白がすりの浴衣が清潔、角帯の位置も決まり
格好よかったですよ

子供達が自分で考えた着方は今の若い人たちの感覚でしょうね
その前日が隅田川の花火の日だったのですが
電車の中は浴衣姿の女の子でいっぱい

赤だ黄色だ紫だ紅色だと百花繚乱
賑々しい感じでした
そうそう筑波に行った日もお祭りの日で
3歳くらいの幼児から少女やお姉さんの年の人まで
みーーーーんな色とりどりのゆかたを嬉しそうに着ていました

「ゆかたは夏の情緒」では無く「夏のフアッションドレス」ですかね

紺地に白百合や白薊
白地に紺の朝顔や萩の花
こういう古典の浴衣を好む少女にホッとします

紺地浴衣は首筋を美しく見せるのですよね

急の雨

2011年08月28日 | きもの
思いがけない雨にあいました
晴雨兼用の折りたたみの傘をもっていましたので
ずぶぬれになることはありません
しかしきものの裾はーー草履はーー足袋はーー

タクシーも見つからず雨宿りをする時間も無く
とにかく雨の中を突進しなければなりません
こういうとき
恥も外聞も無く私は裾をからげるのです
上前の裾を帯締めに挟み駆け抜けます

コレは実は芸者さんに教わった雨しのぎ
手取り足取り教わったのではなく
赤坂で芸者さんがザーとと降り出した雨の中を
裾をからげて走って通り抜けた姿を垣間見て
「はははーーんなるほど」
と感心しまねしているわけです

この格好ハネも上がらず裾も濡れずさすが!という知恵ですね
いいことはまねしましょう

ずいぶん前ですが矢張り突然の雨
それにとにかく進まなければならないときがあり
「そうだ」とばかり上前を帯締めに挟んでかけていたのですが
まずいことに長襦袢が真っ赤
道行く殿方が喜んじゃってーー

でも誰も傘に入れてくれようとはしないのですね
ひたすら目を見開いて眺めているだけ

あきれて近づけないのかなあ

SWITCH

2011年08月27日 | きもの
村上和雄先生ドキュメンタリーの「SWITCH」を
仲間とスタッフ総勢10人で筑波大学まで見に行ってきました
和雄先生とは久しぶりの対面
相変わらず優しくユーモアがあって涼やか

「へーきもの美人ばかりねうれしいな」

遺伝子は親からの頂き物と環境からのものがあるというお話
人間の可能性は無限なので「オン」する瞬間をたくさんもつといい
そういう可能性のお話がこの映画の中にあふれていて感動
自主映画なので仲間達を集めて映画鑑賞が出来ます
申し込みは サンマーク出版 TB編集部 03-5272-3113
貸出料は5万円だそうです

大学内での観賞ということで
皆さん渋め、経絽、明石、八重山、狭山、夏大島、綿小紋
帯の合わせ方が面白かったわ

羅、絽つづれ、紋紗、絽、絽紬
柄は秋草模様のかたがほとんど
羅の帯をわがスタッフが締めていたのにはチョット参った!
処暑を過ぎると羅とか麻はおさらばなのだけど
最近の気候事情はそういう決まりを崩している
それでもいいと思う私でもあります

筑波大学は広々として緑が多くこうところで学ぶ人は幸せですね