毎日更新!中谷比佐子のきもの365日

きもの日記です。さて何を着よう?と思ったときの参考にも

振り袖戦線

2012年01月31日 | きもの
振り袖の売りだしが始まっています
成人式で振り袖姿をたくさん見たばかりですが
呉服屋の店先は色とりどりの振り袖と帯が
華やかに飾り付けられています

娘が16歳くらいになると
地域のいろんな呉服屋さんから
振り袖のカタログが送られてきますね
親はまた祖父母はそのカタログを見て
嬉しそうにあれこれ品定めをして気持ちのあった
呉服屋さんを見つけて現物を見に行っています

私の周りでも18歳でもう決めたので
母親が娘の着付けをしたいと着付け学校に行く人もいます

しかし多くの娘さんは呉服屋さんに囲われていますね
ヘアメイク着付けセットの振り袖販売が普通になっています
若い華やかな笑顔や明るい声が着付けの当日
店中に響き渡るのは気持ちが浮きたちます

でも私は母親が娘の晴れ着を着付けるという時代になってほしい
とつくづく思うのです
其れでこそ歴史文化の伝承ですから
何もかも引き受けることが呉服屋のサービスと思うのは
傲慢ではないでしょうか

魚釣りをしたいという人に魚だけを売るのと同じです
いまはレンタル振り袖大流行ですが
其れも時代でしょうか





毛皮の襟巻き

2012年01月30日 | きもの
本当に多いですね
久しぶりに「ギンギツネ」や「ミンク」の襟巻きに
遭遇します

昨日も何人とお会いしたかな
コートもロングコートが多くその上に毛皮の襟巻きです

今年は本当に寒いのですね
肌を刺すような冷たい風がほほをほてらせます
毛皮の暖かさが頼りですね
皆さん久しぶりに取り出したらしく

防虫剤のにおいを振りまいて歩いている方もおいでです

毛皮でない方はコートの上に大きなショールを肩いっぱい
というより腰まで覆って暖かそうです

私はここのところ本当に久しぶりに
「角巻き」や神父さんのマントのお出ましが多いのですが
ちょっと気に入っているのが
神父さんのマントをパクッたチャココートというのがいいのです

其れは一反でコートを作り
私の身長だとロングマフラー分の切れが余ります
其れもコートと同じように裏を付けて
大きな襟を立てて「真知子巻き」にして襟元で結びます

暖かいのですよ
しかもこのコート背中全体に真綿を引いていますので
背中がポカポカ
それでいてすっきりと見えます

なかなかの優れものですね
さらに寒いとやはり毛皮の襟巻きも登場

新宿はビル風がきついのですよ

初会合

2012年01月29日 | きもの
昨日は「比佐子つれづれ」の年始めの会でした
さすがに皆さん新年らしい装い
龍の帯を粋に締めたTさん
無地の古代紫の綸子にご自分で刺した松竹梅の五つ紋のAさん

黒字の結城紬には胸に梅の刺繍二つ紋
袖に松とと竹の振り分け二つ紋
そして背に松竹梅の一つ刺繍紋
帯は白繻子に金の梅散らしのWさん
「うわー」とみんなの声

角通しの江戸小紋に春草の帯はuさん
松竹梅を散らした古代縮緬の袋帯を
古代縮緬の無地のきものに合わせたHさん
白地に梅の花を金で散らした小紋に大きな梅の型染めの黒地帯
いつも工夫が大好きなMさん

お母さまがとてもついていたときの縁起のいいきもの
ちょっと古いので帯をかわいく結んだと
お婆ちゃまの矢羽根のお召し

おばさまの十三参りの時のきものを帯にしましたとKさん
渋い紫地の江戸小紋にはんなりとした
瓶のぞきの藍色に宝づくしが優しい

半襟を梅の柄に
暖かそうな黄色系のこうでいねーと
宝づくしの袋帯
などなどそれぞれが初会合に楽しんで着ていらした着物姿が
秋桜舎を華やかにしました

スタッフも前日から
「ナニヲ着ようかなあ」
と話し合って楽しみました




素敵な女性でいられますよう

2012年01月28日 | きもの

6年前に3セットのきものと帯のコーデイネートを
お手伝いさせていただいた由美子さん
この二月に結婚式、披露宴に招かれたので
「お見立て」してほしいと電話をいただきました

お聞きすると日数が迫っています
「この前お作りした若冲は?」
「とても評判が良くて今度お集まりの方々にはもうおなじみなの」
「ではあのぼかし染めは?」
「ちょっと今回のお集まりでは寂しい感じ」

「若い人が多い集まりなのでかわいい感じになるといいなあ」
「さわやかで優しい雰囲気?」
「そうそう」

大特急で探しました
新橋色の地色に白の胡蝶蘭
清潔で若々しい雰囲気が漂います

黄土色と白の琳派でこちらは大人の雰囲気ですが
色白の由美子さんにはよく似合います

由美子さんの手元に届いてから二日間じっくり考えて
「きものの良さは琳派だけど今回はーー」
お客様に若い人が多く立派な感じにはなりたくないので
胡蝶蘭にすると

ご自分がどんな感じに装いたいかが実にはっきりしています

「素敵な女性にいられるようサポートしていただき
有難うございます」
とお便りいただきました

とても嬉しいお便りで神棚にお供えしたものです



尼さん草履

2012年01月27日 | きもの
京都のお寺で見つけた尼さんの雨草履
その日は朝から大雨で東山のお寺の法事に集まった
尼さんやお坊様たち
独特の尼さん草履、お坊さん草履が入り口に整列していました

いいなあ
白い鼻緒に透明な爪皮、足を置くところもビニールの畳表
雨の日にはもってこいです
シンプルでいて便利そう

その法事の帰り
早速尼さんに声をかけ
「その雨草履をどこで購入できますか?」
とききました
「ごいっしょしまひょ」
とご丁寧に連れて行って下さいました

もちろん購入そこは法衣店でした
愛用しましたね軽くてシンプルそして手頃な値段
私の著書「24節気のきもの」にも登場をしています

その本をご覧になった方が
出版社に電話をし
秋桜舎の連絡先を聞いて電話をいただきました

あのとき店に5足あって全部いただいたのですが
行儀悪く買い締めしちゃった!

最後の一足が残っていて早速お送りしました

法衣に履く雨草履ですから清楚です
その職業に合う履き物があるのだとつくづく感心したものです
梅雨や夏にはこの尼さん草履は手放せません
涼しく軽いのが一番