毎日更新!中谷比佐子のきもの365日

きもの日記です。さて何を着よう?と思ったときの参考にも

夏越しの祓い

2011年06月30日 | きもの
本当に早い
Ⅰ年が今日で半分終わります
九州や四国は梅雨が明けたようですが
東京は来週いっぱいはぐずつきそうです

今日はスタッフ一同産土様である熊野神社で
茅の輪くぐりをしてきます
そして大祓いを受けてくるのですが
昔は紋付を着て行っていましたが
今は普段着

来年からはヤハリ紋付を着ようと思います
それぞれおもいおもいのきものを着ていますが
矢張り絽に落ち着いています
一応帯は芯の入ったものがまだお決まり

梅雨明けまでは芯入りの帯
でも紗袋はオーケー

梅雨が明けたら芯のない紗や絽つづれの八寸帯
花街は7月からもう芯の入っていない帯を締めたものですが
それもこだわっている人は少なくなりましたね
何もかも今風な考え方です

しかし
京都の祇園だけはしっかり慣わしを守っています
簪に至るまで
守る人がいないと本当の意味はいつの間にかわからなくなります

本当のことを知っていて決まりを外すのと
わけもわからず自分勝手に着てしまうのとは
根本が違います

その根本が狂うと美しさから程遠くなりますね
美しいことが全てですからーー


夏の喪服

2011年06月29日 | きもの
「6月30日の告別式にもう絽の喪服でいいでしょうか?」
というご質問を戴きました
「いいと思いますよ」
とお答えしました

私は梅雨が明けると「紗の喪服」を着ます
そして帯は紗袋
紗の半衿、紗の帯揚げ、帯締めは細ゆるぎ
そして長襦袢は駒絽です
下着類はすべて麻
そうしないと紗の喪服は見事に下まで透けてしまうのですね

長襦袢も紗にしたら
悲しみの席にーー不謹慎ですね
殿方にサービスする必要はないでしょう

夏の喪服には平絽が一般的です
貸衣装もすべて平絽です
平絽が悪いわけではないのですが
気分的に紗がすきなのですね
もちろん平絽の喪服も持っていますがーー
その代わり平絽は6月にすでに着ることが多いです
その場合帯は絽の名古屋帯を締めます

所によっては
紗袋は二重になるので二重の悲しみを呼ぶといって嫌う地方もあります
ものは言いようで
京都の友人は「二重に悲しんでおります」
という意味もあるでーとおっしゃています

お通夜だけ、または遠い関係の場合は
色喪服に黒か紫などの帯でしょうか
略喪服にも一つ紋は付けたいですね
このご時勢ですから日向紋にして晴れの日にも着るほうが経済的

ヘチマの帯枕

2011年06月28日 | きもの
30度を越してしまうと
背中は涼しいヘチマの帯枕に限ります
私どもではヘチマを包むのも麻にして
涼しい限りです

ヘチマの帯枕というのは大正時代にでてきたそうで
各家庭で育てたヘチマを使っていたらしいです
我が家にもありましたね

姉達が夏ヘチマを育て
その茎からポタポタと落ちるヘチマ水を
自分達の化粧水に作っていましたっけ

幼い私は
そのヘチマ棚の陰で近所の子供達と
おままごとをしていたように思います
プラプラ揺れるヘチマの実を小突き回して
遊んでいました

ヘチマは水につけて皮をはぐのですが
あの乾いたヘチマにするまでには結構な労働が必要です


ヘチマは一本一本様子が違うので
形をそろえるためにセキドが懸命に形作っています
ご苦労なことと頭を下げています


関東は今年は節電
陰を作るためにヘチマはもってこいです

ヘチマの帯枕は背中の汗を吸ってくれるのですね
始めは硬いのですが汗を吸って柔らかくなり
丁度いい硬さになっていきます

脱いだ後は霧吹きをかけると汗も飛び
しっかりします
昔の人の知恵をドンドン活かす時代になったようです

半衿の手入れ

2011年06月27日 | きもの
夏冬限らず半衿は手洗いし
陰干しして生乾きのときにアイロンをかけるとピシッ
でも夏は暑いですよね
今年は節電しなければいけないし
それでは干すときパンパンと叩いて引っ張れば少しは言い訳でよ

でも先日の「比佐子つれづれ」で
上杉さんの提案がナールホドと思いました

洗った後ピッツピッツとひぱって干すのですが
乾いたら「サランラップ」の芯に巻き付けて更にシワをのばす
ということです
思わず
「アタマいい」
と皆さんから歓声が上がりました

サランラップの小さい芯は半衿の幅にピッタリだそうです
是非お試しくださいな

私は昨日早速試しました
この夏使うであろう半衿をぐるぐる巻いて
太い大根のようになりましたが
本当にシワは綺麗に伸びます

素敵な提案をシェアーいたしました
ぜひ
これぞ「知恵」ですね

夏の半衿

2011年06月26日 | きもの
昨日の「比佐子つれづれ」では「半衿」の話をさせていただいたの
半衿の現物種類
昔の人の半襟お洒落の写真
過去に私が取材した舞妓や芸者さんたちの半衿のお洒落感

半衿には強い季節感と
きものの素材との合せ方のルールがあり
昨今はもう春・秋・冬は「塩瀬羽二重」一筋
そして盛夏には「平絽」

更に刺繍襟や色半衿を付けている方は
勿体無いほど付け方がお粗末
変わった半衿を付けるときは
ここぞとばかり存在感を顕にするべきだと思うの

そうするとトウゼン髪の形
帯の形も変わってきて
きものを着る楽しさが一段と増えるのではないかしら

と言うことで昨日はヨシダをモデルに
刺繍襟の着付け方をお見せしました

本来は刺繍半衿は髪の毛を膨らまして
ふっくらと着るのが理想なのですが
昨今は小ぶりのヘアスタイルが多いので
刺繍や色半衿を楽しむには少しばかりの工夫が必要ね

何を隠そうワタクシ「半衿分限者」ですわ

さてこれからの季節は
平絽・駒絽・経絽・紗・紋紗・麻・麻絽
紗のきものには紗
麻には麻の半衿をあわせるのが好ましいですね