Johnny’s Dazed And Confused Days

〜ジョニーのぼんやりと混乱した日々〜

♪ ザ・ラック・オブ・ジ・アイリッシュ / ジョン・レノン&ヨーコ・オノ :1972年作

2023年03月09日 08時10分15秒 | John Lennon
モハーの断崖とゴールウェイ湾

ジョン・レノン「イマジン」は1971年の12月にリリースされました。
半世紀経った今でも、色あせることなく・・・というより、紛争が絶える事の無い現在、改めてこの歌の持つ世界観がいかに大切なものであるか思い知らされています。

この頃のジョンは、政治活動家といった類の人物に会ったり、その人物の運動を支援するコンサートのステージに立つなど、非常に政治的な音楽活動をしておりました。
そんな活動の中、1971年も終わろうとしていた頃、アイルランド支援コンサートで歌われたのが、今日ご紹介する「ザ・ラック・オブ・ジ・アイリッシュ」でした。

そして、、、このコンサートから2ヶ月もしない、1972年1月30日(日曜日)に、北アイルランドのデリーにおいて、非武装の市民が公民権運動デモ行進中、イギリス軍兵士により27名の人が銃撃(14名死亡、13名負傷)されるという悲惨な事件が起きました。 いわゆる「血の日曜日事件」です!

北アイルランドの問題は、複雑に色々なものが絡み合って…
非常に難しい!

興味ある人だけ・・・
北アイルランドの紛争の歴史  ➡︎コチラ

ザ・ラック・オブ・ジ・アイリッシュ
/ ジョン・レノン&ヨーコ・オノ
 
もしも君たちがアイルランド人の運命になったら 
悲しくて 死んだ方がましだと思うだろう 
だからアイルランド人の運命になって 
イギリス人でよかったと思ってみるのだ!

千年の拷問と飢えの歴史が 
国民を自分たちの国から追い出した 
美と神秘に満ちた国は 
イギリスの略奪者どもに強奪された!

もしも君たちが花のような声を持てるなら 
世界中にアイルランドの国花のシャムロックが咲くだろう 
もしも君たちがアイルランドの 
小川のように夢をのめるなら

世界は朝の山のように高くそびえるだろう 
リバプールで彼らは話してくれた 
イギリス人がどのようにして国を引き裂いたかを 
苦痛と 死と栄光と古き良き時代の詩の国を

もしも我々が 朝の露で鎖を作れるなら 
世界はゴールウェイ湾のようになるだろう 
小さくしなびた老人の姿をした鬼のように虹を渡ろう 
世界は巨大なブラーニー・ストーンになるだろう

イギリス人共はなんでそこにいるのだ? 
神を楯にとって殺人を犯すとは! 
すべてを若者たちとIRAのせいにする! 
大量虐殺を犯しておきながら! 
そうだ!そうだ!大量虐殺だ!

もしも君たちがアイルランド人の運命になったら 
悲しくて 死んだ方がましだと思うだろう 
だからアイルランド人の運命になって 
イギリス人でよかったと思ってみるのだ! 
イギリス人でよかったと思ってみるのだ!

 シャムロック

シャムロック…アイルランドの国花、三つ葉は三位一体、平和の象徴とされている。
ゴールウェイ…アイルランドの西部の都市。
ブラーニー・ストーン…口づけすると友好的になるという伝説を持つ石。

 ブラーニー・ストーン

 【 Album Data 】
リリース:1972年6月12日(英国)、9月15日(米国)
チャート:英国11位、Billboard48位、オリコン15位

この曲が生まれたのは、「血の日曜日事件」の前年、数ヶ月前のことです。
その為か、全体的に非常にのんびりとした牧歌的な雰囲気で、ジョンが英国を詰っているのに対し、ヨーコがアイルランドの美しき風景や伝説などをとても詩的な表現で歌い上げております。

この詞を読むと「さすがジョン・レノンだ!」と思わずにいられません…
ヨーコがソロを取る部分で、さり気なく、アイルランドにまつわる言葉を使って、美しい詞に仕上げてますね。

世界中の平和を平和の象徴の「シャムロック」に…
世界中の友好をアイルランドの伝説の石「ブラーニー・ストーン」に…

曲の詞で交互に剛と柔(ジョンが剛、ヨーコが柔)を付ける辺りが、ジョンの天才ぶりが発揮されてると言っていいんでしょうね!

やっぱり、ジョンは素晴しい詞を書きますね!

この曲の詞は、ジョンの作品の中でも、最も好きなもののひとつです。
また、ヨーコが、唯一、それなり効果的に参加してる曲とも思ってます。






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