Johnny’s Dazed And Confused Days

〜ジョニーのぼんやりと混乱した日々〜

♪ スーパースター / カーペンターズ:1971年作

2022年12月10日 19時00分00秒 | 1970年代の洋楽

紆余曲折

レコーディングされたものの、脚光を浴びないまま埋もれてしまっている名曲たちは数多く存在しているのでしょうね!

今日は、あるアーティストのカヴァー・ヒットにより、70年代を代表する名曲となった曲を・・・
カーペンターズのヒットでお馴染みの「スーパースター」も、ひとつ間違えたら、埋もれたままの無名の名曲として終わっていたかも・・・
この70年代の名曲は、脚光を浴びるまで紆余曲折の展開がありました!

原曲はシングルB面の棄て曲?
1971年のカーペンターズによるヒットから、遡ること2年前の1969年にデラニー&ボニー「カミン・ホーム」という曲とのカップリングのB面曲としてリリースしたのが、今日ご紹介する「スーパースター」でした。
ロック・ギタリストに思いを寄せるグルーピーのことを歌にしたもので、元々のタイトルは、ずばり「グルーピー(スーパースター)」
因みにA面がエリック・クラプトン、B面がレオン・ラッセルとの共作という贅沢な組み合わせです!

Groupie - Delaney & Bonnie

運命の人が“デラニー&ボニー&フレンズ”のツアーに参加
1969年も終わろうとしていたその時期、デラニー&ボニーは、気の合う仲間達とイギリス・ツアーを決行~その中にはギターのサポート・メンバーとして、エリック・クラプトンも参加するという豪華な布陣でした。

そして、もうひとり・・・

名曲誕生の鍵を握ったチェロキー族の血を引く女性シンガーがバック・コーラスとして参加、1971年にソロ・デビューを果すリタ・クーリッジです!

因みにこのイギリス・ツアーの豪華な主な参加者はエリック・クラプトンボビー・ウィットロックカール・レイドルジム・ゴードンデイヴ・メイソンボビー・キーズリタ・クーリッジ...etc
これが、翌年のデレク&ザ・ドミノスの結成の切っ掛けになり、稀代の名曲「いとしのレイラ」が生み出されることに・・・


そして運命の扉は開かれた・・・
1970年、ジョー・コッカーのツアーに、デラニー&ボニーの仲間のひとりレオン・ラッセルと共に参加したリタ・クーリッジ、コンサートの中で、彼女にスポットを当てるコーナーが設けられることに・・・
その中で、彼女のレパートリーとして歌われた曲が、デラニー&ボニー「グルーピー(スーパースター)」~タイトルからグルーピーという文字を取った「スーパースター」の誕生です。

Superstar - Rita Coolidge

このジョー・コッカーのツアーの模様がアルバム化されたことが、シングル曲のB面という、言って見れば舞台の片隅にひっそりと佇んでいたこの名曲を表舞台に立たせる切っ掛けになったわけです!

一人歩きを始めた名曲の行き着いた場所
ある日、TVを見ていたリチャード・カーペンター『トゥナイト・ショー』という番組の中でペット・ミドラーが歌う「スーパースター」という曲に反応しました。

「この曲は、カレンにぴったしだ!」

この時点では、まだTVで歌っていたベット・ミドラーにしても、先のリタ・クーリッジにしても、ソロ・デビュー前のことで、名曲が勝手に一人歩きして、天才アレンジャーのアンテナに引っかかったようですね!

カーペンターズとグルーピーのイメージのギャップ
品行方正がイメージのカーペンターズ「グルーピーのことを歌った曲を取り上げては不味い!」と感じたリチャード、次なる一手は、過激な歌詞を柔らかく変更するという手段を取りました。

And I can hardly wait to sleep with you again
(あなたとまた一緒に寝る日がとても待ちきれない)
And I can hardly wait to be with you again
(あなたと一緒になる日がとても待ちきれない)


このようにして、カーペンターズのレパートリーとして生まれ変わった「スーパースター」、日本でも1971年に大ヒット!
ヒット・チャートを駆け上がりました!

Superstar - Carpenters

スーパースター / カーペンターズ
ずいぶん前 遥かに昔のこと
私はあなたと恋に落ちた
2回目のショウが始まる前に

あなたのギター、とても甘くそして澄んだ音色
でもあなたはここにはいない
ただのラジオだもの

ねえ覚えていない?
私のことを愛してるといってくれたでしょう
また戻ってくるよといってくれたでしょう
ああ、あなた
本当にあなたが好きなの

孤独なのはとても悲しい出来事
とても待ちきれない
あなたと一緒になる日が

どう言えば、あなたは戻ってくれるかしら
また戻ってきてほしい
あなたの悲しいギターを奏でてほしい

 

 



2 コメント

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Unknown (naotomo3451)
2022-12-11 19:19:03
カーペンターズのLP版アルバム磨り減るほど聞きました。「スーパースター」にそんなエピソードがあったんですね。初めて知りました。
エリッククラプトンと言えば、私にとっては「天国の涙」です。何故か和訳での方がしっくり来るのです。悲しい実話を聞いてから、切なくなりますが大好きな曲です。
いつも思い出を有り難うございます
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Unknown (ikenaijoni)
2022-12-11 19:45:45
> naotomo3451さんへ
僕もカーペンターズは、丁度、この頃、日本編集のベスト盤を買いました。 このアルバムでバート・バカラックの存在も知るなど、音楽の好みを広げることになりました。
クラプトンの曲は「Tears in Heaven」のことですね。
幼い息子さんが高層マンションから落ちてしまって亡くなった後に作った息子さへの曲、親としては後悔しても仕切れない、気の毒です。
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